【標準】三角関数を使った式の値(相互関係を使う)

ここでは、相互関係を用いて、三角関数を使った式の値を求める問題を見ていきます。

【広告】

相互関係を使った式変形

例題1
次の式の値を求めなさい。
$(\sin\theta+2\cos\theta)^2+(2\sin\theta-\cos\theta)^2$

この問題のように、角が同じで、複数の種類の三角関数がある場合は、「三角関係の相互関係を使って、種類を減らそう」と考えるとうまくいくことが多いです(参考:【基本】三角関数の相互関係)。種類を減らして考えやすくしましょう。

今のままでは相互関係を使う余地がないので、まずはそのまま展開しましょう。2乗が出てくるので、相互関係が使えるのではないか、という予想を立てて変形していきます。
\begin{eqnarray}
& &
(\sin\theta+2\cos\theta)^2+(2\sin\theta-\cos\theta)^2 \\[5pt] &=&
\sin^2\theta+4\sin\theta\cos\theta+4\cos^2\theta \\[5pt] & &
+4\sin^2\theta-4\sin\theta\cos\theta+\cos^2\theta \\[5pt] &=&
5\sin^2\theta+5\cos^2\theta \\[5pt] \end{eqnarray}$\sin\theta\cos\theta$ の項が消え、2乗の項だけが残りました。こうなると簡単ですね。相互関係のうち、\[ \sin^2\theta+\cos^2\theta=1 \]であることを使えば、この式の値が $5$ になることがわかります。相互関係のなかでも、この関係式はよく使います。

sin・cosの対称式

例題2
$\sin\theta+\cos\theta=\dfrac{1}{2}$ のとき、 $\sin\theta\cos\theta$ と $\sin^3\theta+\cos^3\theta$ の値を求めなさい。

$\sin$ も $\cos$ もわからないので、それぞれの値を直接求めることは難しそうです。しかし、和が分かっていれば、積をすぐに出すことは可能です。ここでも、用いるのは相互関係です。このすぐ下に答えがあるので、どのように使うか考えたい人は、少し考えてから下を見てみましょう。

さて、答えを書くと、相互関係のうちの\[ \sin^2\theta+\cos^2\theta=1 \]を使うため、 $\sin\theta +\cos\theta=\dfrac{1}{2}$ の両辺を2乗します。すると、
\begin{eqnarray}
\sin^2\theta+2\sin\theta\cos\theta +\cos^2\theta &=& \dfrac{1}{4} \\[5pt] 2\sin\theta\cos\theta +1 &=& \dfrac{1}{4} \\[5pt] \sin\theta\cos\theta &=& -\dfrac{3}{8} \\[5pt] \end{eqnarray}と求められます。2行目への式変形で、相互関係を使っています。

和と積が分かれば、3乗の和も求められます。次数を下げたほうがわかりやすいので、因数分解してみます。ちなみに、三乗の因数分解は、【基本】三次式の因数分解で見ています。
\begin{eqnarray}
& &
\sin^3\theta+\cos^3\theta \\[5pt] &=&
(\sin\theta+\cos\theta)(\sin^2\theta-\sin\theta\cos\theta+\cos^2\theta) \\[5pt] &=&
\dfrac{1}{2}\times\left(1+\dfrac{3}{8}\right) \\[5pt] &=&
\dfrac{11}{16} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。和と積の値、そして相互関係を使って、2行目から3行目の変形を行っています。こうして値が求められます。

ちなみに、和と積が求められれば、それぞれの値を求めることができます。解と係数の関係を用います(参考:【標準】解から二次方程式を作る)。これにより、 $\sin\theta$, $\cos\theta$ は、次の二次方程式の解であることがわかります。\[ x^2-\frac{1}{2}x-\frac{3}{8}=0 \]これを解くと、 $x=\dfrac{1\pm\sqrt{7}}{4}$ となります。なので、どちらかが $\sin\theta$ で、残りが $\cos\theta$ となります。今の条件だけではどっちがどっちと対応するかまではわかりません。ただ、3乗同士の和などはわかるんですね。

おわりに

ここでは、三角関数を使った式の値を見ました。相互関係を使えば、複雑な式を簡潔にしたり、三角関数の種類を減らすことができたりします。また、このページで見たように、因数分解や二次方程式の性質などとからめて出題されることもあるので、忘れてしまった人は上のリンク先などからたどって復習しましょう。