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センター試験 数学I・数学A 2020年度追試 第4問 解説

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【選択問題】(第3問~第5問から2問選択)

問題編

問題

(1) 不定方程式\[ 7x-31y=1 \quad \cdots ① \]を満たす自然数 $x,y$ の組の中で、 $x$ が最小のものは\[ x=\myBox{ア},\ y=\myBox{イ} \]であり、不定方程式①のすべての整数解は、 $k$ を整数として
\begin{eqnarray} x &=& \myBox{ウエ}k+\mybox{ア}, \\[5pt] y &=& \myBox{オ}k+\mybox{イ} \end{eqnarray}と表せる。

(2) 自然数 $n$ に対して $n^2$ を $\mybox{オ}$ で割った余りが $\mybox{イ}$ となるのは、 $n$ を $\mybox{オ}$ で割った余りが、 $\myBox{カ}$ または $\myBox{キ}$ のときである。ただし、 $\mybox{カ}$, $\mybox{キ}$ の解答の順序は問わない。

(3) 不定方程式①の整数解 $y$ のうち、ある自然数 $n$ を用いて $y=n^2$ と表せるものを小さい方から四つ並べると\[ \myBox{ク}\ ,\ \myBox{ケコ}\ ,\ \myBox{サシス}\ ,\ \myBox{セソタ} \]である。

(4) $\sqrt{31(7x-1)}$ が整数であるような自然数 $x$ のうち、 $x\geqq 1000$ を満たす最小のものは $\myBox{チツテト}$ である。 $x$ が $\mybox{チツテト}$ のとき、 $\sqrt{31(7x-1)}$ の値は $\myBox{ナニヌ}$ である。

考え方

(3)や(4)は、その前に求めた結果をどのように使うのかをよく考えないといけません。特に、(4)は、(1)の $k$ や(2), (3)の $n$ の値の範囲をしぼることも考える必要があり、難しいです。


【選択問題】(第3問~第5問から2問選択)

解答編

問題

(1) 不定方程式\[ 7x-31y=1 \quad \cdots ① \]を満たす自然数 $x,y$ の組の中で、 $x$ が最小のものは\[ x=\myBox{ア},\ y=\myBox{イ} \]であり、不定方程式①のすべての整数解は、 $k$ を整数として
\begin{eqnarray} x &=& \myBox{ウエ}k+\mybox{ア}, \\[5pt] y &=& \myBox{オ}k+\mybox{イ} \end{eqnarray}と表せる。

解説

$y$ に値を順番に入れていくと、 $(x,y)=(9,2)$ のときに①を満たすことがわかります。

$7\cdot9-31\cdot2=1$ を①から辺々引くと\[ 7(x-9)=31(y-2) \]となります。 $7$ と $31$ は互いに素なので、 $x-9=31k$ と書けます。これより $x=31k+9$ と表せます。これを代入して $y=7k+2$ もわかります。

解答

ア:9
イ:2
ウエ:31
オ:7

解答編 つづき

問題

(2) 自然数 $n$ に対して $n^2$ を $\mybox{オ}$ で割った余りが $\mybox{イ}$ となるのは、 $n$ を $\mybox{オ}$ で割った余りが、 $\myBox{カ}$ または $\myBox{キ}$ のときである。ただし、 $\mybox{カ}$, $\mybox{キ}$ の解答の順序は問わない。

解説

$n^2$ を $7$ で割った余りが $2$ になる場合を求めます。

$n$ を $7$ で割ったときの商を $q$, 余りを $r$ とする( $r=0,1,\cdots ,6$ )と $n=7q+r$ と書けます。これより
\begin{eqnarray} n^2 &=& (7q+r)^2 \\[5pt] &=& 49q^2+14qr+r^2 \\[5pt] &=& 7(7q^2+2qr)+r^2 \\[5pt] \end{eqnarray}なので、 $r^2$ を $7$ で割った余りを考えればいいことがわかります。

各 $r$ の値に対して $r^2$ を $7$ で割ったときの余りを書き出すと

 $r=0$ のときは、 $0$
 $r=1$ のときは、 $1$
 $r=2$ のときは、 $4$
 $r=3$ のときは、 $2$
 $r=4$ のときは、 $2$
 $r=5$ のときは、 $4$
 $r=6$ のときは、 $1$

となるので、 $r=3$ か $r=4$ のときであることがわかります。

解答

カキ:3・4

解答編 つづき

問題

(3) 不定方程式①の整数解 $y$ のうち、ある自然数 $n$ を用いて $y=n^2$ と表せるものを小さい方から四つ並べると\[ \myBox{ク}\ ,\ \myBox{ケコ}\ ,\ \myBox{サシス}\ ,\ \myBox{セソタ} \]である。

解説

不定方程式①の整数解 $y$ は、 $y=7k+2$ で表せます。これが $n^2$ とも表せる場合、(2)より、 $n$ を $7$ で割った余りは $3$ か $4$ になっていないといけません。

小さい方から順番に考えると、 $n=3,4,10,11$ であり、このとき、 $n^2$ の値は $9,16,100,121$ となります。これらに対応する $k$ は $1,2,14,17$ であり、たしかに不定方程式①の整数解になることがわかります。よって、これらが答えです。

解答

ク:9
ケコ:16
サシス:100
セソタ:121

解答編 つづき

問題

(4) $\sqrt{31(7x-1)}$ が整数であるような自然数 $x$ のうち、 $x\geqq 1000$ を満たす最小のものは $\myBox{チツテト}$ である。 $x$ が $\mybox{チツテト}$ のとき、 $\sqrt{31(7x-1)}$ の値は $\myBox{ナニヌ}$ である。

解説

$\sqrt{31(7x-1)}$ が整数となるとき、 $7x-1$ は $31$ の倍数でないといけないので、(1)より $x=31k+9$ と書くことができます。これより
\begin{eqnarray} \sqrt{31(7x-1)} &=& \sqrt{31\{7(31k+9)-1\} } \\[5pt] &=& \sqrt{31(7\cdot 31k+62)} \\[5pt] &=& 31\sqrt{7k+2} \\[5pt] \end{eqnarray}と表せます。 $7k+2$ がある自然数 $n$ の2乗となっている場合を考えればいいですが、これは(3)で考えたように、 $n$ を $7$ で割ったときの余りが $3$ か $4$ の場合を考えればいいことがわかります。

$x=31k+9$ なので、 $x\geqq 1000$ となるのは $k\geqq 32$ のときです。このとき、 $7k+2$ の値は $226$ 以上です。なので、これが $n^2$ となるのは、 $n$ が $16$ 以上のときです。よって、 $n$ を $7$ で割ったときの余りが $3$ か $4$ になるうち、最小のものは $17$ となります。

このとき、 $7k+2=17^2=289$ だから $k=41$ であり、 $x=31k+9=1280$ だとわかります。このとき
\begin{eqnarray} \sqrt{31(7x-1)} &=& 31\sqrt{7k+2} \\[5pt] &=& 31 \cdot 17 \\[5pt] &=& 527 \end{eqnarray}となります。

解答

チツテト:1271
ナニヌ:527

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