【基本】合成関数の微分の計算

ここでは、合成関数の微分の計算例をいくつか見ていきます。

【広告】

積の微分と合成関数の微分

例題1
次の関数を微分しなさい。\[ y=(x^3+x^2+1)^3 \]

これは、【基本】積の微分で見た内容を使い、 $(x^3+x^2+1)$ と $(x^3+x^2+1)^2$ との積だと考え、さらに後半を $(x^3+x^2+1)$ を2つ掛けたものだと考えることで、微分を求めることができます。積の微分を繰り返し使う方法です。しかし、これは面倒です。

このような「何かの $n$ 乗の微分」は、【基本】合成関数の微分で見た合成関数の微分だと考えると、計算しやすくなります。

$y=g(f(x))$ となっている場合、 $y=g'(f(x))f'(x)$ となる、というのが合成関数の微分の内容です。また、同じことですが、 $u=f(x)$ とおくと、\[ \dfrac{dy}{dx}=\dfrac{dy}{du}\cdot\dfrac{du}{dx} \]となります。どちらを使って計算してもいいのです(表現が違うだけで同じ内容です)が、ここでは、後者で考えてみましょう。

まず、 $u=x^3+x^2+1$ とおくと、 $y=u^3$ です。また、 $y$ を $u$ で微分すると $3u^2$ であり、 $u$ を $x$ で微分すると $3x^2+2x$ なので、
\begin{eqnarray}
\dfrac{dy}{dx}
&=&
\dfrac{dy}{du}\cdot\dfrac{du}{dx} \\[5pt] &=&
(3u^2)\cdot(3x^2+2x) \\[5pt] &=&
3(x^3+2x+1)^2 (3x^2+2x) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これが微分した結果になります。積の微分を繰り返し計算するよりもだいぶ楽ですね。

商の微分と合成関数の微分

例題2
次の関数を微分しなさい。\[ y=\frac{1}{(x^3+x^2+1)^3} \]

これは、【基本】商の微分で見た次の公式\[ \left\{\frac{1}{f(x)}\right\}’ =-\frac{f'(x)}{\{f(x)\}^2} \]を使うこともできます。これを使えば、 $f(x)=(x^3+x^2+1)^3$ と置けばいいので
\begin{eqnarray}
y’
&=&
-\frac{\{(x^3+x^2+1)^3\}’}{\{(x^3+x^2+1)^3\}^2} \\[5pt] &=&
-\frac{3(x^3+x^2+1)^2(3x^2+2x)}{(x^3+x^2+1)^6} \\[5pt] &=&
-\frac{3(3x^2+2x)}{(x^3+x^2+1)^4} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。ここで、分子の微分は、先ほどの例題1と同じ計算をしています。慣れるまでは $u$ などの別の文字を使って置き換えたほうがいいですが、慣れてくれば頭の中で置き換えながらやってもいいでしょう。 $(x^3+x^2+1)$ をひとかたまりだと思って、まずは「ただの3乗の微分」だと思って計算した後に、「かたまり」の部分の微分を掛ければ求められます。

この例題では、このように商の微分として計算することもできますが、合成関数を使って計算することもできます。この例題の関数を次のように変形してみましょう。\[ y=(x^3+x^2+1)^{-3} \]【基本】商の微分でも見た通り、 $x$ の整数乗の微分はもう計算できます。 $x^{-3}$ を微分すると $-3x^{-4}$ となります。よって、次のように、合成関数の微分として計算できます。
\begin{eqnarray}
y’
&=&
-3(x^3+x^2+1)^{-4}\cdot (3x^2+2x) \\[5pt] &=&
-\frac{3(3x^2+2x)}{(x^3+x^2+1)^4} \\[5pt] \end{eqnarray}同じ結果になりますね。

一般に、微分可能な関数 $f(x)$ と整数 $n$ を使って $y=\{f(x)\}^n$ と表されるとき、これを微分すると\[ y’=n\{f(x)\}^{n-1}f'(x) \]となります。これは、合成関数の微分の公式に代入すると直接確かめることができます。

おわりに

ここでは、合成関数の微分をいくつか計算してみました。よく使う内容ですが、慣れるまでは計算するのが大変なので、よく練習しましょう。