センター試験 数学I・数学A 2016年度追試 第3問 解説
問題編
問題
1個のさいころを投げる試行を4回繰り返す。以下では、1回目の試行におけるさいころの目が5以上である事象を $A_1$ 、1回目と2回目の試行における目の和が5以上である事象を $A_2$ 、1回目から3回目までの試行における目の和が5以上である事象を $A_3$ 、1回目から4回目までの試行における目の和が5以上である事象を $A_4$ と表す。
また、事象 A, B の積事象を $A\cap B$ 、事象 A の余事象を $\bar{A}$ で表す。(1) 事象 $A_1$ が起こる確率は、 $\displaystyle \frac{\myBox{ア}}{\myBox{イ} }$ である。
(2) 事象 $\bar{A_1}\cap A_2$ が起こる確率は、 $\displaystyle \frac{ \myBox{ウ}}{\myBox{エ} }$ である。また、事象 $\bar{A_1}$ が起こったときの事象 $A_2$ が起こる条件付き確率は、 $\displaystyle \frac{\myBox{オ}}{\myBox{カ}}$ である。
(3) 事象 $\bar{A_2}$ が起こったときの事象 $A_3$ が起こる条件付き確率は、 $\displaystyle \frac{\myBox{キ} }{\myBox{ク}}$ である。
(4) 事象 $\bar{A_3}$ が起こったときの事象 $A_4$ が起こる条件付き確率は、 $\displaystyle \frac{\myBox{ケコ}}{\myBox{サシ}}$ である。
考え方
しつこいくらいの「条件付き確率」押しですね。
数が少ないので、直接数えるのと大差はありません。数えられても、条件付き確率の使い方がちゃんとわかっていないとなかなか厳しいです。条件付き確率の計算さえわかっていれば、(2)以降はほとんど同じ流れです。
解答編
問題
1個のさいころを投げる試行を4回繰り返す。以下では、1回目の試行におけるさいころの目が5以上である事象を $A_1$ 、1回目と2回目の試行における目の和が5以上である事象を $A_2$ 、1回目から3回目までの試行における目の和が5以上である事象を $A_3$ 、1回目から4回目までの試行における目の和が5以上である事象を $A_4$ と表す。
また、事象 A, B の積事象を $A\cap B$ 、事象 A の余事象を $\bar{A}$ で表す。(1) 事象 $A_1$ が起こる確率は、 $\displaystyle \frac{\myBox{ア}}{\myBox{イ} }$ である。
解説
さいころを1回投げて、5以上が出るのは、5か6の2通りなので、確率は\[ \frac{2}{6}=\frac{1}{3} \]です。
解答
アイ:13
解答編 つづき
問題
(2) 事象 $\bar{A_1}\cap A_2$ が起こる確率は、 $\displaystyle \frac{ \myBox{ウ}}{\myBox{エ} }$ である。また、事象 $\bar{A_1}$ が起こったときの事象 $A_2$ が起こる条件付き確率は、 $\displaystyle \frac{\myBox{オ}}{\myBox{カ}}$ である。
解説
$\bar{A_1}\cap A_2$ というのは、「1回目が4以下、1回目と2回目の合計が5以上」ということですね。1回目の目の数に応じて場合分けをして考えてみましょう。
- 1のとき ⇒ 2回目は 4, 5, 6 の3通り
- 2のとき ⇒ 2回目は 3, 4, 5, 6 の4通り
- 3のとき ⇒ 2回目は 2, 3, 4, 5, 6 の5通り
- 4のとき ⇒ 2回目は 1, 2, 3, 4, 5, 6 の6通り
また、「$\bar{A_1}$ が起こったときの事象 $A_2$ が起こる条件付き確率」は、「$\bar{A_1}\cap A_2$ が起こる確率」を「$\bar{A_1}$ が起こる確率」で割れば求められるので、\[ \frac{1}{2} \div \left(1-\frac{1}{3}\right) = \frac{3}{4} \]となります。
解答
ウエ:12
オカ:34
解答編 つづき
問題
(3) 事象 $\bar{A_2}$ が起こったときの事象 $A_3$ が起こる条件付き確率は、 $\displaystyle \frac{\myBox{キ} }{\myBox{ク}}$ である。
解説
「$\bar{A_2}$ が起こったときの事象 $A_3$ が起こる条件付き確率」は、「$\bar{A_2}\cap A_3$ が起こる確率」を「$\bar{A_2}$ が起こる確率」で割れば求められます。それぞれの確率を求めましょう。
「$\bar{A_2}$ が起こる」とは、「1回目と2回目の和が4以下」ということです。1回目の目の数に応じて場合分けをするとこうなるケースは
- 1のとき ⇒ 2回目は 1, 2, 3 の3通り
- 2のとき ⇒ 2回目は 1, 2 の2通り
- 3のとき ⇒ 2回目は 1 の1通り
また、「$\bar{A_2}\cap A_3$ が起こる」は、「1回目と2回目の和が4以下で、3回の合計が5以上」ということです。1回目と2回目の和に応じて場合分けをすると
- 2のとき(1通り) ⇒ 3回目は 3以上 なので4通り
- 3のとき(2通り) ⇒ 3回目は 2以上 なので5通り
- 4のとき(3通り) ⇒ 3回目は 1以上 なので6通り
よって、求める条件確率は\[ \frac{4}{27} \div \frac{1}{6}=\frac{8}{9} \]となります。
解答
キク:89
解答編 つづき
問題
(4) 事象 $\bar{A_3}$ が起こったときの事象 $A_4$ が起こる条件付き確率は、 $\displaystyle \frac{\myBox{ケコ}}{\myBox{サシ}}$ である。
解説
先ほどと、流れは同じです。
「$\bar{A_3}$ が起こったときの事象 $A_4$ が起こる条件付き確率」は、「$\bar{A_3}\cap A_4$ が起こる確率」を「$\bar{A_3}$ が起こる確率」で割れば求められます。
「$\bar{A_3}$ が起こる」とは、「3回目までの合計が4以下」ということです。こうなるケースは
- 1が3回 ⇒ 1通り
- 1が2回で2が1回 ⇒ 3通り
また、「$\bar{A_3}\cap A_4$ が起こる」は、「3回目までの合計が4以下で、4回の合計が5以上」ということです。3回目までの合計に応じて場合分けをすると
- 3のとき(1通り) ⇒ 3回目は 2以上 の5通り
- 4のとき(3通り) ⇒ 3回目は 1以上 の6通り
よって、求める条件確率は\[ \frac{23}{6^4} \div \frac{4}{6^3}=\frac{23}{24} \]となります。
余事象を考えて解くこともできます。「$\bar{A_3}\cap A_4$ が起こる確率」を求めるときに、 $1$ から「$\bar{A_3}\cap \bar{A_4}$ が起こる確率」をひいて求める方法です。「$\bar{A_3}\cap \bar{A_4}$ が起こる」とは全部 1 の目がでるということなので、その確率は $\displaystyle \frac{1}{6^4}$ だから、\[ \left(1-\frac{1}{6^4}\right) \div \frac{4}{6^3}=\frac{23}{24} \]となります。こうして求めてもかまいません。
解答
ケコサシ:2324