【基本】有理数乗の微分

ここでは、逆関数の微分を用いて、有理数乗の微分を計算していきます。また、合成関数の微分と組み合わせた計算も見ていきます。

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有理数乗の微分

【基本】商の微分の微分で見た通り、 $x^n$ ( $n$ は整数)を微分すると、 $nx^{n-1}$ となります。指数と、もとの関数の指数を $1$ 減らしたものとの積、ということですね。

さらに、【基本】逆関数の微分では、 $y=x^{\frac{1}{3}}$ の微分を計算しました。以下では、これを一般化した、 $y=x^p$ ( $x\gt 0$ で、 $p$ は有理数)の微分を考えてみます。

まず、 $y=x^{\frac{1}{n}}$ ( $n$ は正の整数)のときを考えてみましょう。このとき、 $x=y^n$ なので、逆関数の微分から、
\begin{eqnarray}
\frac{dy}{dx}
&=&
\frac{1}{\dfrac{dx}{dy}} \\[5pt] &=&
\frac{1}{ny^{n-1}} \\[5pt] &=&
\frac{1}{nx^{\frac{n-1}{n}}} \\[5pt] &=&
\frac{1}{n}x^{-\frac{n-1}{n}} \\[5pt] &=&
\frac{1}{n}x^{\frac{1}{n}-1} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。よく見ると、この場合も、「指数と、もとの関数の指数を $1$ 減らしたものとの積」になっています。

さらに、 $n$ を正の整数、 $m$ を整数として、 $y=x^{\frac{m}{n}}$ の微分を計算してみましょう。これは、 $x^{\frac{1}{n}}$ を $m$ 乗したものだ、と考えると、
\begin{eqnarray}
\dfrac{dy}{dx}
&=&
\frac{d}{dx} \left\{x^{\frac{1}{n}}\right\}^m \\[5pt] &=&
m\left\{x^{\frac{1}{n}}\right\}^{m-1} \cdot \frac{d}{dx} x^{\frac{1}{n}} \\[5pt] &=&
mx^{\frac{m-1}{n}} \cdot \frac{1}{n} x^{\frac{1}{n}-1} \\[5pt] &=&
\frac{m}{n} x^{\frac{m}{n}-1} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。この場合も、「指数と、もとの関数の指数を $1$ 減らしたものとの積」になっています。

以上から、 $p$ が有理数のときも、 $y=x^p$ を微分すると $y’=p x^{p-1}$ となることがわかります。

$x$ の有理数乗の微分
$p$ が有理数のとき、次が成り立つ。\[ (x^p)’=px^{p-1} \]

これを使えば、 $y=x^{\frac{1}{3}}$ の微分は、 $y’=\dfrac{1}{3}x^{-\frac{2}{3}}$ だとすぐに計算できます。

有理数乗と合成関数の微分

例題
次の関数を微分しなさい。\[ y=\sqrt[3]{x^2+1} \]

3乗根がありますが、これは $\dfrac{1}{3}$ 乗に置き換えたほうが考えやすいです。\[ y=(x^2+1)^{\frac{1}{3}} \]これを、 $u=x^2+1$ と $y=u^{\frac{1}{3}}$ と分解し、合成関数だと考えれば
\begin{eqnarray}
y’
&=&
\frac{1}{3} (x^2+1)^{\frac{1}{3}-1} \cdot (x^2+1)’ \\[5pt] &=&
\frac{2x}{3\sqrt[3]{(x^2+1)^2}}
\end{eqnarray}となります。

これを、定義にさかのぼって計算するのはかなり大変です。今まで導いてきた、【基本】合成関数の微分などの公式を使わないと、複雑な関数の微分を計算するのは難しいでしょう。

おわりに

ここでは、有理数乗の関数の微分や、有理数乗の関数と合成した関数の微分について見てきました。ずいぶんと複雑な関数でも微分することができるようになってきました。

定義に基づいて計算できることも大事ですが、積の微分、商の微分、合成関数の微分、逆関数の微分を使いこなして計算できることも、今後の微分の勉強を勧めていく上でとても重要です。