【基本】底の変換公式

ここでは、底の変換公式について見ていきます。

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底を変換したくなる時

対数の性質は、【基本】対数の基本性質【基本】対数の性質(積や累乗の対数)で見てきました。これらを使えば、対数の計算を行うことができます。

特に、以下の「積の対数の性質」はよく使います。\[ \log_a MN=\log_a M+\log_a N \]これは、左辺から右辺へ、右辺から左辺へ、どちらの変形にも使います。便利な性質なのですが、底が同じでないといけない、という制約があります。

そのため、例えば、\[ \log_2 3+\log_4 \frac{1}{9} \]は、底が異なるので、そのまま「真数の積」に変形すること(上の式の右辺から左辺への変形)はできません。

底が異なるときに、底をそろえたい。そういうときに使えるのが、以下で見る「底の変換公式」です。

底の変換公式

もともと、 $a^p=b$ が成り立つときに、 $\log_a b=p$ と書くのでしたね(参考:【基本】対数)。

この式では、底が $a$ ですが、別の文字 $c$ を底とするように変えてみましょう。 $c$ を底とする $b$ の対数は、\[ \log_c b \]ですね。また、 $c$ を底とする $a^p$ の対数は
\begin{eqnarray}
\log_c a^p = p\log_c a
\end{eqnarray}となります。今、 $a^p=b$ のときを考えているのだから、この2つは等しいので、\[ \log_c b=p\log_c a \]が成り立ちます。両辺を $\log_c a$ で割って、 $p=\log_a b$ であることも使えば\[ \log_a b=\dfrac{\log_c b}{\log_c a} \]が得られます。

この最後の式をよく見てみましょう。左辺は、底が $a$ です。一方、右辺は、分母も分子も、底が $c$ となっています。底が変わっていますね。 $c$ は新しい底ですが、1以外の正の数なら、何でも構いません。自分で好きな数を設定できます。

この式を、底の変換公式といいます。

底の変換公式
$a,b,c$ は正の数で、 $a,c\ne1$ とする。このとき、次の式が成り立つ。\[ \log_a b=\dfrac{\log_c b}{\log_c a} \]

右辺には、変換後の新しい底が現れます。分子の真数は、変換前の真数となり、分母の真数は、変換前の底が現れます。対応をよく理解しましょう。

この「底の変換公式」を使えば、先ほどの式は次のように変形できます。
\begin{eqnarray}
& &
\log_2 3+\log_4 \frac{1}{9} \\[5pt] &=&
\log_2 3+\frac{\log_2 \frac{1}{9}}{\log_2 4} \\[5pt] &=&
\log_2 3+\frac{\log_2 3^{-2}}{2} \\[5pt] &=&
\log_2 3-\log_2 3 \\[5pt] &=&
0
\end{eqnarray}1行目から2行目の変形で、底の変換公式を用いています。3行目から4行目は、「累乗の対数は、対数の定数倍」というのを使って、 $\log_2 3^{-2}=-2\log_2 3$ と変形しています。最後は、「商の対数は、対数の差」というのを使っています(逆向きに)。 $1$ の対数は $0$ なので、計算結果は $0$ とわかります。

底は自分の好きな値で決めていいのですが、普通は、式の中にあるどれか1つに合わせて変形していきます。底をそろえ、足し算・引き算・定数倍を、真数の掛け算・割り算・累乗に変形していけば、たくさんの項をまとめることができます。

また、底の変換公式で、新しい底を $b(\ne 1)$ にすると、次のような式になります。\[ \log_a b =\frac{1}{\log_b a} \]真数と底を入れ替えると、逆数になるんですね。この形もよく使います。

おわりに

ここでは、底の変換公式について見てきました。文字の対応が少しわかりにくいですが、この変換ができないと途中から計算ができない場面が出てきてしまいます。しっかりと使いこなせるようになりましょう。