共通テスト 数学I・数学A 2018年度プレテスト 第2問 [2] 解説

2018年11月に実施された、大学入試共通テスト導入に向けたプレテストの問題です。元の資料をできる限り再現していますが、一部でレイアウトが変わっています。画像は、大学入試センターのサイトから取得しています。

【必答問題】

問題編

問題

 $\def\myBox#1{\bbox[3px, border:2px solid]{\ \bf{ #1 }\ }}\def\mybox#1{\bbox[4px, border:1px solid gray]{\ #1\ }}$太郎さんと花子さんは二つの変量 $x,y$ の相関係数について考えている。二人の会話を読み、下の問いに答えよ。

花子:先生からもらった表計算ソフトの A列と B列に値を入れると、E列には D列に対応する正しい値が表示されるよ。

太郎:最初は簡単なところで二組の値から考えてみよう。

花子: 2行目を $(x,y)=(1,2)$ 、3行目を $(x,y)=(2,1)$ としてみるね。

 このときのコンピュータの画面のようすが次の図である。

(1) $\myBox{セ}$, $\myBox{ソ}$, $\myBox{タ}$ に当てはまるものを、次の 0~9 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを操り返し選んでもよい。

 0: $-1.50$
 1: $-1.00$

 2: $-0.50$
 3: $-0.25$

 4: $0.00$
 5: $0.25$

 6: $0.50$
 7: $1.00$

 8: $1.50$
 0: $2.00$


太郎:3行目の変量 $y$ の値を 0 や -1 に変えても相関係数の値は $\mybox{タ}$ になったね。

花子:今度は、3行目の変量 $y$ の値を 2 に変えてみよう。

太郎:エラーが表示されて、相関係数は計算できないみたいだ。

(2) 変量 $x$ と変量 $y$ の値の組を変更して、 $(x,y)=(1,2),(2,2)$ としたときには相関係数が計算できなかった。その理由として最も適当なものを、次の 0~3 のうちから一つ選べ。 $\myBox{チ}$

 0:値の組の個数が2個しかないから。
 1:変量 $x$ の平均値と変量 $y$ の平均値が異なるから。
 2:変量 $x$ の標準偏差の値と変量 $y$ の標準偏差の値が異なるから。
 3:変量 $y$ の標準偏差の値が 0 であるから。

花子:3行目の変量 $y$ の値を 3 に変更してみよう。相関係数の値は 1.00 だね。

太郎:3行目の変量 $y$ の値が 4 のときも 5 のときも、相関係数の値は 1.00 だ。

花子:相関係数の値が 1.00 になるのはどんな特徴があるときかな。

太郎:値の組の個数を多くすると何かわかるかもしれないよ。

花子:じゃあ、次に値の組の個数を 3 としてみよう。

太郎: $(x,y) = (1,1),\ (2,2),\ (3,3)$ とすると相関係数の値は 1.00 だ。

花子: $(x,y) = (1,1),\ (2,2),\ (3,1)$ とすると相関係数の値は 0.00 になった。

太郎: $(x,y) = (1,1),\ (2,2),\ (2,2)$ とすると相関係数の値は 1.00 だね。

花子:まったく同じ値の組が含まれていても相関係数の値は計算できることがあるんだね。

太郎:思い切って、値の組の個数を 100 にして、1個だけ $(x,y)=(1,1)$ で、99個は $(x,y)=(2,2)$ としてみるね……。相関係数の値は 1.00 になったよ。

花子:値の組の個数が多くても、相関係数の値が 1.00 になるときもあるね。

(3) 相関係数の値についての記述として誤っているものを、次の 0~4 のうちから一つ選べ。 $\myBox{ツ}$

 0: 値の組の個数が 2 のときには相関係数の値が 0.00 になることはない。
 1: 値の組の個数が 3 のときには相関係数の値が -1.00 となることがある。
 2: 値の組の個数が 4 のときには相関係数の値が 1.00 となることはない。

 3: 値の組の個数が 50 であり、1 個の値の組が $(x,y)=(1,1)$ 、残りの 49個の値の組が $(x,y)=(2,0)$ のときは相関係数の値は -1.00 である。
 4: 値の組の個数が 100 であり、50 個の値の組が $(x,y)=(1,1)$ 、残りの50個の値の組が $(x,y)=(2,2)$ のときは相関係数の値は 1.00である。


花子:値の組の個数が 2 のときは、相関係数の値は 1.00 か $\mybox{タ}$ または計算できない場合の 3 通りしかないね。

太郎:値の組を散布図に表したとき、相関係数の値はあくまで散布図の点が $\myBox{テ}$ 程度を表していて、値の組の個数が 2 の場合に、花子さんが言った 3 通りに限られるのは $\myBox{ト}$ からだね。値の組の個数が多くても値の組が 2 種類のときはそれらにしかならないんだね。

花子:なるほどね。相関係数は、そもそも値の組の個数が多いときに使われるものだから、組の個数が極端に少ないときなどにはあまり意味がないのかもしれないね。

太郎:値の組の個数が少ないときはもちろんのことだけど、基本的に散布図と相関係数を合わせてデータの特徴を考えるとよさそうだね。

(4) $\myBox{テ}$, $\myBox{ト}$ に当てはまる最も適当なものを、次の各解答群のうちから一つずつ選べ。

 $\myBox{テ}$ の解答群

 0: $x$ 軸に関して対称に分布する
 1: 変量 $x,y$ のそれぞれの中央値を表す点の近くに分布する
 2: 変量 $x,y$ のそれぞれの平均値を表す点の近くに分布する

 3: 円周に沿って分布する
 4: 直線に沿って分布する

 $\myBox{ト}$ の解答群

 0: 変量 $x$ の中央値と平均値が一致する
 1: 変量 $x$ の四分位数を考えることができない
 2: 変量 $x, y$ のそれぞれの平均値を表す点からの距離が等しい

 3: 平面上の異なる 2点は必ずある直線上にある
 4: 平面上の異なる 2点を通る円はただ 1つに決まらない

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考え方

相関係数に関する問題です。

相関係数をどのように計算するか、だけでなく、相関係数が何を表しているか、散布図とはどういう対応になっているか、を理解していないと、答えるのは難しいです。

計算はほとんどありません。相関係数について本質的な内容を理解していれば、サクサク進むことができますが、「計算方法だけを覚える」というような勉強法をしている人だと、なかなか先に進めません。

ちなみに、花子・太郎の会話は、ほとんど読まなくても解答はできます。