【応用】逆関数と合成関数
ここでは、合成関数の逆関数などについて見ていきます。
合成関数の逆関数
(1) $(f\circ g)^{-1}(x)$
(2) $(f^{-1}\circ g^{-1})(x)$
(3) $(g^{-1}\circ f^{-1})(x)$
(1)は、まず $f\circ g$ を求めましょう。
\begin{eqnarray}
(f\circ g)(x)
&=&
f(g(x)) \\[5pt]
&=&
2(x-1)+1 \\[5pt]
&=&
2x-1 \\[5pt]
\end{eqnarray}こうなります。 $y=2x-1$ とすると、 $x=\dfrac{y+1}{2}$ なので、\[ (f\circ g)^{-1}(x)=\dfrac{x+1}{2} \]となることがわかります。
(2),(3)を求めるために、 $f,g$ の逆関数を求めておきましょう。 $y=2x+1$ とすると、 $x=\dfrac{y-1}{2}$ なので、\[ f^{-1}(x)=\dfrac{y-1}{2} \]です。また、 $y=x-1$ とすると $x=y+1$ なので、\[ g^{-1}(x)=x+1 \]となります。よって、(2)は
\begin{eqnarray}
(f^{-1}\circ g^{-1})(x)
&=&
\frac{(x+1)-1}{2} \\[5pt]
&=&
\frac{x}{2} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。また、(3)は
\begin{eqnarray}
(g^{-1}\circ f^{-1})(x)
&=&
\frac{x-1}{2}+1 \\[5pt]
&=&
\frac{x+1}{2} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。これらが答えです。
この結果をよく見てみると、 $(f\circ g)^{-1}(x)$ と $(g^{-1}\circ f^{-1})(x)$ は同じ $\dfrac{x+1}{2}$ という結果になっています。(2)だけが異なります。
これは、 $f\circ g$ と $g^{-1}\circ f^{-1}$ との合成関数を考えると理解できます。この2つの関数から合成してできる関数は\[ g^{-1}(f^{-1}(f(g(x))))=g^{-1}(g(x))=x \]となります。ここで、もとの関数と逆関数とを合成すると、恒等関数になることを用いています(参考:【標準】逆関数と合成関数)。このことから、 $f\circ g$ と $g^{-1}\circ f^{-1}$ は、互いに逆関数の関係になっている、ということがわかります。
順番を間違いやすいのですが、 $(f\circ g)^{-1}$ と $g^{-1}\circ f^{-1}$ は一致します。 $f^{-1}\circ g^{-1}$ と一致するとは限らないので注意が必要です。
$g(x)=y$, $f(y)=z$ が成り立つとき、 $x$ に $z$ を対応させる関数が $f\circ g$ ですね。逆に、 $z$ に $x$ を対応させるものが、 $(f\circ g)^{-1}$ です。 $z$ から $x$ を対応させるときに、 $z$ に対して $y$ を対応し、さらにそれに $x$ を対応させる、という2段階で行ってもいいですね。この対応のさせ方は、 $g^{-1}\circ f^{-1}$ です。このことからも、 $(f\circ g)^{-1}$ が $g^{-1}\circ f^{-1}$ に一致することがわかるでしょう。
おわりに
ここでは、合成関数の逆関数がどうなるかを見ました。順番を間違いやすいので注意しましょう。