【標準】一次方程式の利用(食塩水の濃度)
ここでは、食塩水の濃度に関係する一次方程式を見ていきます。3つを混ぜる場合を見ていきます。
2つの食塩水と水を混ぜるその1
【基本】一次方程式の利用(食塩水の濃度)で見たように、食塩水の濃度の問題を考えるには、食塩水全体の重さや食塩の重さに着目するのでした。食塩水を混ぜた場合、食塩水の重さや食塩の重さは足し算で求められますが、濃度自体は足し算で求められないからです。どういう比率で混ぜるかによって濃度は変わるので、濃度のまま考えるのは難しいのでしたね。
まずは、食塩水の重さについて考えてみましょう。5%の食塩水の重さはわからないので、これを $x$ gとしておきましょう。これに、水60gと別の食塩水を250g混ぜるので、最終的にできる食塩水の重さは、\[ x+60+250 \]gであることがわかります。
次に、食塩の重さについて考えてみます。5%の食塩水 $x$ gに含まれる食塩の重さは、 $0.05x$ gです。60gの水には食塩は含まれていないので、8%の食塩水250gに含まれている食塩の重さだけ増えることがわかります。よって、食塩の重さは、全体で\[ 0.05x+0.08\times 250 \]gとなります。一方、これは、最終的にできあがる6%の食塩水に含まれている食塩の重さであるともいえます。この食塩水の重さは $(x+310)$ gなので、食塩の重さは\[ 0.06(x+310) \]gとなります。この2つが等しいことから方程式が作れます。以上を踏まえると、解答は次のようになります。
\begin{eqnarray} 0.05x+0.08\times 250 &=& 0.06 (x+60+250) \\[5pt] 5x+8\times 250 &=& 6 (x+310) \\[5pt] 5x+2000 &=& 6x+1860 \\[5pt] 6x-5x &=& 2000-1860 \\[5pt] x &=& 140 \\[5pt] \end{eqnarray}となる。よって、140gである。これは問題にあっている。
答:140g
1行目の式から2行目は、両辺を100倍しています。
2つの食塩水と水を混ぜるその2
今回も、食塩水の重さと食塩の重さについて考えていきます。
今回は、2つの食塩水がどれだけあるかはわかりません。しかし、完成後の食塩水の重さはわかっています。なので、2%の食塩水が $x$ gあるとすれば、6%の食塩水は $(500-30-x)$ gあることがわかります。
次に、食塩について考えます。2%の食塩水には $0.02x$ gの食塩が含まれています。6%の食塩水には、$0.06(500-30-x)$ gの食塩が含まれています。最終的にできあがる食塩水には、 $0.05\times 500$ g含まれいます。これらを組み合わせれば、方程式が作れますね。解答は次のようになります。
\begin{eqnarray} 0.02x+0.06(500-30-x) &=& 0.05\times 500 \\[5pt] 2x+6(470-x) &=& 5\times 500 \\[5pt] 2x+2820-6x &=& 2500 \\[5pt] -4x &=& 2500-2820 \\[5pt] x &=& -320\div(-4) \\[5pt] &=& 80 \\[5pt] \end{eqnarray}となる。よって、2%の食塩水を80gまぜればよい。これは問題にあっている。
答:80g
これも、1行目の式から2行目は、両辺を100倍しています。
おわりに
ここでは、食塩水の濃度に関する一次方程式の問題を見てきました。食塩水や水を混ぜる問題では、食塩水の量と食塩の量に着目して方程式を作ることを考えましょう。3つ以上の液体を混ぜるときも同様です。