【基本】上に凸と下に凸

ここでは、接線の傾きの変化について見ていきます。

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上に凸と下に凸

$f(x)=\sin x$ のグラフを考えてみましょう。 $f'(x)=\cos x$ なので、 $0\leqq x \leqq 2\pi$ での増減表をかくと、次のようになります。

\begin{array}{c|ccccccc}
x & 0 & \cdots & \dfrac{1}{2}\pi & \cdots & \dfrac{3}{2}\pi & \cdots & 2\pi \\
\hline
f'(x) & & + & 0 & – & 0 & + & \\
\hline
f(x) & 0 & \nearrow & 1 & \searrow & -1 & \nearrow & 0
\end{array}

ただ、 $y=\sin x$ のグラフは、増減表をかかなくても、すでに知っていますね。次のようになります。(参考:【基本】三角関数のグラフ

この $\dfrac{1}{2}\pi\leqq x\leqq\dfrac{3}{2}\pi$ のところを見てみると、 $f'(x)=0$ から始まって負の値をとり、また $0$ に戻っています。

このことから、この区間では、 $f'(x)$ は $0$ からしばらくの間は減っていき、途中から増えて $0$ に近づいていく、と予想できます。下の図は、各点での接線の動きを見たものですが、たしかにそうなっています。

$f'(x)$ を調べることで、 $f(x)$ の増減がわかるのでしたね。 $f'(x)$ が正なら増える、負なら減るのでした。このように、今までは $f'(x)$ の符号に注目していましたが、 $f'(x)$ の値がどんどん減っていくと、どういうことが起こるか考えてみましょう。

これを考えるには、 $f'(x)$ が $f(x)$ の変化を表していることを利用しましょう。そうすると、 $f'(x)$ がどんどん減っていくということは、 $f(x)$ の増えるペースが遅くなる、もしくは、減るペースが速くなる、と考えられます。

このように、 $f'(x)$ がどんどん減って、グラフが上の方に膨らんでいる形になっているとき、この曲線は上に凸(とつ)(convex) であるといいます。

逆に、 $f'(x)$ がどんどん増えていくと、 $f(x)$ の減るペースが遅くなる、増えるペースが速くなる、と考えられます。

$f'(x)$ がどんどん増えて、グラフが下の方に膨らんでいるとき、この曲線は下に凸(concave) である、といいます。

グラフが上に凸か下に凸かを考えるには、 $f'(x)$ の増減を調べる必要があります。この調べ方は「 $f(x)$ の増減を調べるために $f'(x)$ の符号を調べた」ことから考えるとわかるでしょう。 $f'(x)$ の増減は、 $f^{\prime\prime}(x)$ の符号を調べるとわかります。

以上のことをまとめると、次のようになります。

上に凸と下に凸
関数 $f(x)$ は、連続な第2次導関数 $f^{\prime\prime}(x)$ を持つとする。このとき、以下が成り立つ。

  • ある区間で $f^{\prime\prime}(x)\lt 0$ ならば、その区間で $y=f(x)$ は上に凸である。
  • ある区間で $f^{\prime\prime}(x)\gt 0$ ならば、その区間で $y=f(x)$ は下に凸である。

$f(x)=\sin x$ の場合であれば、 $f'(x)=\cos x$, $f^{\prime\prime}(x)=-\sin x$ なので、 $0\lt x\lt \pi$ の区間では上に凸、 $\pi\lt x\lt 2\pi$ の区間では下に凸、となります。これを踏まえて、もう一度グラフを見てみましょう。

たしかに、グラフを見れば、上に凸、下に凸という名にふさわしい形のグラフになっています。

おわりに

ここでは、 $y=\sin x$ のグラフを使って、上に凸、下に凸について見てきました。接線の傾きが減り続けているとき、増え続けているときが、それぞれ、上に凸、下に凸に対応するのでしたね。グラフの概形をかくときには、上に凸か下に凸かを考える必要があるので、よく理解しておきましょう。