共通テスト 数学I・数学A 2018年度プレテスト 第3問 解説

2018年11月に実施された、大学入試共通テスト導入に向けたプレテストの問題です。元の資料をできる限り再現していますが、一部でレイアウトが変わっています。画像は、大学入試センターのサイトから取得しています。

【選択問題】(第3問~第5問から2問選択)

問題編

問題

 $\def\myBox#1{\bbox[3px, border:2px solid]{\ \bf{ #1 }\ }}\def\mybox#1{\bbox[4px, border:1px solid gray]{\ #1\ }}$くじが 100本ずつ入った二つの箱があり、それぞれの箱に入っている当たりくじの本数は異なる。これらの箱から二人の人が順にどちらかの箱を選んで 1本ずつくじを引く。ただし、引いたくじはもとに戻さないものとする。

 また、くじを引く人は、最初にそれぞれの箱に入れる当たりくじの本数は知っているが、それらがどちらの箱に入っているかはわからないものとする。

 今、1番目の人が一方の箱からくじを 1本引いたところ、当たりくじであったとする。2番目の人が当たりくじを引く確率を大きくするためには、1番目の人が引いた箱と同じ箱、異なる箱のどちらを選ぶべきかを考察しよう。

 最初に当たりくじが多く入っている方の箱を A、もう一方の箱を B とし. 1番目の人がくじを引いた箱が A である事象を $A$ 、B である事象を $B$ とする。このとき、 $P(A)=P(B)=\dfrac{1}{2}$ とする。また、 1番目の人が当たりくじを引く事象を $W$ とする。

 太郎さんと花子さんは、箱A、箱B に入っている当たりくじの本数によって、2 番目の人が当たりくじを引く確率がどのようになるかを調べている。

(1) 箱 A には当たりくじが 10 本入っていて 箱 B には当たりくじが 5 本入っ ている場合を考える。

花子:1番目の人が当たりくじを引いたから、その箱が箱 A である可能性が高そうだね。その場合、箱 A には当たりくじが 9 本残っているから、2番目の人は、1番目の人と同じ箱からくじを引いた方がよさそうだよ。

太郎:確率を計算してみようよ。

 1 番目の人が引いた箱が箱 A で、かつ当たりくじを引く確率は、\[ P(A\cap W)=P(A)\cdot P_A(W)=\dfrac{\myBox{ア}}{\myBox{イウ}} \]である。一方で、1番目の人が当たりくじを引く事象 $W$ は、箱 A から当たりくじを引くか箱 B から当たりくじを引くかのいずれかであるので、その確率は、\[ P(W) = \dfrac{\myBox{エ}}{\myBox{オカ}} \]である。

 よって、1番目の人が当たりくじを引いたという条件の下で、その箱が箱 A であるという条件付き確率 $P_W(A)$ は、\[ P_W(A)=\frac{P(A\cap W)}{P(W)}=\dfrac{\myBox{キ}}{\myBox{ク}} \]と求められる。

 また、1番目の人が当たりくじを引いた後、同じ箱から 2 番目の人がくじを引くとき、そのくじが当たりくじである確率は、\[ P_W(A)\times\frac{9}{99}+P_W(B)\times\dfrac{\myBox{ケ}}{99}=\dfrac{\myBox{コ}}{\myBox{サシ}} \]である。

 それに対して. 1番目の人が当たりくじを引いた後、異なる箱から 2 番目の人がくじを引くとき、そのくじが当たりくじである確率は、 $\dfrac{\myBox{ス}}{\myBox{セソ}}$ である。


花子:やっぱり l 番目の人が当たりくじを引いた場合は、同じ箱から引いた方が当たりくじを引く確率が大きいよ。

太郎:そうだね。でも、思ったより確率の差はないんだね。もう少し当たりくじの本数の差が小さかったらどうなるのだろう。

花子:1番目の人が引いた箱が箱 A の可能性が高いから、箱 B の当たりくじの本数が 8本以下だったら、同じ箱のくじを引いた方がよいのではないかな。

太郎:確率を計算してみようよ。

(2) 今度は箱 A には当たりくじが 10 本入っていて、箱 B には当たりくじが 7本入っている場合を考える。

 1番目の人が当たりくじを引いた後、同じ箱から 2 番目の人がくじを引くとき、そのくじが当たりくじである確率は $\dfrac{\myBox{タ}}{\myBox{チツ}}$ である。それに対して異なる箱からくじを引くとき、そのくじが当たりくじである確率は $\dfrac{7}{85}$ である。


太郎:今度は異なる箱から引く方が当たりくじを引く確率が大きくなったね。

花子:最初に当たりくじを引いた箱の方が箱 A である確率が大きいのに不思議だね。計算してみないと直観ではわからなかったな。

太郎:二つの箱に入っている当たりくじの本数の差が小さくなれば、最初に当たりくじを引いた箱が A である確率と B である確率の差も小さくなるよ。最初に当たりくじを引いた箱がB である場合は、もともと当たりくじが少ない上に前の人がl 本引いてしまっているから当たりくじはなおさら引きにくいね。

花子:なるほどね。箱 A に入っている当たりくじの本数は 10 本として、箱 B に入っている当たりくじが何本であれば同じ箱から引く方がよいのかを調べてみよう。

(3) 箱 A に当たりくじが 10 本入っている場合、1 番目の人が当たりくじを引いたとき、2番目の人が当たりくじを引く確率を大きくするためには、1番目の人が引いた箱と同じ箱、異なる箱のどちらを選ぶべきか。箱 B に入っている当たりくじの本数が 4 本、5 本、6 本、7 本のそれぞれの場合において選ぶべき箱の組み合わせとして正しいものを、次の 0~4 のうちから一つ選べ。 $\myBox{テ}$

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考え方

多くの人が苦手とする条件付き確率がオンパレードです。結果からさかのぼるタイプの条件付き確率なので、苦手とする人も多いでしょう。

ただ、(1)では、丁寧に誘導がついていて、それを(2)(3)で繰り返すだけです。(2)では、ヒントもあるし、(3)では、問題文から選択肢を絞ることもできますが、まじめにやると結構時間がかかってしまいます。