センター試験 数学I・数学A 2020年度追試 第1問 [3] 解説
【必答問題】
問題編
問題
$a$ を $4$ 以上の定数とし、 $f(x)=(x-a)(x-4)+4$ とおく。
(1) 2次関数 $y=f(x)$ の最小値は $\dfrac{\myBox{トナ} }{\myBox{ニ} }a^2+\myBox{ヌ}a$ である。
(2) 2次関数 $y=f(x)$ の $a-2\leqq x\leqq a+2$ における最大値は $\myBox{ネ}a$ である。
また、2次関数 $y=f(x)$ の $a-2\leqq x\leqq a+2$ における最小値は $4\leqq a\leqq \myBox{ノ}$ のとき、 $\dfrac{\mybox{トナ} }{\mybox{ニ} }a^2+\mybox{ヌ}a$ であり、 $\mybox{ノ}\lt a$ のとき、 $\myBox{ハヒ}a+\myBox{フヘ}$ である。
考え方
$a$ の値によって、関数も動くし区間も動く、ということで、考えづらいです。ただ、頂点、区間の両端の位置関係さえつかめれば、後の計算はそれほど大変ではありません。
解答欄から答えがほぼわかってしまうので、問題としては少しいまいちかもしれません。
【必答問題】
解答編
問題
$a$ を $4$ 以上の定数とし、 $f(x)=(x-a)(x-4)+4$ とおく。
(1) 2次関数 $y=f(x)$ の最小値は $\dfrac{\myBox{トナ} }{\myBox{ニ} }a^2+\myBox{ヌ}a$ である。
解説
\begin{eqnarray} f(x) &=& (x-a)(x-4)+4 \\[5pt] &=& x^2-(a+4)x+4a+4 \\[5pt] &=& \left( x-\frac{a+4}{2} \right)^2 -\left(\frac{a+4}{2}\right)^2 +4a+4 \\[5pt] &=& \left( x-\frac{a+4}{2} \right)^2 -\frac{a^2+8a+16}{4} +4a+4 \\[5pt] &=& \left( x-\frac{a+4}{2} \right)^2 -\frac{a^2}{4}+2a \\[5pt] \end{eqnarray}なので、 $y=f(x)$ の最小値は $\dfrac{-1}{4}a^2+2a$ です。解答
トナニヌ:-142
解答編 つづき
問題
(2) 2次関数 $y=f(x)$ の $a-2\leqq x\leqq a+2$ における最大値は $\myBox{ネ}a$ である。
解説
(1)での計算から、この放物線の軸は $x=\dfrac{a+4}{2}$ です。
最大値は、区間の両端のうち、軸から遠い方を考えればいいので、軸からの距離を考えます。右端は
\begin{eqnarray}
& &
\left|a+2-\frac{a+4}{2} \right| \\[5pt]
&=&
\left|\frac{a}{2} \right| = \frac{a}{2}
\end{eqnarray}であり、左端と放物線との距離は
\begin{eqnarray}
& &
\left|a-2-\frac{a+4}{2} \right| \\[5pt]
&=&
\left|\frac{a}{2}-4 \right|
\end{eqnarray}です。これより、右端のほうが遠いことがわかるので、最大値は
\begin{eqnarray}
& &
f(a+2) \\[5pt]
&=&
(a+2-a)(a+2-4)+4 \\[5pt]
&=&
2(a-2)+4 \\[5pt]
&=&
2a
\end{eqnarray}と求められます。
もしくは、区間の両端での値を調べて比較してもいいです。左端での値は
\begin{eqnarray}
& &
f(a-2) \\[5pt]
&=&
(a-2-a)(a-2-4)+4 \\[5pt]
&=&
-2(a-6)+4 \\[5pt]
&=&
-2a+16
\end{eqnarray}です。右端での値から左端での値を引くと $2a-(-2a+16)=4a-16$ ですが、 $a$ は $4$ 以上なので、この値は $0$ 以上、つまり、右端での値が最大値であることがわかります。
解答
ネ:2
解答編 つづき
問題
また、2次関数 $y=f(x)$ の $a-2\leqq x\leqq a+2$ における最小値は $4\leqq a\leqq \myBox{ノ}$ のとき、 $\dfrac{\mybox{トナ} }{\mybox{ニ} }a^2+\mybox{ヌ}a$ であり、 $\mybox{ノ}\lt a$ のとき、 $\myBox{ハヒ}a+\myBox{フヘ}$ である。
解説
最小値が $-\dfrac{a^2}{4}+2a$ となるのは、頂点が区間に入っているとき、つまり、\[ a-2\leqq \dfrac{a+4}{2}\leqq a+2 \]のときです。左側の不等式を解くと $a\leqq 8$ です。右側の不等式を解くと $a\geqq 0$ ですが、今考えている範囲では $a\geqq 4$ です。
以上から、 $4\leqq a\leqq 8$ のときに、 $x=\dfrac{a+4}{2}$ で最小値 $-\dfrac{a^2}{4}+2a$ をとることがわかります。
$a\gt 8$ のときは、ここまでの計算を逆にたどっていくと、 $a-2\gt \dfrac{a+4}{2}$ になることがわかります。つまり、この場合は、\[ \frac{a+4}{2}\lt a-2 \lt a+2 \]が成り立ちます。よって、この場合、 $a-2\leqq x\leqq a+2$ における $y=f(x)$ の最小値は区間の左端でとることがわかり、その値は
\begin{eqnarray}
& &
f(a-2) \\[5pt]
&=&
(a-2-a)(a-2-4)+4 \\[5pt]
&=&
-2(a-6)+4 \\[5pt]
&=&
-2a+16
\end{eqnarray}と求められます。
解答
ノ:8
ハヒフヘ:-216