【標準】一次方程式の利用(整数)
ここでは、一次方程式を利用して解く問題を見ていきます。整数や自然数に関する問題を見ていきます。
整数や自然数に関する問題その1
数学の問題では、「連続する○個の数」といった言葉が出てくることがあります。これは、小さい方から順番に並べたときに、連続で並ぶ数字たちを指しています。例えば、「連続する3つの整数」であれば、「1, 2, 3」とか「16, 17, 18」とか「-2, -1, 0」などが該当します。このようなもののうち、3つの和が567になるものを求めればいいのですね。
わからないものは3つありますが、どれか1つを決めれば、残りの2つを決めることができます。例えば、3つの整数で、一番小さいものを $5$ としてみましょう。そうすれば、残りの2つは、これに1を足した $6$ と、さらに1を足した $7$ に決まります。このように、一番小さいものを決めれば、残りの2つの数は決まります。
そこで、3つのうち、一番小さい整数を $x$ としてみましょう。すると、残りの2つの整数は、 $x+1$ と $x+2$ になります。これらの和が567になることから、方程式を作ることができます。解答は次のようになります。
\begin{eqnarray} x+(x+1)+(x+2) &=& 567 \\[5pt] 3x+3 &=& 567 \\[5pt] x &=& (567-3)\div3 \\[5pt] &=& 188 \\[5pt] \end{eqnarray}となる。このことから、3つの整数は、188, 189, 190 となる。これは問題にあっている。
答:188, 189, 190
一番小さい整数が188と分かったので、残りは189と190になります。「3つの整数を求めなさい」となっているので、188だけを答えて終わり、としないようにしましょう。
また、「これは問題にあっている」というのは、ここでは、整数であるかどうかを確認しています。
整数や自然数に関する問題その2
数学の問題では、2桁の自然数や3桁の自然数というように、桁数が指定された数を考えることがあります。このような場合、【基本】文字を使った式で表そう(整数を表す場合)で見たように、それぞれの位の情報を使って、自然数を表すと考えやすくなります。
例えば、123という数を考えてみると、これは100が1個、10が2個、1が3個集まったものなので、\[ 100\times 1+10\times 2+1\times 3 \]と書けます。これにならって、百の位が $a$ 、十の位が $b$ 、一の位が $c$ となる3桁の自然数は\[ 100a+10b+c \]と表します。なお、数字のように $abc$ と並べて書いてしまうと、これは各位の積を表してしまうので、文字を並べて書いても「百の位が $a$ 、十の位が $b$ 、一の位が $c$ となる3桁の自然数」を表すことにはなりません。
さて、今の問題では、十の位が5で、各位の数を足すと16なのだから、一の位と百の位を足すと、11になることがわかります。一の位と百の位を入れ替えるということは、123を321にするような入れ替えを行うということですね。入れ替えによって495小さくなることを方程式で表して解けば、答えが求められます。解答は次のようになります。
\begin{eqnarray} \{100(11-x)+50+x\}-\{100x+50+(11-x)\} &=& 495 \\[5pt] (1150-99x)-(99x+61) &=& 495 \\[5pt] 1150-99x-99x-61 &=& 495 \\[5pt] -198x &=& 495-1089 \\[5pt] -198x &=& -594 \\[5pt] x &=& 3 \\[5pt] \end{eqnarray}となる。また、百の位は $11-3=8$ となる。よって、もとの自然数は、853である。これは問題にあっている。
答:853
2桁や3桁の自然数を文字で表す方法は、今後も出てくるので、できるようになっておきましょう。
ここでの「これは問題にあっている」は、3桁の自然数になっていること、それぞれの位がきちんと1桁におさまっていることを確認していることを表しています。
おわりに
ここでは、整数や自然数に関係する一次方程式の問題を見てきました。文字を使ってどのように整数や自然数を表すのか、理解しておきましょう。