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センター試験 数学I・数学A 2020年度追試 第3問 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【選択問題】(第3問~第5問から2問選択)

問題編

問題

 つぼの中に6個の赤玉と4個の白玉の合計10個の玉が入っている。このつぼから、玉を1個ずつ10回続けて取り出す。ただし、一度取り出した玉はもとに戻さないものとする。

(1) 1回目と2回目に連続して赤玉が取り出される確率は $\dfrac{\myBox{ア} }{\myBox{イ} }$ である。

(2) $i$ を $2$ から $9$ までの整数とし、 $i$ 回目と $(i+1)$ 回目に連続して赤玉が取り出される確率 $p_i$ を考える。同じ色の玉は区別しない場合、10個すべての玉の取り出し方は、取り出した玉を1列に並べる並べ方の総数に等しく、 $\myBox{ウエオ}$ 通りである。それらのうち、8回目の取り出しを終えた時点で白玉がすべて取り出されている取り出し方は $\myBox{カキ}$ 通りである。よって、 $p_9$ の値は $\dfrac{\myBox{ク} }{\myBox{ケ} }$ である。また、 $p_3$ の値は $\dfrac{\myBox{コ} }{\myBox{サ} }$ である。

(3) 4回目の取り出しを終えた時点で赤玉が2個以上取り出されている確率は $\dfrac{\myBox{シス} }{\myBox{セソ} }$ である。よって、4回目の取り出しを終えた時点で赤玉が2個以上取り出されていたとき、1回目と2回目に連続して赤玉が取り出されている条件付き確率は $\dfrac{\myBox{タチ} }{\myBox{ツテ} }$ である。

(4) 4回目の取り出しを終えた時点で赤玉が2個以上取り出されていたとき、9回目と10回目に連続して赤玉が取り出される条件付き確率は $\dfrac{\myBox{トナ} }{\myBox{ニヌネ} }$ である。

(5) つぼからまず3個の玉を同時に取り出して、玉の色は確認せずに印をつけてつぼに戻したのち、改めて玉を1個ずつ10回続けて取り出す。一度取り出した玉はもとに戻さない。9回目と10回目に連続して印のついた赤玉が取り出される確率は $\dfrac{\myBox{ノ} }{\myBox{ハヒ} }$ である。

考え方

(4)まででも十分難しいですが、(5)でとどめを刺しに来ています。

どのように考えるかで複雑さが変わってきますが、考え方の方針は(2)で与えられているので、これにそっていくのがいいでしょう。

(5)は、問題文にある通りの操作を考えるのは難しいかもしれません。問題文を言い換えてから考えないと求めにくいと思います。


【選択問題】(第3問~第5問から2問選択)

解答編

問題

 つぼの中に6個の赤玉と4個の白玉の合計10個の玉が入っている。このつぼから、玉を1個ずつ10回続けて取り出す。ただし、一度取り出した玉はもとに戻さないものとする。

(1) 1回目と2回目に連続して赤玉が取り出される確率は $\dfrac{\myBox{ア} }{\myBox{イ} }$ である。

解説

2回目までで取り出すのをやめたと考えても確率は変わりません。なので、2回目を取り出して終わるとします。

玉をそれぞれ区別すると考えると、10個から2個の玉を選んで1列に並べる方法は ${}_{10}\mathrm{P}_2=90$ 通りで、赤玉6個から2個の玉を選んで1列に並べる方法は ${}_6\mathrm{P}_2=30$ 通りなので、連続して赤玉が取り出される確率は\[ \frac{30}{90}=\frac{1}{3} \]となります。

解答

アイ:13

解答編 つづき

問題

(2) $i$ を $2$ から $9$ までの整数とし、 $i$ 回目と $(i+1)$ 回目に連続して赤玉が取り出される確率 $p_i$ を考える。同じ色の玉は区別しない場合、10個すべての玉の取り出し方は、取り出した玉を1列に並べる並べ方の総数に等しく、 $\myBox{ウエオ}$ 通りである。それらのうち、8回目の取り出しを終えた時点で白玉がすべて取り出されている取り出し方は $\myBox{カキ}$ 通りである。よって、 $p_9$ の値は $\dfrac{\myBox{ク} }{\myBox{ケ} }$ である。また、 $p_3$ の値は $\dfrac{\myBox{コ} }{\myBox{サ} }$ である。

解説

同じ色の玉は区別しない場合、取り出した玉を1列に並べる並べ方の総数は、10か所から白の場所4か所を選ぶ方法に等しいので、\[ {}_{10}\mathrm{C}_4=\frac{10\cdot9\cdot8\cdot7}{4\cdot3\cdot2\cdot1}=210 \]通りとなります。

このうち、8回目の取り出しを終えた時点で白玉がすべて取り出されている取り出し方は、8か所から白の場所4か所を選ぶ方法に等しいので、\[ {}_{8}\mathrm{C}_4=\frac{8\cdot7\cdot6\cdot5}{4\cdot3\cdot2\cdot1}=70 \]通りとなります。

取り出した10個の玉を1列に並べるとき、各ならべ方が実現する確率はそれぞれ等しいです(ある特定の並び方が起こりやすい、などはありません)。なので、 $p_9$ は、9番目と10番目が赤になる並べ方の総数を全体の並べ方の総数で割れば求められます。よって、\[ p_9=\frac{70}{210}=\frac{1}{3} \]です。

$p_3$ を考えるには、3番目と4番目が赤になる並べ方の総数を考えればいいです。このとき、他の8か所から白の場所を4個選ぶ方法の総数を考えればよく、先ほどと同じように70通りだとわかるので、\[p_3=\frac{70}{210} =\frac{1}{3}\]となります。

結局、 $p_i=\dfrac{1}{3}$ となります。

これは、見方を変えると、 $i$ 回目が赤になる確率は $\dfrac{6}{10}$ であり、このときに $(i+1)$ 回目も赤になる確率は $\dfrac{5}{9}$ なので、\[ p_i=\frac{6}{10}\cdot\frac{5}{9}=\frac{1}{3} \]となることからわかります。

解答

ウエオ:210
カキ:70
クケ:13
コサ:13

解答編 つづき

問題

(3) 4回目の取り出しを終えた時点で赤玉が2個以上取り出されている確率は $\dfrac{\myBox{シス} }{\myBox{セソ} }$ である。よって、4回目の取り出しを終えた時点で赤玉が2個以上取り出されていたとき、1回目と2回目に連続して赤玉が取り出されている条件付き確率は $\dfrac{\myBox{タチ} }{\myBox{ツテ} }$ である。

解説

(2)と同じように、並べ方を数える方法で考えていきます。

はじめの4回中赤玉が2個となる並べ方の総数は、はじめの4回のうちどの2回が赤か、残りの6回のうちどの4回が赤か、を考えればいいので
\begin{eqnarray} & & {}_{4}\mathrm{C}_2\cdot {}_{6}\mathrm{C}_4 = 6\cdot 15=90 \end{eqnarray}通りです。赤玉が3個となる並べ方の総数は、はじめの4回からどの3回が赤か、残りの6回のうちのどの3回が赤か、を考えればいいので \begin{eqnarray} & & {}_{4}\mathrm{C}_3\cdot {}_{6}\mathrm{C}_3 = 4\cdot 20=80 \end{eqnarray}通りです。赤玉が4個である並べ方の総数は、後半6回のうちどの2回が赤か、を考えればいいので \begin{eqnarray} & & {}_{6}\mathrm{C}_2=15 \end{eqnarray}通りです。

以上から、2個以上取り出されている確率は\[ \frac{90+80+15}{210}=\frac{37}{42} \]となります。

1回目と2回目に連続して赤玉が取り出されていたら、4回目の取り出しを終えた時点で赤玉は2個以上取り出していることになるので、求める条件付き確率は
\begin{eqnarray} \frac{1}{3} \div \frac{37}{42} =\frac{14}{37} \end{eqnarray}となります。

解答

シスセソ:3742
タチツテ:1437

解答編 つづき

問題

(4) 4回目の取り出しを終えた時点で赤玉が2個以上取り出されていたとき、9回目と10回目に連続して赤玉が取り出される条件付き確率は $\dfrac{\myBox{トナ} }{\myBox{ニヌネ} }$ である。

解説

これも、(2)と同じように、並べ方の総数を考えます。

4回目の取り出しを終えた時点で赤玉を2個取り出し、9回目と10回目が赤になる取り出し方の総数は、はじめの4回のうちどの2回が赤か、5回目から8回目までのうち、どの2回が赤かを考えればいいので\[ {}_{4}\mathrm{C}_2\cdot {}_{4}\mathrm{C}_2 = 6\cdot 6=36 \]通りです。4回目の取り出しを終えた時点で赤玉が3個取り出し、9回目と10回目が赤になる取り出し方の総数は\[ {}_{4}\mathrm{C}_3\cdot {}_{4}\mathrm{C}_1 = 4\cdot 4=16 \]通りです。4回目の取り出しで赤玉を4個取り出し、9回目と10回目が赤となるとき、5回目から8回目まではすべて白なので、こうなる場合は1通りです。

以上から、4回目の取り出しを終えた時点で赤玉が2個以上取り出され、9回目と10回目に連続して赤玉が取り出される確率は\[ \frac{36+16+1}{210}=\frac{53}{210} \]です。なので、求める条件付き確率は\[ \frac{53}{210} \div \frac{37}{42}=\frac{53}{185} \]となります。

解答

トナニヌネ:53185

解答編 つづき

問題

(5) つぼからまず3個の玉を同時に取り出して、玉の色は確認せずに印をつけてつぼに戻したのち、改めて玉を1個ずつ10回続けて取り出す。一度取り出した玉はもとに戻さない。9回目と10回目に連続して印のついた赤玉が取り出される確率は $\dfrac{\myBox{ノ} }{\myBox{ハヒ} }$ である。

解説

印をつけてから玉を取り出すのは考えにくいので、「玉を取り出して並べた後、ランダムに3個を選んで印をつける」というように操作の順番を入れ替えることにしましょう。

取り出した玉を1列に並べるとします。例えば、次のようになっていたとしましょう。

 赤白赤赤白白赤白赤赤

この状態で、10個からランダムに3個選んだとき、9番目と10番目が選ばれる確率を考えます。選び方の総数は ${}_{10}\mathrm{C}_3=120$ 通りで、9番目と10番目が選ばれる選び方は全部で $8$ 通りです。なので、9番目と10番目が選ばれる確率は $\dfrac{8}{120}=\frac{1}{15}$ です。

玉を並べるのと玉に印をつけるのは独立な試行なので、9回目と10回目に連続して印のついた赤玉が取り出される確率は、「9回目と10回目が赤となる確率」と「9回目と10回目が印のついた玉となる確率」を掛けたものとなり、\[ \frac{1}{3}\cdot\frac{1}{15}=\frac{1}{45} \]となります。

解答

ノハヒ:145

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