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【応用】逆関数と合成関数

ここでは、合成関数の逆関数などについて見ていきます。

📘 目次

合成関数の逆関数

例題
$f(x)=2x+1$, $g(x)=x-1$ のとき、次の関数を求めなさい。
(1) $(f\circ g)^{-1}(x)$
(2) $(f^{-1}\circ g^{-1})(x)$
(3) $(g^{-1}\circ f^{-1})(x)$

(1)は、まず $f\circ g$ を求めましょう。
\begin{eqnarray} (f\circ g)(x) &=& f(g(x)) \\[5pt] &=& 2(x-1)+1 \\[5pt] &=& 2x-1 \\[5pt] \end{eqnarray}こうなります。 $y=2x-1$ とすると、 $x=\dfrac{y+1}{2}$ なので、\[ (f\circ g)^{-1}(x)=\dfrac{x+1}{2} \]となることがわかります。

(2),(3)を求めるために、 $f,g$ の逆関数を求めておきましょう。 $y=2x+1$ とすると、 $x=\dfrac{y-1}{2}$ なので、\[ f^{-1}(x)=\dfrac{y-1}{2} \]です。また、 $y=x-1$ とすると $x=y+1$ なので、\[ g^{-1}(x)=x+1 \]となります。よって、(2)は
\begin{eqnarray} (f^{-1}\circ g^{-1})(x) &=& \frac{(x+1)-1}{2} \\[5pt] &=& \frac{x}{2} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。また、(3)は \begin{eqnarray} (g^{-1}\circ f^{-1})(x) &=& \frac{x-1}{2}+1 \\[5pt] &=& \frac{x+1}{2} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これらが答えです。

この結果をよく見てみると、 $(f\circ g)^{-1}(x)$ と $(g^{-1}\circ f^{-1})(x)$ は同じ $\dfrac{x+1}{2}$ という結果になっています。(2)だけが異なります。

これは、 $f\circ g$ と $g^{-1}\circ f^{-1}$ との合成関数を考えると理解できます。この2つの関数から合成してできる関数は\[ g^{-1}(f^{-1}(f(g(x))))=g^{-1}(g(x))=x \]となります。ここで、もとの関数と逆関数とを合成すると、恒等関数になることを用いています(参考:【標準】逆関数と合成関数)。このことから、 $f\circ g$ と $g^{-1}\circ f^{-1}$ は、互いに逆関数の関係になっている、ということがわかります。

順番を間違いやすいのですが、 $(f\circ g)^{-1}$ と $g^{-1}\circ f^{-1}$ は一致します。 $f^{-1}\circ g^{-1}$ と一致するとは限らないので注意が必要です。

合成関数の逆関数
関数 $f$, $g$ がそれぞれ逆関数を持つ場合、次が成り立つ。\[ (f\circ g)^{-1}(x) = (g^{-1}\circ f^{-1})(x) \]

$g(x)=y$, $f(y)=z$ が成り立つとき、 $x$ に $z$ を対応させる関数が $f\circ g$ ですね。逆に、 $z$ に $x$ を対応させるものが、 $(f\circ g)^{-1}$ です。 $z$ から $x$ を対応させるときに、 $z$ に対して $y$ を対応し、さらにそれに $x$ を対応させる、という2段階で行ってもいいですね。この対応のさせ方は、 $g^{-1}\circ f^{-1}$ です。このことからも、 $(f\circ g)^{-1}$ が $g^{-1}\circ f^{-1}$ に一致することがわかるでしょう。

おわりに

ここでは、合成関数の逆関数がどうなるかを見ました。順番を間違いやすいので注意しましょう。

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