【標準】逆関数と合成関数

ここでは、一次分数関数を用いて、元の関数と逆関数との合成関数について見ていきます。

【広告】

一次分数関数同士の合成

【標準】一次分数関数の逆関数では、 $f(x)=\dfrac{2x+1}{x+1}$ の逆関数を求めると、 $f^{-1}(x)=\dfrac{1-x}{x-2}$ となることを見ました。以下では、この2つの合成関数 $(f^{-1}\circ f)(x)$ を計算してみましょう。

なお、逆関数の定義を考えれば、答えは計算しなくてもわかるはずです。答えを予想しておきましょう。また、 $x\ne -1,2$ としておきます。元の関数・逆関数の分母が $0$ になる場合を除く、ということです。

さて、この合成関数は、 $f^{-1}(f(x))$ を計算すればいいので
\begin{eqnarray}
(f^{-1}\circ f)(x)
&=&
f^{-1}(f(x)) \\[5pt] &=&
\frac{1-f(x)}{f(x)-2} \\[5pt] &=&
\frac{1-\dfrac{2x+1}{x+1}}{\dfrac{2x+1}{x+1}-2} \\[5pt] &=&
\frac{x+1-(2x+1)}{(2x+1)-2(x+1)} \\[5pt] &=&
\frac{-x}{-1} \\[5pt] &=&
x
\end{eqnarray}となります。つまり、 $(f^{-1}\circ f)(x)=x$ となります。

これは、実は計算しなくても、逆関数の定義からわかります。 $y=f(x)$ のとき、 $x=f^{-1}(y)$ が成り立つのだから、1つ目の式を2つ目に代入すれば\[ f^{-1}(f(x))=x \]となるからですね。 $f(x)$ から $x$ を対応させるものが $f^{-1}$ なので、 $f$ と $f^{-1}$ を合成すれば、恒等関数( $x$ に $x$ を対応させる関数。 $g(x)=x$ を満たす関数 $g$ のこと)となります。

では、逆向きの合成はどうでしょうか。一般に、 $(g\circ f)(x)$ と $(f\circ g)(x)$ は一致するとは限りません(【基本】合成関数)。なので、 $(f\circ f^{-1})(x)$ が恒等関数になっているかどうかは、上で見た計算とは別にチェックする必要があります。

一般的にはそうなのですが、今の場合、もっと簡単にチェックする方法があります。 $y=f(x)$ と $x=f^{-1}(y)$ は同値でしたね。2つ目の式を1つ目に代入すると\[ y=f(f^{-1}(y)) \]となります。これは、 $(f\circ f^{-1})(x)$ が恒等関数であることを表しています。

一般に、ある関数と逆関数との合成関数について、以下のことが成り立ちます。

逆関数との合成関数
関数 $f(x)$ とその逆関数 $f^{-1}(x)$ について、次が成り立つ。\[ (f\circ f^{-1})(x)=(f^{-1}\circ f)(x)=x \]

おわりに

ここでは、ある関数とその逆関数を合成させるとどうなるか、を見ました。直接計算をしても確かめられますが、逆関数の定義からも、恒等関数になることが確かめられます。