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センター試験 数学I・数学A 2016年度追試 第4問 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

問題編

問題

 $a=407$, $b=481$ とする。

(1) ab の最大公約数は $\myBox{アイ}$ であり、最小公倍数は $\myBox{ウエオカ}$ である。 $\sqrt{abc}$ が整数となる正の整数 c の中で最小のものは $\myBox{キクケ}$ である。

(2) ab の最大公約数が $\mybox{アイ}$ であることに注意すると、不定方程式\[ ax=-by \]の整数解は、 $x=\myBox{コサシ}k$, $y=\myBox{スセ}k$ (k は整数)である。

(3) 不定方程式\[ ax+by=40700 \]を満たす0以上の整数 x, y の組は $\myBox{ソ}$ 組あり、その中で x が最も小さいものは $x=\myBox{タ}$, $y=\myBox{チツ}$ である。また\[ ax+by=40700+\mybox{アイ} \]を満たす0以上の整数 x, y の組は $\myBox{テ}$ 組であり、その中で x が最も小さいものは $x=\myBox{ト}$, $y=\myBox{ナニ}$ である。

考え方

典型的な問題ではありますが、不定方程式の解き方に慣れていないと、難しい問題です。特殊解を見つけて一般解を求める流れをよく思い出して解きましょう。

(3)の前半は、数が大きく、見慣れないので戸惑ってしまう人がいるかもしれません。特殊解がすぐに見つかるように配慮してくれた結果なのですが。


解答編

問題

 $a=407$, $b=481$ とする。

(1) ab の最大公約数は $\myBox{アイ}$ であり、最小公倍数は $\myBox{ウエオカ}$ である。

解説

ユークリッドの互除法を用いて最大公約数を求めます。割り算をしていくと、次のようになることがわかります。
\begin{eqnarray} 481 &=& 407 \times 1 +74 \\ 407 &=& 74 \times 5 +37 \\ 74 &=& 37 \times 2 +0 \\ \end{eqnarray}これから、最大公約数は $37$ であることがわかります。

また、 $a=11 \times 37$ と $b=13 \times 37$ の最小公倍数は、 $11\times 13\times 37$ だとわかります。これを計算して、 $5291$ と求められます。

解答

アイ:37
ウエオカ:5291

参考

解答編 つづき

問題

$\sqrt{abc}$ が整数となる正の整数 c の中で最小のものは $\myBox{キクケ}$ である。

解説

$a=11 \times 37$, $b=13 \times 37$ なので、\[ \sqrt{abc}=37\sqrt{11\times 13c} \]となります。よって、これが整数となるような正の整数 c の中で最小のものは、 $11\times 13=143$ であることがわかります。

解答

キクケ:143

解答編 つづき

問題

(2) ab の最大公約数が $\mybox{アイ}$ であることに注意すると、不定方程式\[ ax=-by \]の整数解は、 $x=\myBox{コサシ}k$, $y=\myBox{スセ}k$ (k は整数)である。

解説

$ax=-by$ は次のように書けます。
\begin{eqnarray} 11 \times 37 x &=& -13 \times 37 y \\ 11x &=& -13y \\ \end{eqnarray}11と13は互いに素なので、x, y が整数のとき、x は13の倍数になります。よって、整数 k を用いて $x=-13k$ と書けます。これを上の式に入れると\[ -11\times 13k=-13y \]なので、 $y=11k$ となります。

この「マイナス」は、どちらに付けてもかまいません。つまり、 $x=13k, y=-11k$ でも間違いではありません。ただし、今は x の解答欄が3マスになっているので、マイナスを x の方につけています。

解答

コサシ:-13
スセ:11

参考

解答編 つづき

問題

(3) 不定方程式\[ ax+by=40700 \]を満たす0以上の整数 x, y の組は $\myBox{ソ}$ 組あり、その中で x が最も小さいものは $x=\myBox{タ}$, $y=\myBox{チツ}$ である。

解説

右辺の 40700 は、 $a=407$ の100倍であることがすぐにわかるので、\[ 100a+0\cdot b=40700 \]がわかります。これと今考えている式とを並べると
\begin{eqnarray} ax+by &=& 40700 \\ 100a+0\cdot b &=& 40700 \end{eqnarray}となります。これを辺々引けば\[ (x-100)a+by=0 \]が得られます。(2)の結果から、 $x-100=-13k$, $y=11k$ となることがわかります。よって、 $x=100-13k$, $y=11k$ となります。

$x\geqq 0$ から $k\leqq 7$ であり、 $y\geqq 0$ から $k\geqq 0$ なので、\[ 0\leqq k \leqq 7 \]が得られます。よって、 x, y の組は8組となります。

x が最も小さいものは、 $k=7$ のときなので、 $x=9$, $y=77$ であることがわかります。

解答

ソ:8
タ:9
チツ:77

参考

解答編 つづき

問題

また\[ ax+by=40700+\mybox{アイ} \]を満たす0以上の整数 x, y の組は $\myBox{テ}$ 組であり、その中で x が最も小さいものは $x=\myBox{ト}$, $y=\myBox{ナニ}$ である。

解説

考える式は、\[ 407x+481y=40700+37 \]であり、両辺を37でわると\[ 11x+13y=1100+1 \]と変形できます。ここで、 $11x+13y=1$ を満たす整数解の1つを求めると、 $x=6$, $y=-5$ が見つかります。これと今考えている式とを並べると
\begin{eqnarray} ax+by &=& 40700+37 \\ 6a-5b &=& 37 \end{eqnarray}となります。辺々を引けば\[ (x-6)a+(y+5)b=40700 \]となります。(3)の前半の結果から、 $x-6=100-13k$, $y+5=11k$ と書けます。よって、 $x=106-13k$, $y=11k-5$ と求められます。

$x\geqq 0$ から $k\leqq 8$ が得られ、 $y\geqq 0$ から $k\geqq 1$ が得られます。よって、 $1\leqq k \leqq 8$ なので、 x, y の組は8組となります。また、 x が最も小さくなるのは $k=8$ のときで、 $x=2$, $y=83$ と求められます。

解答

テ:8
ト:2
ナニ:83

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