【基本】高次導関数

ここでは、何度も微分して得られる高次導関数について見ていきます。

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第二次導関数

【基本】三角関数の微分で見たように、 $f(x)=\sin x$ のとき、 $f'(x)=\cos x$ となります。

この導関数は、 $x$ の関数なので、もう一度微分できるかどうかを考えることができます。導関数をもう一度微分したものを、第二次導関数(second derivative) といいます。 $y=f(x)$ の第二次導関数は、以下のように、いろいろな表し方があります。\[ y^{\prime\prime},\ f^{\prime\prime}(x),\ \dfrac{d^2y}{dx^2},\ \dfrac{d}{dx^2}f(x) \]「 $^{\prime}$ 」が一回微分したものなので、「 $^{\prime\prime}$ 」と2個にすると、2回微分したものを表すようになります。後の2つは、 $dx^2$ となっていますが、これは $x^2$ で微分するということではなく、 $x$ で2回微分することを表しているので注意しましょう。

【基本】微分係数と導関数(の復習)で見たように、もともと、関数について調べるために微分するのでした。第二次導関数は、一回微分して得られた関数を調べるために使われます。第二次導関数を用いて関数を調べる方法は、今後見ていくことになります。

第二次導関数は、二次導関数と呼ばれることもあります。また、高校数学ではあまり使わないですが、二階導関数と呼ばれることもあります。「二回」ではないので注意しましょう。

第二次導関数に対して、 $f'(x)$ のことを、第一次導関数ということがあります。

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高次導関数

第二次導関数があるのだから、第三次も第四次も考えられます。関数 $y=f(x)$ を3回微分して得られる関数を、第三次導関数と呼び、\[ y^{\prime\prime\prime},\ f^{\prime\prime\prime}(x),\ \dfrac{d^3y}{dx^3},\ \dfrac{d}{dx^3}f(x) \]などとあらわします。

4回微分して得られるものは、第四次導関数と呼びます。これを表すときに「 $^{\prime}$ 」を使ってもいいのですが、「 $^{\prime}$ 」が4つ続くとさすがに見にくいですね。なので、次のように表します。\[ y^{(4)},\ f^{(4)}(x) \]また、先ほどまでと同じようにして、次の形で表すこともあります。\[ \dfrac{d^4y}{dx^4},\ \dfrac{d}{dx^4}f(x) \]ただ、4回微分したものがピンポイントで出てくることは少ないです。

さらに微分する回数を増やすこともできます。一般に $y=f(x)$ のとき、これを $n$ 回微分したものは、n 次導関数(derivative of order n) とよび、次のように表します。\[ y^{(n)},\ f^{(n)}(x),\ \dfrac{d^ny}{dx^n},\ \dfrac{d}{dx^n}f(x) \]なお、 $y^{(1)}$ は $y’$ のことです。

何度も微分して得られる導関数をまとめて高次導関数と呼ぶこともあります。

高次導関数の例

具体的な関数で、高次導関数を求めてみましょう。

例えば、 $y=x^3$ の場合、 $y’=3x^2$, $y^{(2)}=6x$, $y^{(3)}=6$ となります。これ以上微分すると、 $0$ となります。

$y=\sin x$ の場合は、 $y’=\cos x$, $y^{(2)}=-\sin x$, $y^{(3)}=-\cos x$ となり、 $y^{(4)}=\sin x$ となります。4回微分すると元に戻るんですね。これは $y=\cos x$ の場合も同様です。

$y=e^x$ のときは、一回微分をしても $y’=e^x$ と結果が変わらないため、 $y^{(n)}=e^x$ となります。何度微分しても結果が変わりません。

このように、第 $n$ 次導関数が直接求められるものもあります。しかし、一般的には、複雑な関数になると、このようにきれいに求めることはできません。 $n$ 回微分した結果が直接求められない場合は、数学的帰納法を用いて求めることになります。

例えば、 $n$ を自然数として、 $y=x^n$ の第 $n$ 次導関数を求めてみましょう。

$n=1$ のときは $y^{(1)}=1$ です。 $n=2$ のときは $y^{(2)}=(2x)’=2$ で、 $n=3$ のときは先ほど求めたように $y^{(3)}=6$ となります。よって、 $n!$ になるのではないか、と予想できます。

$n=1$ のときは正しいですね。 $n=k$ のときに、 $y=x^k$ の第 $k$ 次導関数が $k!$ だったとしましょう。 $y=x^{k+1}$ を1回微分すると $y’=(k+1)x^k$ となります。右辺をさらに $k$ 回微分すると、仮定から\[ y^{(k+1)}=(k+1)k!=(k+1)! \]となることがわかり、数学的帰納法から $x^n$ を $n$ 回微分したものが $n!$ となることがわかります。

この例では計算が簡単でしたが、もう少し計算が必要になるケースもあります。もう少し難しい問題は、別の機会に見ていくことにしましょう。

おわりに

ここでは、高次導関数について見てきました。高次導関数を考えるメリットは今はなかなか感じづらいですが、将来、関数のグラフをかくときに使うようになります(特に、第二次導関数を)。今は、高次導関数の表し方と、計算ができるようになることをマスターしましょう。