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センター試験 数学I・数学A 2018年度追試 第4問 [2] 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【選択問題】(第3問~第5問から2問選択)

問題編

問題

(1)10進法の分数 $\dfrac{\myBox{キ} }{9}$ を10進法の小数で表すと循環小数 $0.\dot{5}$ となり、3進法の小数で表すと有限小数 $0.\myBox{クケ}_{(3)}$ となる。
 
(2) ある有理数 $x$ を2進法で表すと循環小数 $0.\dot{1}\dot{0}_{(2)}$ となった。このとき、 $4x$ を2進法で表すと $\myBox{コサ}.\dot{1}\dot{0}_{(2)}$ となる。2進法の $\mybox{コサ}_{(2)}$ を10進法で表すと $\myBox{シ}$ となるので、 $4x-x$ を10進法で表すと $\mybox{シ}$ となる。したがって、 $x$ の10進法の分数で表すと $\dfrac{\myBox{ス} }{\myBox{セ} }$ となる。
 
(3) 3進法で表すと小数第3位までで終わる有理数 $x$ のうち、 $x^2\lt\dfrac{1}{7}$ を満たす最大の $x$ を3進法で表すと $0.\mybox{ソタチ}_{(3)}$ となる。

考え方

(1) は循環小数を分数で表す方法です。これは基本的です。3進法への変換も基本的な問題です。

(2)は2進法で表された循環小数を10進法に変換する、という内容です。そんなに見かけるわけではないですが、(1)で用いたのと同じようにして解くことができます。 $4$ 倍する、というヒントもついているので親切です。

(3)は少し方向が変わって、 $\dfrac{1}{\sqrt{7} }$ の近似値を考える問題です。 $\sqrt{2}$ は $1.4142\cdots$ と表せますが、なぜこのように表せたのかを思い出すと、解き方がひらめくかもしれません。ただ、小数第3位まで出すのは少しめんどくさいです。


【選択問題】(第3問~第5問から2問選択)

解答編

問題

(1)10進法の分数 $\dfrac{\myBox{キ} }{9}$ を10進法の小数で表すと循環小数 $0.\dot{5}$ となり、3進法の小数で表すと有限小数 $0.\myBox{クケ}_{(3)}$ となる。

解説

$x=0.\dot{5}$ とすると、 $10x=5.\dot{5}$ なので、\[ 10x-x=5 \]となります。これから、\[ x=\dfrac{5}{9} \]となります。

また、
\begin{eqnarray} \frac{5}{9}=\dfrac{1}{3}+\dfrac{2}{3^2} \end{eqnarray}と書けるので、3進法で表すと $0.12_{(3)}$ となります。

解答

キ:5
クケ:12

解答編 つづき

問題

(2) ある有理数 $x$ を2進法で表すと循環小数 $0.\dot{1}\dot{0}_{(2)}$ となった。このとき、 $4x$ を2進法で表すと $\myBox{コサ}.\dot{1}\dot{0}_{(2)}$ となる。2進法の $\mybox{コサ}_{(2)}$ を10進法で表すと $\myBox{シ}$ となるので、 $4x-x$ を10進法で表すと $\mybox{シ}$ となる。したがって、 $x$ の10進法の分数で表すと $\dfrac{\myBox{ス} }{\myBox{セ} }$ となる。

解説

$4=2^2$ なので、4をかけることは、2進法では桁を左に2つずらすことに対応します。なので、 $4x$ を2進法で表すと $10.\dot{1}\dot{0}_{(2)}$ となります。

$4x-x$ を2進法で表すと $10_{(2)}$ となります。これを10進法で表すと $2$ なので、 $3x=2$ だから、 $x$ を10進法の分数で表すと $x=\dfrac{2}{3}$ となります。

解答

コサ:10
シ:2
スセ:23

解答編 つづき

問題

(3) 3進法で表すと小数第3位までで終わる有理数 $x$ のうち、 $x^2\lt\dfrac{1}{7}$ を満たす最大の $x$ を3進法で表すと $0.\mybox{ソタチ}_{(3)}$ となる。

解説

$\sqrt{2}$ の値を求める方法を頭に思い浮かべながら、上の桁から順番に考えていきます。また、最後にもう少し簡単に解く方法も紹介します。

$x^2\lt\dfrac{1}{7}$ が成り立つとします。

$x$ の小数第1位を $d_1$ と置けば、 $\dfrac{d_1}{3} \leqq x \lt \dfrac{d_1+1}{3}$ が成り立ちます。2乗すると\[ \left(\dfrac{d_1}{3}\right)^2 \leqq x^2 \lt \left(\dfrac{d_1+1}{3}\right)^2 \]となります。 $x^2\lt\dfrac{1}{7}$ なので、 $\left(\dfrac{d_1}{3}\right)^2\lt \dfrac{1}{7}$ も成り立ちます。これを満たす最大の $d_1$ は $1$ です。

以下では、 $x$ の小数第1位を $1$ として考えます。

$x$ の小数第2位を $d_2$ と置けば、\[ \dfrac{1}{3}+\dfrac{d_2}{3^2} \leqq x \lt \dfrac{1}{3}+\dfrac{d_2+1}{3^2} \] が成り立ちます。2乗すると\[ \left(\dfrac{3+d_2}{9}\right)^2 \leqq x^2 \lt \left(\dfrac{3+d_2+1}{9}\right)^2 \]となります。なので、 $\left(\dfrac{3+d_2}{9}\right)^2\lt \dfrac{1}{7}$ を満たすものを考えればよく、最大の $d_2$ は $0$ です。

以下では、 $x$ の小数第2位を $0$ として考えます。

$x$ の小数第3位を $d_3$ と置けば、\[ \dfrac{1}{3}+\dfrac{0}{3^2}+\dfrac{d_3}{3^3} \leqq x \lt \dfrac{1}{3}+\dfrac{0}{3^2}+\dfrac{d_3+1}{3^3} \] が成り立ちます。2乗すると\[ \left(\dfrac{9+d_3}{27}\right)^2 \leqq x^2 \lt \left(\dfrac{9+d_3+1}{27}\right)^2 \]となります。なので、 $\left(\dfrac{9+d_3}{27}\right)^2\lt \dfrac{1}{7}$ を満たすものを考えればよく、最大の $d_3$ は $1$ です。

以上から、 $x^2\lt\dfrac{1}{7}$ を満たす最大の $x$ を3進法で表すと $0.101_{(3)}$ となります。

別の方法として、一気に求めるやり方もあります。

3進法で表したときに、小数第3位までとなる数は、10進法で表すと $\dfrac{d_1}{3^1}+\dfrac{d_2}{3^2}+\dfrac{d_3}{3^3}$ となるので、 $\dfrac{d}{27}$ と表せます。これを2乗すると $\dfrac{d^2}{729}$ です。

これが $\dfrac{1}{7}$ 未満となる最大の $d$ は $10$ なので、 $\dfrac{10}{27}$ が答えです。これを3進法で表して $0.101_{(3)}$ となります。

解答

ソタチ:101

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