センター試験 数学I・数学A 2016年度追試 第1問 [1] 解説
問題編
問題
実数 x について
命題 A: 「$x^2 \gt 2$ または $x^3\gt 0$」ならば「$x\gt 2$」
を考える。(1) 次の $\mybox{ア}$ ~ $\mybox{エ}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ 5 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。
命題 A の逆、対偶を考えると次のようになる。
逆:「$\myBox{ア}$」ならば「$\myBox{イ}$」
対偶:「$\myBox{ウ}$」ならば「$\myBox{エ}$」0: $x^2 \gt 2$ または $x^3\gt 0$
1: $x^2 \gt 2$ かつ $x^3\gt 0$
2: $x^2 \leqq 2$ または $x^3\leqq 0$
3: $x^2 \leqq 2$ かつ $x^3\leqq 0$
4: $x\gt 2$
5: $x\leqq 2$(2) 次の $\mybox{オ}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ 6 のうちから一つ選べ。
命題 A とその逆、対偶のうち、 $\myBox{オ}$ が真である。
0: 命題 A のみ
1: 命題 A の逆のみ
2: 命題 A の対偶のみ
3: 命題 A とその対偶の二つのみ
4: 命題 A とその逆の二つのみ
5: 命題 A の逆と命題 A の対偶の二つのみ
6: 三つすべて(3) 次の $\mybox{カ}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ 3 のうちから一つ選べ。
実数 x についての条件「$x^2\gt 2$ または $x^3\gt 0$」は、「$x\gt 2$」であるための $\myBox{カ}$。
0: 必要条件であるが、十分条件ではない
1: 十分条件であるが、必要条件ではない
2: 必要十分条件である
3: 必要条件でも十分条件でもない
考え方
命題に関することが理解できているかを問う基本的な問題です。命題が成り立つかどうかも考えやすく、定義をしっかり押さえておけば難しくはないでしょう。
解答編
問題
実数 x について
命題 A: 「$x^2 \gt 2$ または $x^3\gt 0$」ならば「$x\gt 2$」
を考える。(1) 次の $\mybox{ア}$ ~ $\mybox{エ}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ 5 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。
命題 A の逆、対偶を考えると次のようになる。
逆:「$\myBox{ア}$」ならば「$\myBox{イ}$」
対偶:「$\myBox{ウ}$」ならば「$\myBox{エ}$」0: $x^2 \gt 2$ または $x^3\gt 0$
1: $x^2 \gt 2$ かつ $x^3\gt 0$
2: $x^2 \leqq 2$ または $x^3\leqq 0$
3: $x^2 \leqq 2$ かつ $x^3\leqq 0$
4: $x\gt 2$
5: $x\leqq 2$
解説
逆は、「ならば」の前後を入れ替えたものなので、
「$x\gt 2$」ならば「$x^2 \gt 2$ または $x^3\gt 0$」
となります。
対偶は、「ならば」の前後を入れ替えて、それぞれを否定したものです。「$x\gt 2$」の否定は「$x\leqq 2$」であり、「$x^2 \gt 2$ または $x^3\gt 0$」の否定は「$x^2 \leqq 2$ かつ $x^3\leqq 0$」となります。よって、対偶は
「$x\leqq 2$」ならば「$x^2 \leqq 2$ かつ $x^3\leqq 0$」
となります。
解答
アイ:40
ウエ:53
参考
解答編 つづき
問題
(2) 次の $\mybox{オ}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ 6 のうちから一つ選べ。
命題 A とその逆、対偶のうち、 $\myBox{オ}$ が真である。
0: 命題 A のみ
1: 命題 A の逆のみ
2: 命題 A の対偶のみ
3: 命題 A とその対偶の二つのみ
4: 命題 A とその逆の二つのみ
5: 命題 A の逆と命題 A の対偶の二つのみ
6: 三つすべて
解説
命題 A を考えてみます。 $x=1$ の場合、 $x^3\gt 0$ を満たすのに、 $x\gt 2$ は満たしません。よって、これは偽であることがわかります。
また、元の命題と対偶の真偽は一致するので、対偶も偽です。
逆を考えてみましょう。 $x\gt 2$ ならば、 $x^2\gt 4$ なので $x^2\gt 2$ を満たします。よって、真です。
解答
オ:1
参考
解答編 つづき
問題
(3) 次の $\mybox{カ}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ 3 のうちから一つ選べ。
実数 x についての条件「$x^2\gt 2$ または $x^3\gt 0$」は、「$x\gt 2$」であるための $\myBox{カ}$。
0: 必要条件であるが、十分条件ではない
1: 十分条件であるが、必要条件ではない
2: 必要十分条件である
3: 必要条件でも十分条件でもない
解説
(2)で見た内容から、
「$x^2\gt 2$ または $x^3\gt 0$」 $\Leftarrow$ 「$x\gt 2$」
が成り立つので、必要条件であるが、十分条件ではないことがわかります。
解答
カ:0