【標準】対数微分法と実数乗の微分

ここでは、対数微分法の紹介と、実数乗の微分について見ていきます。

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対数関数の微分と合成関数の微分

【標準】指数関数・対数関数の微分の対数関数の微分では、\[ (\log x)’=\dfrac{1}{x} \]であることと、合成関数の微分を使った微分の計算を行いました。例えば、\[ y=\log(x^2+1) \]であれば、
\begin{eqnarray}
y’
&=&
\frac{(x^2+1)’}{x^2+1} \\[5pt] &=&
\frac{2x}{x^2+1} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

一般に、 $y=\log |f(x)|$ と表されているとき( $f(x)$ は $0$ とならない、微分可能な関数)、合成関数の微分を使うことで、\[ y’=\frac{f'(x)}{f(x)} \]となることがわかります。この性質を積極的に用いることで、微分の計算が簡単になる場合があります。その一例が、次で見る「実数乗の微分」です。どういう使い方をするのか、見ていきましょう。

実数乗の微分

$y=x^n$ の形をした関数の微分については、今まで何度か計算してきました。 $n$ が自然数のときは、\[ y’=nx^{n-1} \]となります。これは、【標準】xのn乗の微分と二項定理で見たように、二項定理を使って示す方法もありますし、【基本】積の微分で見たように、何度も積の微分を使って示す方法もあります。

$n$ が負の整数の場合は、【基本】商の微分で見たように、例えば $y=x^{-3}$ の微分は、 $y=\dfrac{1}{x^3}$ というように逆数にしてから、商の微分だと思って微分すれば求められます。 $n$ が有理数の場合は、【基本】有理数乗の微分で見たように、例えば $y=x^{\frac{1}{3}}$ の微分は、 $y=x^3$ の逆関数だと思って微分すればいいのでした。

結果的に、 $y=x^p$ $(x\gt 0)$ で、 $p$ が有理数の場合は\[ y’=px^{p-1} \]となります。ただ、指数は、実数の場合もありえます。 $p$ が実数の場合はどうなるのでしょうか。

ここで、先ほど紹介した、対数微分法が使えます。今、対数は特に出てきていませんが、あえて $y=x^p$ の両辺の対数を考えてみることにしましょう。 $x\gt 0$ の場合を考えているので両辺とも正で、対数を考えると次のようになります。\[ \log y=\log x^p=p\log x \]これは、 $p$ が実数でも成り立つ式です。

こうして置いてから、両辺を $x$ で微分してみましょう。右辺は $\dfrac{p}{x}$ となります。一方、左辺は合成関数の微分であり、\[ \frac{y’}{y} \]となります。今知りたいのは、 $y’$ です。また、 $y=x^p$ なので、これらを代入すると
\begin{eqnarray}
\frac{y’}{y} &=& \frac{p}{x} \\[5pt] y’ &=& \frac{p}{x}\cdot y \\[5pt] &=& \frac{p}{x}\cdot x^p \\[5pt] &=& p x^{p-1} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これから、実数の場合も、 $y=x^p$ を微分すると $y’=px^{p-1}$ となることがわかります。

実数乗の微分
$p$ が実数で $x\gt 0$ のとき、次が成り立つ。\[ (x^p)’=px^{p-1} \]
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対数微分法

先ほどの、実数乗の微分のように、両辺の対数を考えて微分する計算方法を、対数微分法(Logarithmic differentiation) といいます。\[ (\log |y|)’=\frac{y’}{y} \]となることから、\[ y’=y(\log|y|)’ \]が成り立ちます。左辺は計算しにくいけれど、右辺が計算しやすい場合は、対数微分法を使うと微分しやすくなります。

たくさんの式の積で表されている場合や、指数に $x$ の式がある場合などは、きれいに分解でき、計算しやすくなり場合があります。複雑な計算式の例は別の機会で見ることにして、ここでは、指数関数の微分について見てみることにしましょう。

指数関数の微分は、【基本】指数関数の微分で、対数関数の逆関数の微分として考える方法と、定義から求める方法の2つを紹介しました。ただ、対数微分法を使えば、もっとシンプルに示すことができます。

$y=a^x$ とします。ただし、 $a$ は $1$ 以外の正の実数です。この両辺の対数を考えると\[ \log y=x\log a \]となります。両辺を微分すれば\[ \dfrac{y’}{y}=\log a \]です。これから、\[ y’=a^x\log a \]です。あっけなく求められてしまいます。また、 $y=e^x$ のときは\[ y’=e^x \]というのもすぐにわかります。

おわりに

ここでは、対数微分法と実数乗の微分について見てきました。対数微分法はそんなに使用頻度は高くないですが、覚えておくと計算量がグッと減ることがあります。