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【標準】一次方程式の利用(平均)

ここでは、一次方程式を利用して解く問題を見ていきます。平均に関する問題を見ていきます。

📘 目次

平均に関する問題その1

例題1
あるクラスには、男女合わせて40人の生徒がいます。このクラスで数学のテストを行ったところ、男子の平均点は72点、女子の平均点は68点、クラス全体の平均点は70.1点でした。
このクラスの男子と女子の人数をそれぞれ求めなさい。

男子の平均が72点で、女子の平均が68点であっても、クラスの平均点は $\dfrac{72+68}{2}=70$ と出すわけではない点に注意しましょう。

例えば、男子の平均が100点で女子の平均が0点であり、男子はたくさんいるが女子は1人しかいないという状況を考えてみましょう。この状況で、クラスの平均点が50点になることはないですね。平均をそのまま足して2で割っても、意味のある数字は出てきません。

さて、まずは人数から考えましょう。男子と女子の人数が聞かれていますが、合計が40人だとわかっているので、片方の人数がわかれば残りもわかります。なので、男子の人数を $x$ 人としてみます。すると、女子の人数は $(40-x)$ 人と表すことができます。

次に、平均点がわかっていますが、ここからどうやって男子の人数につなげていけばいいか考えてみましょう。

平均点の出し方は、「点数の和 ÷ 人数」ですね。なので、男子の平均点が72点だということは、「男子の点数の和を、男子の人数 $x$ で割ったものが、72 になる」ということです。同様に考えれば、女子の平均点の情報から、「女子の点数の和を、女子の人数 $(40-x)$ で割ったものが、68 になる」ことがわかります。

また、クラス全体の平均点についても同様です。「クラス全員の点数の和を、人数である40で割れば、70.1 になる」ということです。

これらの中で、何か等しいものを見つけないと、方程式を作ることができません。何かを2通りで表す必要があります。2通りで表せるのは、何でしょうか。

答えは、点数の和の部分ですね。男子の点数の和と女子の点数の和を足せば、クラス全員の点数の和となります。また、例えば、男子の点数の和であれば、男子の平均点に男子の人数を掛ければ求めることができます。これらのことを利用すれば、方程式を作ることができます。

解答は次のようになります。

解答
男子の人数を $x$ 人とすると、女子の人数は $(40-x)$ 人となるので、
\begin{eqnarray} 72x+68(40-x) &=& 70.1\times 40 \\[5pt] 72x+2720-68x &=& 2804 \\[5pt] 4x &=& 2804-2720 \\[5pt] x &=& 84\div4 \\[5pt] &=& 21 \\[5pt] \end{eqnarray}となる。よって、男子の人数は $21$ 人で、女子の人数は $40-21=19$ 人となる。これは問題にあっている。
答:男子21人、女子19人

平均点は、和を人数で割ったものなので、平均点同士を足しても意味のある情報は得られません。しかし、点数の和であれば、グループAの和とグループBの和は、グループAとBの和になります。点数の和の形で考えることがポイントです。

平均に関する問題その2

例題2
あるクラスには、男子21人、女子19人の生徒がいます。男子の平均身長は女子の平均身長よりも 4cm高く、クラス全員の平均身長は 152.6cmでした。
このクラスの男子の平均身長を求めなさい。

男子の平均身長を $x$ cmとすると、女子の平均身長は $(x-4)$ cmです。

また、今回も、男子、女子、全員の平均の値がわかっています。こういう場合は、平均ではなく、和に変換して考えるようにします。それぞれの和を足したり引いたりすることに意味はありますが、平均値を足したり引いたりしてもあまり意味がないからです。

さて、男子の平均身長が $x$ cmなので、男子全員の身長を足し合わせれば、答えは $21x$ cmとなります。女子は $19(x-4)$ cmです。また、クラス全員では、 $152.6\times 40$ cmですね。さらに、男子の身長の和と女子の身長の和を足せば、クラス全員の身長を足し合わせたものになるので、方程式を作ることができますね。

以上から、解答は次のようになります。

解答
男子の平均身長を $x$ cmとすると、女子の平均身長は $(x-4)$ cmなので、
\begin{eqnarray} 21x+19(x-4) &=& 152.6\times 40 \\[5pt] 21x+19x-76 &=& 6104 \\[5pt] 40x &=& 6104+76 \\[5pt] x &=& 6180\div40 \\[5pt] &=& 154.5 \\[5pt] \end{eqnarray}となる。よって、男子の平均身長は、154.5cmとなる。これは問題にあっている。
答:154.5cm

平均から和に変換して、方程式を作って考えていきましょう。

おわりに

ここでは、平均に関する一次方程式の問題を見てきました。今まで平均が出てきた場面では、平均を求めるために、和を計算してから足した個数で割ってきました。ただ、ここで見たように、平均から和を計算して考えることもあるんですね。こうした考え方も身につけておきましょう。

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