【標準】垂線や二等分線の作図
ここでは、垂線や角の二等分線、垂直二等分線の作図を行う問題を見ていきます。
ある点に一番近い点
直接的に、「垂線や二等分線の作図」とは書かれていないので、まずは、どういう点をかけばいいのかを考えましょう。どのように作図するかは置いておいて、作図できたとしたらどうなるかを考えます。満たすべき条件もかき加えれば、次のようになります。
点 A を通る、直線 $\ell$ に垂直な線をひいて、直線 $\ell$ との交点を作図すればいいことがわかります。【基本】垂線の作図(直線上にない点を通る)その2などを参考にして、次のように作図します。
「垂線」とは書いていませんが、「垂線」の作図が必要です。
2点から等距離にある点
これも、完成図から考えます。満たすべき条件もかき加えれば、次のようになります。
線分 AP, BP は同じ長さなので、点 P は辺 AB の垂直二等分線上にあることがわかります。垂直二等分線で折ると、 AP, BP がぴったりと重なるからです。
【基本】垂線二等分線の作図の後半と同じような問題です。このリンク先で見たように、辺 AB の垂直二等分線をかき、辺 AC と交わった点が、点 P となります。
「2つの点からの距離が等しい点の集まり」を「垂直二等分線」に言い換えることが必要です。
2つの線分からの距離が等しい点
このとき、辺 BC 上に点 P をとると、三角形 BDP, 三角形 CEP の面積が等しくなりました。点 P を作図しなさい。
三角形 BDP, 三角形 CEP の面積が等しく、 BD, CE の長さが等しいので、これらを底辺として考えると、高さが等しくなることがわかります。つまり、点 P は次のようになっていることがわかります。
高さが等しいということは、辺 AB, AC からの距離が等しいということです。そのため、 AP で折り返すと、高さを表している線分はぴったりと重なります。このことから、点 P は、 $\angle \mathrm{ A }$ の二等分線上にあることがわかります。
点 P を作図するには、 $\angle \mathrm{ A }$ の二等分線をかいて、辺 BC との交点を作ればいいことがわかります。【基本】角の二等分線の作図で見た方法にしたがって作図します。
「面積と底辺が等しいから高さが等しい」→「2つの底辺からの距離が等しい」→「角の二等分線」と順番に言い換えていくことで、何を作図すればいいかを考えていきます。
この問題は、【基本】点と直線との距離と作図とほとんどものを作図していますが、こちらのほうが、作図にいたるまでの考え方は難しいです。
おわりに
ここでは、垂線や二等分線の作図をする問題を見ました。「垂線や二等分線を作図しなさい」とは明記されていませんが、これらを作図することが答えとなるものを見てきました。何を作図すればいいのか、完成図から考えたり、言いかえを使ったりして考えていきましょう。