京都大学 理系 2018年度 第1問 解説

解答編

問題

 $0$ でない実数 a, b, c は次の条件(i)と(ii)を満たしながら動くものとする。

 (i) $1+c^2\leqq 2a$
 (ii) 2つの放物線 $C_1:y=ax^2$ と $C_2:y=b(x-1)^2+c$ は接している。

ただし、2つの曲線が接するとは、ある共有点において共通の接線をもつことであり、その共有点を接点という。

(1) $C_1$ と $C_2$ の接点の座標を ac を用いて表せ。

(2) $C_1$ と $C_2$ の接点が動く範囲を求め、その範囲を図示せよ。

解答

(1)
接点の x 座標を t とする。

2つの放物線は接点を通るので、
\begin{eqnarray}
at^2 &=& b(t-1)^2+c
\end{eqnarray}が成り立つ。また、接点での接線の傾きは同じなので
\begin{eqnarray}
2at &=& 2b(t-1)
\end{eqnarray}が成り立つ(このことを(*1)とおく)。2つの目の式から\[ b(t-1)^2=at(t-1) \]なので、これを1つ目の式に代入して
\begin{eqnarray}
at^2 &=& at(t-1)+c \\[5pt] at &=& c \\[5pt] \end{eqnarray}ここで、 $a\ne 0$ なので、 $t=\dfrac{c}{a}$ である(このことを(*2)とおく)。

接点の y 座標は
\begin{eqnarray}
a\cdot \left(\frac{c}{a}\right)^2=\frac{c^2}{a}
\end{eqnarray}となる。

よって、接点の座標は $\left(\dfrac{c}{a},\dfrac{c^2}{a}\right)$ となる。

(2)
$C_1$ と $C_2$ の接点を $(x,y)$ とする。

(1)より、\[ x=\frac{c}{a}, \ y=\frac{c^2}{a} \]なので\[ ax=c, ay=c^2 \]が成り立つ。 $a,c\ne 0$ なので、 $x,y\ne 0$ である(このことを(*3)とおく)。これより、
\begin{eqnarray}
ay &=& (ax)^2 \\[5pt] y &=& ax^2 \\[5pt] a &=& \frac{y}{x^2} \\[5pt] \end{eqnarray}が成り立ち、
\begin{eqnarray}
c &=& \frac{y}{x}
\end{eqnarray}が成り立つ。

これらから、(i)より
\begin{eqnarray}
1+c^2 & \leqq & 2a \\[5pt] 1+\left(\frac{y}{x}\right)^2 & \leqq & \frac{2y}{x^2} \\[5pt] x^2+y^2 & \leqq & 2y \\[5pt] x^2+(y-1)^2 & \leqq & 1 \\[5pt] \end{eqnarray}となる。

逆に、 $x^2+(y-1)^2 \leqq 1$ を満たす点 $(x,y)$ に対し、 (*3) より、 $x,y\ne 0$ ならば、 $0$ でない実数 a, c が定まる。また、(*1)と(*2)より、
\begin{eqnarray}
at &=& b(t-1) \\[5pt] c &=& b \times \frac{c-a}{a} \\[5pt] \end{eqnarray}となる。左辺が $0$ ではないので、 $a\ne c$ である。これは、 $\dfrac{y}{x^2}\ne\dfrac{y}{x}$ だから $x\ne 1$ と同値である。このとき、\[ b=\frac{ac}{c-a} \]となり、 $0$ でない実数が定まる。

以上から、求める範囲は、 $x^2+(y-1)^2 \leqq 1$ かつ $x\ne0$ かつ $(x,y)\ne(1,1)$ を満たす部分となる。図示すると、以下の通りとなる( y 軸上の点と点 $(1,1)$ を除き、他の境界線は含む)。

(終)

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