【標準】微分と無理関数のグラフ

ここでは、微分を利用して、無理関数を含んだ関数のグラフをかいていきます。

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無理関数を含んだ関数のグラフ

例題
次の関数の増減、極値、漸近線を調べて、グラフをかきなさい。(凹凸は考えなくてもよい)\[ y=x+\frac{4}{5}\sqrt{x^2-1} \]

【基本】微分と関数のグラフを参考にしつつ考えていきましょう。

まず、定義域について考えましょう。 $\sqrt{x^2-1}$ の根号の中が $0$ 以上の範囲が対象となるので、\[ x\leqq -1,\ x\geqq 1 \]が定義域となります。

次に、増減を調べるために、 $|x|\gt 1$ の範囲で微分すると、
\begin{eqnarray}
y’
&=&
1+\frac{4}{5}\cdot\left\{(x^2-1)^{\frac{1}{2}}\right\}’ \\[5pt] &=&
1+\frac{4}{5}\cdot\frac{1}{2}\cdot (x^2-1)^{-\frac{1}{2}} \cdot 2x \\[5pt] &=&
1+\frac{4}{5}\cdot \frac{x}{\sqrt{x^2-1}} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。ここで、 $y’=0$ とすると、
\begin{eqnarray}
1+\frac{4}{5}\cdot \frac{x}{\sqrt{x^2-1}} &=& 0 \\[5pt] \frac{4}{5}x &=& -\sqrt{x^2-1} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これを満たす $x$ があるとすると、この式の右辺から負であることがわかります。また、両辺を2乗すると
\begin{eqnarray}
\frac{16}{25}x^2 &=& x^2-1 \\[5pt] x^2 &=& \frac{25}{9} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。 $x\lt 0$ だから、 $y’=0$ となるとき、 $x=-\dfrac{5}{3}$ となります。

よって、増減表は、次のようになります。
\begin{array}{c|ccccccc}
x & \cdots & -\frac{5}{3} & \cdots & -1 & \cdots & 1 & \cdots \\
\hline
y’ & + & 0 & – & / & / & / & + \\
\hline
y & \nearrow & -\dfrac{3}{5} & \searrow & -1 & / & 1 & \nearrow
\end{array}よって、 $x=-\dfrac{5}{3}$ のときに、極大値 $y=-\dfrac{3}{5}$ をとることがわかります。

続いて、漸近線を考えましょう。【標準】微分と関数のグラフと漸近線でみたように、 $x\to\pm\infty$ としたときに $\{y-(ax+b)\}\to 0$ となるような $a,b$ を見つければいいのですが、今の場合は、このような $a,b$ を簡単に見つけることができます。

まずは、 $x\to\infty$ を考えましょう。 $\sqrt{x^2-1}$ の部分に注目すると、 $x$ がすごく大きいときは、根号の中の $-1$ の影響はすごく小さくなっていきます。なので、 $x\to\infty$ としたとき、 $y=x+\dfrac{4}{5}\sqrt{x^2-1}$ は、ほぼ\[ x+\dfrac{4}{5}\sqrt{x^2}=\frac{9}{5}x \]とみなすことができます。実際、
\begin{eqnarray}
& &
\lim_{x\to\infty} \left(x+\frac{4}{5}\sqrt{x^2-1}-\frac{9}{5}x\right) \\[5pt] &=&
\frac{4}{5} \lim_{x\to\infty} (\sqrt{x^2-1}-x) \\[5pt] &=&
\frac{4}{5} \lim_{x\to\infty} \frac{x^2-1-x^2}{\sqrt{x^2-1}+x} \\[5pt] &=&
0
\end{eqnarray}となることがわかります。つまり、 $x\to \infty$ としたとき、曲線は $y=\dfrac{9}{5}x$ に近づいていくことがわかります。

次に、 $x\to-\infty$ の場合を考えてみましょう。 $x$ が負のときは、 $\sqrt{x^2}=-x$ となることに注意すると、 $y=x+\dfrac{4}{5}\sqrt{x^2-1}$ は、ほぼ\[ x+\dfrac{4}{5}\sqrt{x^2}=\frac{1}{5}x \]とみなすことができます。実際、
\begin{eqnarray}
& &
\lim_{x\to-\infty} \left(x+\frac{4}{5}\sqrt{x^2-1}-\frac{1}{5}x\right) \\[5pt] &=&
\frac{4}{5} \lim_{x\to-\infty} (\sqrt{x^2-1}+x) \\[5pt] &=&
\frac{4}{5} \lim_{x\to-\infty} \frac{x^2-1-x^2}{\sqrt{x^2-1}-x} \\[5pt] &=&
0
\end{eqnarray}となることがわかります。つまり、 $x\to -\infty$ としたとき、曲線は $y=\dfrac{1}{5}x$ に近づいていくことがわかります。

以上から、 $x=-\dfrac{5}{3}$ のとき、極大値 $y=-\dfrac{3}{5}$ をとり、極小値はなし。漸近線は $y=\dfrac{9}{5}x$, $y=\dfrac{1}{5}x$ であり、 $y=x+\dfrac{4}{5}\sqrt{x^2-1}$ のグラフは次のようになります。

おわりに

ここでは、微分を用いて、無理関数を含んだ関数のグラフをかきました。無理関数がある場合は、定義域に制限がつくことがあるので、注意しましょう。また、 $x\to \pm\infty$ のときの漸近線を考える場合は、小さい数の部分を無視したらどうなるか、を考えることで、予想がつくことも覚えておきましょう。