【基本】指数関数の微分

ここでは、対数関数の微分を用いて、指数関数の微分を計算していきます。

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指数関数の微分(逆関数の利用)

指数関数の微分を求める方法はいくつかありますが、ここでは、対数関数の微分と逆関数の微分を用いて求めていきます。

まず、【基本】対数関数の微分で見たように、対数関数を微分すると、次のようになります。
\begin{eqnarray}
(\log_a x)’ &=& \dfrac{1}{x\log e} \\[5pt] (\log x)’ &=& \dfrac{1}{x} \\[5pt] \end{eqnarray}ここで、 $a$ は $1$ でない正の実数です。

また、指数関数と対数関数は、互いに逆関数の関係になっているのでした(参考:【標準】指数関数の逆関数)。つまり、 $y=a^x$ と $y=\log_a x$ は逆関数の関係にあり、 $y=e^x$ と $y=\log x$ も逆関数の関係にある、ということです。

さらに、逆関数の微分も求めることができます。【基本】逆関数の微分で見たように、\[ \dfrac{dy}{dx}=\frac{1}{\dfrac{dx}{dy}} \]となるのでしたね。

これらをまとめれば、指数関数の微分を計算することができます。 $y=a^x$ の微分は、逆関数の微分を用いて、「対数関数の微分」の逆数となります。対数関数の微分は計算できるので、
\begin{eqnarray}
\dfrac{d}{dx} a^x
&=&
\dfrac{1}{\dfrac{d}{dy}\log_a y} \\[5pt] &=&
\dfrac{1}{\dfrac{1}{y\log a}} \\[5pt] &=&
y\log a \\[5pt] &=&
a^x \log a \\[5pt] \end{eqnarray}となります。特に、 $a=e$ のとき、つまり、底が自然対数のときは、 $\log e=1$ なので\[ (e^x)’=e^x \]となります。微分をしても結果が変わらないんですね。このことからも、指数関数・対数関数の世界で、自然対数が「基準」のような役割を果たしている、と考えることができるでしょう。

指数関数の微分
\begin{eqnarray}
(a^x)’ &=& a^x \log a \\[5pt] (e^x)’ &=& e^x \\[5pt] \end{eqnarray}
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指数関数の微分(定義から求める)

指数関数の微分は、先ほどのように「対数関数の逆関数の微分」として求めることができますが、もちろん定義からも求めることができます。

$f(x)=e^x$ の微分から考えてみましょう。こちらのほうが結果がシンプルになったので、まずはこちらから考えることにします。定義通りに計算しようとすると
\begin{eqnarray}
& &
\lim_{h\to 0} \dfrac{e^{x+h}-e^x}{h} \\[5pt] &=&
\lim_{h\to 0} \dfrac{e^x(e^h-1)}{h} \\[5pt] \end{eqnarray}を計算することになります。ここで、 $e^x$ の微分は $h$ と関係がないので、結局 $e^x$ 以外の部分がどのような値に収束するかを考えればいいことがわかります。

このまま考えることは難しいですが、分子をまるごと別の文字で置き換えて変形すると、見たことのある形が出てきます。 $k=e^h-1$ と置いてみましょう。こうすると $h\to 0$ とすれば $k\to 0$ となります。また、分母は $h=\log(k+1)$ となります。よって、先ほどの極限は、次のように計算できます。
\begin{eqnarray}
& &
\lim_{h\to 0} \dfrac{e^x(e^h-1)}{h} \\[5pt] &=&
e^x \lim_{k\to 0} \dfrac{k}{\log(k+1)} \\[5pt] &=&
e^x \lim_{k\to 0} \dfrac{1}{\dfrac{1}{k}\log(1+k)} \\[5pt] &=&
e^x \lim_{k\to 0} \dfrac{1}{\log(1+k)^{\frac{1}{k}}} \\[5pt] \end{eqnarray}ここで、分母の式をよく見ると、自然対数を定義したときに用いた式が出てきています。 $k\to 0$ のとき、 $(1+k)^{\frac{1}{k}} \to e$ と定義したのでした(参考:【基本】自然対数)。よって、先ほどの極限は\[ e^x\cdot\dfrac{1}{\log e}=e^x \]となることがわかります。つまり、 $(e^x)’=e^x$ ということです。

$a^x$ の微分を考えたい場合は、底を変えてから計算すればいいでしょう(参考:【基本】対数の基本性質)。\[ a^x=(e^{\log a})^x=e^{x\log a} \]となるので、合成関数の微分を使えばいいですね。 $u=x\log a$, $y=e^u$ と考えれば、
\begin{eqnarray}
(a^x)’
&=&
(e^u)’ \cdot (x\log a)’ \\[5pt] &=&
e^u \cdot \log a \\[5pt] &=&
e^{x\log a} \cdot \log a \\[5pt] &=&
a^x \log a \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

対数関数の逆関数と考える場合と、同じ結果が得られました。このように計算して、定義から指数関数の微分を求めることもできます。

おわりに

ここでは、指数関数の微分を2つの方法で求めました。 $e^x$ は微分しても変わらない、というのはおもしろい性質ですね。指数関数の微分を求める方法は、他に、対数微分法を用いる方法もありますが、これを使う方法は別の機会で見ていくことにします。