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センター試験 数学I・数学A 2020年度 第4問 解説

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【選択問題】(第3問~第5問から2問選択)

問題編

問題

(1) $x$ を循環小数 $2.\dot{3}\dot{6}$ とする。すなわち\[ x = 2.363636\cdots \]とする。このとき\[ 100\times x-x = 236.\dot{3}\dot{6}-2.\dot{3}\dot{6} \]であるから、 $x$ を分数で表すと\[x=\dfrac{\myBox{アイ} }{\myBox{ウエ} }\]である。

(2) 有理数 $y$ は、7進法で表すと、二つの数字の並び $ab$ が繰り返し現れる循環小数 $2.\dot{a}\dot{b}_{(7)}$ になるとする。ただし、 $a$, $b$ は0以上6以下の 異なる 整数である。このとき\[ 49\times y-y=2ab.\dot{a}\dot{b}_{(7)}-2.\dot{a}\dot{b}_{(7)} \]であるから\[ y=\dfrac{\myBox{オカ}+7\times a+b}{\myBox{キク} } \]と表せる。

(i) $y$ が、分子が奇数で分母が $4$ である分数で表されるのは

 $y=\dfrac{\myBox{ケ} }{4}$ または $y=\dfrac{\myBox{コサ} }{4}$

のときである。 $y=\dfrac{\mybox{コサ} }{4}$ のときは、 $7\times a+b=\myBox{シス}$ であるから\[ a=\myBox{セ},\ b=\myBox{ソ} \]である。

(ii) $y-2$ は、分子が1で分母が2以上の整数である分数で表されるとする。このような $y$ の個数は、全部で $\myBox{タ}$ 個である。

考え方

整数の分野では、不定一次方程式が出ることが多いですが、この回は $n$ 進法での循環小数の問題です。珍しい出題ですが、誘導は丁寧なので、よく考えていきましょう。

(1)は、10進法での循環小数で、これは解いたことがある人も多いでしょう。(2)は7進法での循環小数ですが、10進法のときと似たように勧めていくことができます。7進法で表された数を10進法で表しつつ、(1)の内容を踏まえて考えていきます。

(ii)は、まずは $7a+b$ の値の候補を絞ります。それから、条件を満たしている $a,b$ の値を求めます。


【選択問題】(第3問~第5問から2問選択)

解答編

問題

(1) $x$ を循環小数 $2.\dot{3}\dot{6}$ とする。すなわち\[ x = 2.363636\cdots \]とする。このとき\[ 100\times x-x = 236.\dot{3}\dot{6}-2.\dot{3}\dot{6} \]であるから、 $x$ を分数で表すと\[x=\dfrac{\myBox{アイ} }{\myBox{ウエ} }\]である。

解説

循環する部分は打ち消し合うので、 $100x-x=234$ となります。よって、\[ x=\dfrac{234}{99}=\dfrac{26}{11} \]と計算できます。約分を忘れないようにしましょう。

解答

アイウエ:2611

解答編 つづき

問題

(2) 有理数 $y$ は、7進法で表すと、二つの数字の並び $ab$ が繰り返し現れる循環小数 $2.\dot{a}\dot{b}_{(7)}$ になるとする。ただし、 $a$, $b$ は0以上6以下の 異なる 整数である。このとき\[ 49\times y-y=2ab.\dot{a}\dot{b}_{(7)}-2.\dot{a}\dot{b}_{(7)} \]であるから\[ y=\dfrac{\myBox{オカ}+7\times a+b}{\myBox{キク} } \]と表せる。

解説

循環する部分は打ち消し合うので、 $49\times y-y=2ab_{(7)}-2_{(7)}$ となります。7進法で表された3桁の数 $2ab_{(7)}$ は、10進法で表すと $2\times 7^2+7a+b$ となるので、
\begin{eqnarray} 49y-y &=& (98+7a+b)-2 \\[5pt] y &=& \frac{96+7a+b}{48} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

ちなみに、 $a=b$ だと、 $2.\dot{1}$ というような表記になってしまうので、 $a=b$ の場合は除外されています。

解答

オカキク:9648

解答編 つづき

問題

(i) $y$ が、分子が奇数で分母が $4$ である分数で表されるのは

 $y=\dfrac{\myBox{ケ} }{4}$ または $y=\dfrac{\myBox{コサ} }{4}$

のときである。 $y=\dfrac{\mybox{コサ} }{4}$ のときは、 $7\times a+b=\myBox{シス}$ であるから\[ a=\myBox{セ},\ b=\myBox{ソ} \]である。

解説

$y$ の整数部分は $2$ なので、分母が4で分子が奇数のものは、 $\dfrac{9}{4}$ か $\dfrac{11}{4}$ だけです。

このうち、 $\dfrac{11}{4}$ となるなら、
\begin{eqnarray} \dfrac{11}{4} &=& \frac{96+7a+b}{48} \\[5pt] 132 &=& 96+7a+b \\[5pt] 7a+b &=& 36 \\[5pt] \end{eqnarray}が成り立ちます。 $a,b$ は0以上6以下の整数で、異なる値なので、 $a=5,b=1$ となることがわかります。

解答

ケコサ:911
シスセソ:3651

解答編 つづき

問題

(ii) $y-2$ は、分子が1で分母が2以上の整数である分数で表されるとする。このような $y$ の個数は、全部で $\myBox{タ}$ 個である。

解説

$y-2$ 、つまり、 $\dfrac{7a+b}{48}$ が、分子が $1$ で分母が $2$ 以上の整数の形で表される場合を考えます。このとき、 $7a+b$ が $48$ より小さな正の約数であればいいです。つまり、 $7a+b$ として考えられる値は、\[ 1,2,3,4,6,8,12,16,24 \]です。このうち、 $a,b$ は0以上6以下の整数となるものを求めると

 $(a,b)=(0,1),(0,2),(0,3),(0,4),(0,6),(1,1),(1,5),(2,2),(3,3)$

の9組ありますが、 $a\ne b$ の条件も加味すると、

 $(a,b)=(0,1),(0,2),(0,3),(0,4),(0,6),(1,5) $

の6組となります。 $a,b$ のどちらかが違えば、対応する $y$ の値も異なるので、 $y$ の個数は6個です。

解答

タ:6

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