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【基本】一次方程式の利用(食塩水の濃度)

ここでは、一次方程式を利用して解く問題を見ていきます。食塩水の濃度に関連する問題を見ていきます。

📘 目次

食塩水の濃度

食塩水の濃度に関連する一次方程式の問題を考える前に、濃度の求め方を振り返っておきましょう。

食塩水に対して、そこに含まれている食塩の割合を表すものが、食塩水の濃度です。「4%の食塩水150g」という例なら、「4%」が濃度を表しています。この食塩水に、どれだけの食塩が含まれているかは、「食塩水の重さ × 濃度」で求めることができます。\[ 150\times 0.04=6 \]なので、食塩は 6g であることがわかります。食塩水の重さから食塩の重さを引けば水の重さが出てきます。こうして、水 144g に食塩 6g を溶かした結果、「4%の食塩水150g」ができあがることがわかります。

80gの水に食塩20gを溶かしたとしましょう。このときの濃度を考えてみます。よくある間違いは、 $20\div 80$ とやってしまうものです。濃度は、「食塩水全体の中にどれだけ食塩を含んでいるか」を割合で表すものなので、水の重さではなく、食塩水の重さで割らないといけません。つまり、\[ 20\div(80+20)=0.2 \]と計算しします。 20% が正しい濃度です。

食塩水の濃度に関連する問題は、

 食塩水の重さ × 濃度 = 食塩の重さ

という関係を使って考えていきます。

食塩水を使った問題

例題
3%の食塩水に、10%の食塩水100gを加えたところ、5%の食塩水ができました。はじめ、3%の食塩水は何gありましたか。

食塩水に関する問題では、このように、複数の食塩水を混ぜることが多いです。このとき、濃度が違うものを混ぜた後にどのような濃度になるかは、濃度のまま考えていても解くことはできません。

例えば、ものすごく濃い液体とものすごく薄い液体を混ぜたとき、どれくらいの濃さの液体ができあがるかを考えてみるとわかるでしょう。濃い液体を多くすれば濃くなるし、薄い液体を多くすれば薄くなります。どれくらいの比率で2種類の液体を混ぜるかによって、できあがる液体の濃度は変わってきます。「混ぜたから足し算を使えばいい」というわけではありません。

濃度のままでは考えづらいですが、濃度には、次のような関係式があるのでしたね。

 食塩水の重さ × 濃度 = 食塩の重さ

これを用いて、食塩水の重さや食塩の重さに注目して考えましょう。これらは、混ぜたあとの結果がすぐにわかります。100gの食塩水と200gの食塩水を混ぜれば300gの食塩水ができるし、10gの食塩と20gの食塩を混ぜれば30gの食塩になります。濃度とは違って、これらはただの足し算で求められるので、こっちを使って考えていくといいでしょう。

今の場合、「10%の食塩水100gを加えた」となっています。ここに含まれている食塩の重さは、\[ 100\times 0.1=10 \]なので、10gとわかります。すぐにわかるのはこれだけです。3%の食塩水に10%の食塩水を混ぜたら、5%になったわけですが、3%の食塩水の重さと5%の食塩水の重さはわかりません。なので、これらに含まれる食塩の重さもわかりません。わからないものは4つもあります。

しかし、3%の食塩水の重さと5%の食塩水の重さとの関係はすぐにわかりますね。10%の食塩水を100g加えたのだから、3%の食塩水の重さに 100g を足したものが、5%の食塩水の重さです。また、食塩水の重さがわかれば、濃度を掛けて食塩の重さを表すことができます。

食塩水の重さ 食塩の重さ
3% $x$ g $0.03x$ g
10% $100$ g $10$ g
5% $(x+100)$ g $0.05(x+100)$g

3%の食塩水の重さを $x$ gと置けば、5%の食塩水の重さは $(x+100)$ gと表すことができます。そして、これらに濃度を掛けて、食塩の重さを $x$ の式で表すことができます。こうすれば、「混ぜる前の食塩の重さの和と、混ぜた後の食塩の重さは等しい」ことを方程式で表すことができますね。以上を踏まえて、解答は次のようになります。

解答
3%の食塩水の重さを $x$ gとすると、混ぜる前の食塩の重さの和は混ぜた後の食塩の重さに等しいので、
\begin{eqnarray} 0.03x+100\times 0.1 &=& 0.05(x+100) \\[5pt] 0.03x+10 &=& 0.05x+5 \\[5pt] 0.03x-0.05x &=& 5-10 \\[5pt] -0.02x &=& -5 \\[5pt] x &=& 250 \\[5pt] \end{eqnarray}となる。よって、3%に食塩水の重さは 250g となる。これは問題にあっている。
答え:250g

食塩水の重さも食塩の重さも、混ぜる前の和が混ぜた後と一致します。このことを利用して方程式を作ります。濃度自体を足し引きして計算することはできないので注意しましょう。

なお、後半に出てくる「これは問題にあっている」は、後に出てくる別ページで説明します。

おわりに

ここでは、食塩水の濃度に関連した一次方程式の問題を見てきました。食塩水の重さや食塩の重さと濃度の関係を間違えないようにしましょう。また、複数の食塩水を混ぜる場合は、濃度のままではなく、食塩水の重さや食塩の重さで考えるようにしましょう。

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