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センター試験 数学II・数学B 2019年度追試 第1問 [2] 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【必答問題】

問題編

問題

(1) $\log_2\myBox{タ}=0$, $\log_2\myBox{チ}=1$ である。また、 $100$ 以下の自然数 $x$ で $\log_2 x$ が整数になるものは全部で $\myBox{ツ}$ 個ある。

(2) $r=\log_2 3$ とおく。このとき、 $\log_2 54$ を $r$ を用いて表すと\[ \log_2 54=\myBox{テ}r +\myBox{ト} \]となる。また、 $\log_2 5$ と $\dfrac{r+3}{2}$, $\log_{\frac{1}{2} } \dfrac{1}{\sqrt{3} }$ と $r$ の大きさをそれぞれ比較すると
\begin{eqnarray} & & \log_2 5\ \myBox{ナ}\ \frac{r+3}{2} \ , \\[5pt] & & \log_{\frac{1}{2} }\frac{1}{\sqrt{3} }\ \myBox{ニ}\ r \end{eqnarray}である。 $\myBox{ナ}$, $\myBox{ニ}$ に当てはまるものを、次の 0 ~ 2 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを選んでもよい。

 0: $\lt$
 1: $=$
 2: $\gt$

(3) $k$ を $3$ 以上の整数とする。 $\log_k 2$ の値を調べよう。

 $n\leqq \log_k 2 \lt n+1$ を満たす整数 $n$ は $\myBox{ヌ}$ である。

 また、整数 $m$ について、不等式 $\dfrac{m}{10}\leqq \log_k 2$ は $\myBox{ネ}$ と書き直せることから、 $\log_k 2$ を小数で表したときの小数第1位の数字を求めることができる。 $\myBox{ネ}$ に当てはまるものを、次の 0 ~ 5 のうちから一つ選べ。

 0: $km \leqq 20$
 1: $k^m \leqq 20$
 2: $m^k \leqq 20$

 3: $km \leqq 2^{10}$
 4: $k^m \leqq 2^{10}$
 5: $m^k \leqq 2^{10}$

たとえば、 $\log_7 2$ の小数第1位の数字は $\myBox{ノ}$ であり、 $\log_k 2$ の小数第1位の数字が $2$ となる $k$ の値のうち最小のものは $\myBox{ハヒ}$ であることがわかる。

考え方

(1)は、基本的な対数の性質がわかっているかどうかを確認する問題です。

(2)の前半は、対数の計算ですが、これも公式を用いるだけです。後半は大小比較ですが、真数の比較で解けるように変形する必要があります。

(3)は、前半の意味がわからないと、後半がわかりません。前半で考えた不等式から、小数第1位について何が言えるのかを考えましょう。直接的には関係ないですが、常用対数を学ぶときに桁数を求める問題をやっていれば、解きやすいかもしれません。


【必答問題】

解答編

問題

(1) $\log_2\myBox{タ}=0$, $\log_2\myBox{チ}=1$ である。また、 $100$ 以下の自然数 $x$ で $\log_2 x$ が整数になるものは全部で $\myBox{ツ}$ 個ある。

解説

$\log_2 x=m$ とは、 $2^m=x$ のことなので、 $\log_2 1=0$, $\log_2 2=1$ です。

また、 $x=2^m$ が100以下の自然数となるような整数 $m$ は、 $0$ 以上 $6$ 以下の整数なので、7個となります。

解答

タチツ:127

参考

【基本】対数

解答編 つづき

(2) $r=\log_2 3$ とおく。このとき、 $\log_2 54$ を $r$ を用いて表すと\[ \log_2 54=\myBox{テ}r +\myBox{ト} \]となる。また、 $\log_2 5$ と $\dfrac{r+3}{2}$, $\log_{\frac{1}{2} } \dfrac{1}{\sqrt{3} }$ と $r$ の大きさをそれぞれ比較すると
\begin{eqnarray} & & \log_2 5\ \myBox{ナ}\ \frac{r+3}{2} \ , \\[5pt] & & \log_{\frac{1}{2} }\frac{1}{\sqrt{3} }\ \myBox{ニ}\ r \end{eqnarray}である。 $\myBox{ナ}$, $\myBox{ニ}$ に当てはまるものを、次の 0 ~ 2 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを選んでもよい。

 0: $\lt$
 1: $=$
 2: $\gt$

解説

\begin{eqnarray} \log_2 54 &=& \log_2 3^3\cdot 2 \\[5pt] &=& 3\log_2 3+ \log_2 2 \\[5pt] &=& 3r+1 \\[5pt] \end{eqnarray}と変形できます。

また、
\begin{eqnarray} \frac{r+3}{2} &=& \frac{(\log_2 3)+3}{2} \\[5pt] &=& \frac{\log_2 3\cdot 2^3}{2} \\[5pt] &=& \frac{1}{2}\log_2 24 \\[5pt] &=& \log_2 \sqrt{24} \\[5pt] \end{eqnarray}と変形できます。底が $2$ で、 $1$ より大きく、 $5\gt \sqrt{24}$ なので、\[ \log_2 5 \gt \frac{r+3}{2} \]となります。

次は底の変換公式を用いて、底を $2$ に変換します。
\begin{eqnarray} \log_{\frac{1}{2} } \frac{1}{\sqrt{3} } &=& \frac{\log_2 \frac{1}{\sqrt{3} }}{\log_2 \frac{1}{2} } \\[5pt] &=& \frac{\log_2 \frac{1}{\sqrt{3} }}{-1} \\[5pt] &=& \log_2 \sqrt{3} \\[5pt] \end{eqnarray}と変形できます。底が $2$ で、 $1$ より大きく、 $\sqrt{3}\lt 3$ なので、\[ \log_{\frac{1}{2} }\frac{1}{\sqrt{3} } = \log_2 \sqrt{3} \lt \log_2 3= r \]が成り立ちます。

解答

テト:31
ナニ:20

参考

解答編 つづき

(3) $k$ を $3$ 以上の整数とする。 $\log_k 2$ の値を調べよう。

 $n\leqq \log_k 2 \lt n+1$ を満たす整数 $n$ は $\myBox{ヌ}$ である。

 また、整数 $m$ について、不等式 $\dfrac{m}{10}\leqq \log_k 2$ は $\myBox{ネ}$ と書き直せることから、 $\log_k 2$ を小数で表したときの小数第1位の数字を求めることができる。 $\myBox{ネ}$ に当てはまるものを、次の 0 ~ 5 のうちから一つ選べ。

 0: $km \leqq 20$
 1: $k^m \leqq 20$
 2: $m^k \leqq 20$

 3: $km \leqq 2^{10}$
 4: $k^m \leqq 2^{10}$
 5: $m^k \leqq 2^{10}$

解説

$n\leqq \log_k 2 \lt n+1$ を変形すると、\[ \log_k k^n \leqq \log_k 2 \lt \log_k k^{n+1} \]より、 $k^n \leqq 2 \lt k^{n+1}$ と同値です。 $k$ は3以上の整数なので、これを満たす整数 $n$ は、 $n=0$ しかありません。

また、
\begin{eqnarray} & & \frac{m}{10} \leqq \log_k 2 \\[5pt] & & m \leqq 10\log_k 2 \\[5pt] & & \log_k k^m \leqq \log_k 2^{10} \\[5pt] \end{eqnarray}であり、底が $1$ より大きいので、これは $k^m\leqq 2^{10}$ と同値です。

解答

ヌネ:04

解答編 つづき

たとえば、 $\log_7 2$ の小数第1位の数字は $\myBox{ノ}$ であり、 $\log_k 2$ の小数第1位の数字が $2$ となる $k$ の値のうち最小のものは $\myBox{ハヒ}$ であることがわかる。

解説

先ほど見た内容をまとめましょう。 $\log_k 2$ は、 $0$ 以上 $1$ 未満の値です。また、 $k^m\leqq 2^{10}$ となるような $m$ を考えれば、 $\dfrac{m}{10}\leqq \log_k 2$ が成り立つことがわかります。このことから、例えば、もし $m=5$ が不等式 $k^m\leqq 2^{10}$ を満たすけど、 $m=6$ は満たさないとすると、 $\log_k 2$ は $0.5$ 以上 $0.6$ 未満なので、小数第1位は5だな、とわかるわけですね。

$\log_7 2$ の場合に、 $7^m\leqq 2^{10}$ となる $m$ を考えてみましょう。右辺は、1024です。よって、左辺を満たす最大の整数は、 $3$ です。なので、小数第1位は $3$ だとわかります。

次に、 $\log_k 2$ の小数第1位が $2$ となる場合を考えます。これは、\[ \dfrac{2}{10}\leqq \log_k 2 \lt \dfrac{3}{10} \]を満たすということです。先ほどの問題と同じように変形すれば、\[ k^2\leqq 2^{10} \lt k^3 \]と同値であることがわかります。 $2^{10}=1024$ なので、 $k\leqq 10$ なら満たしませんが、 $k=11$ なら満たすことがわかります。このことから、 $\log_k 2$ の小数第1位の数字が $2$ となる $k$ の値のうち最小のものは $11$ だとわかります。

解答

ノ:3
ハヒ:11

参考

【基本】常用対数と桁数

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