【基本】極大値と極小値(の復習)

ここでは、以前学んだ極大値や極小値について復習していきます。ただし、考える関数の対象が広がっている点が、以前学んだときとは異なっています。

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極大値と極小値

【基本】微分と関数の増減(平均値の定理を利用)で見た通り、微分して得られる関数(導関数)の符号を調べれば、もとの関数の増減がわかるのでした。さらに、増減表を使えば、増減の仕方がわかりやすいのでしたね。具体的な関数で見ていきましょう。

$f(x)=\dfrac{x}{x^2+1}$ の増減表をかいてみましょう。この関数を微分すると
\begin{eqnarray}
f'(x)
&=&
\frac{(x^2+1)-x\cdot 2x}{(x^2+1)^2} \\[5pt] &=&
\frac{-x^2+1}{(x^2+1)^2} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これより、増減表は次のようになります。
\begin{array}{c|ccccc}
x & \cdots & -1 & \cdots & 1 & \cdots \\
\hline
f’(x) & – & 0 & + & 0 & – \\
\hline
f(x) & \searrow & -\dfrac{1}{2} & \nearrow & \dfrac{1}{2} & \searrow
\end{array}まず、 $f'(x)=0$ となる $x$ を求めます。その前後で $f'(x)$ の符号がどうなっているかを書きます。最後に、 $f'(x)=0$ となるときの $f(x)$ の値と、その前後での値の変化を書きます。こうすることで、だいたいの変化がわかりますね。

特徴的なところは、 $x$ を増やしていったときに $f(x)$ の値が増加から減少に変わるところ( $x=1$ のところ)と、減少から増加に変わるところ( $x=-1$ のところ)の2か所です。

前者のような、増加から減少に変わるところ、言い換えれば、山の頂上のようになっているところを極大といい、そのときの関数の値を極大値と言います。一方、減少から増加に変わるところ、谷底の部分を、極小といい、そのときの値を極小値と言います。

もう少し厳密に書くと次のようになります。

極大値・極小値
$f(x)$ は連続な関数とする。

  • $x=a$ を含む小さな開区間で「 $x\ne a$ なら $f(x)\lt f(a)$ 」が成り立つとき、 $f(x)$ は $x=a$ で極大であると言い、 $f(a)$ を極大値という。
  • $x=a$ を含む小さな開区間で「 $x\ne a$ なら $f(x)\gt f(a)$ 」が成り立つとき、 $f(x)$ は $x=a$ で極小であると言い、 $f(a)$ を極小値という。

極大値・極小値をあわせて極値と言います。これらは、三次関数の微分を学んだときにも出てきています(参考:【基本】極大値と極小値)。書き方は異なりますが、山の頂上が極大、谷底が極小、というイメージは同じです。

極値をとるための条件

極大や極小となっている部分は特徴的なので、計算で求めたいですね。これは、増減表を見てもわかる通り、 $f'(x)=0$ となるところを調べればいいことがわかります。

関数 $f(x)$ が微分可能であるとしましょう。このとき、 $f'(a)\gt 0$ なら、その前後で値は増え続けます。 $f'(a)\lt 0$ なら、その前後で値は減り続けます。なので、極大値や極小値になるなら、 $f'(a)=0$ となる必要があります。

しかし、逆に、 $f'(a)=0$ だからといって、ここで極値をとるとは限りません。【基本】極大値と極小値でも見たように、 $f(x)=x^3$ は、 $f'(0)=0$ ですが、 $x=0$ は極大にも極小にもなりません。

極値をとるための条件
関数 $f(x)$ が $x=a$ で微分可能であるとする。
このとき、 $f(x)$ が $x=a$ で極値をとるならば、 $f'(a)=0$ が成り立つ。ただし、逆は成り立たない。

微分可能な関数の極値を調べたい場合は、まず $f'(x)=0$ となる $x$ を求めます。こうして得られるものは、極値をとる候補でしかないので、実際に極値をとるかどうかは、増減表をかいて考えます。

その前後で、 $f'(x)$ の符号が、プラスからマイナスに変化する場合は、極大となることがわかります。一方、マイナスからプラスに変化する場合は、極小です。プラスからプラス、マイナスからマイナスの場合は、山や谷の形にならず、極値はとりません。

微分可能ではないが極値をとる例

微分可能であれば、「極値をとる⇒微分係数が0」ですが、そもそも微分可能でなくても極値をとることはあります。

一番シンプルな例は、 $f(x)=|x|$ です。この関数は $x=0$ のときには微分可能ではないですが、 $x=0$ の付近では $f(x)\gt f(0)=0$ なので、極小値になっています。

なので、微分可能でない場合は、別枠で考える必要があります。

おわりに

ここでは、極大値と極小値について復習をしました。微分した結果が $0$ というだけでは、極値をとることを示すには不十分です。導関数の符号を調べることで、はじめて判断できる、ということをおさえておきましょう。