【標準】複素数平面と円に内接する四角形

ここでは、複素数平面上で、四角形が円に内接することを示す問題を見ていきます。

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複素数平面と円に内接する四角形

例題
複素数平面上に4点 $\mathrm{ A }(-2-4i)$, $\mathrm{ B }(-4)$, $\mathrm{ C }(2+8i)$, $\mathrm{ D }(10+2i)$ がある。このとき、四角形 ABCD が円に内接することを示しなさい。

図は、次のようになっています。

四角形が円に内接することを示す方法はいくつかあります。4点を通る円の方程式を求める、としてもいいでしょう。 A, B, C を通る円を求めて、D もその円の上にある、という示し方ですね。

ただ、ここでは、複素数平面で角度を求めることで示すことにしましょう。【基本】複素数平面と2直線のなす角で見たように、 $\angle \mathrm{ BAC }$ は、次のようにして求めることができます。\[ \arg\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} \]これを使えば、角度に関する情報が得られます。また、円に内接することを示すには、円周角の定理の逆、つまり、 $\angle \mathrm{ ABD }=\angle \mathrm{ ACD }$ などを示せばいいですね。この方針で考えていきましょう。

$\angle \mathrm{ ABD }$ を求めるには、次の複素数の偏角を考えればいいですね。\[ \frac{(10+2i)-(-4)}{(-2-4i)-(-4)} \]対応に注意しましょう。今の場合、 B を中心とした回転を考えることになるので、分母も分子も $-(-4)$ が登場しています。

この式を計算していくと
\begin{eqnarray}
& &
\frac{(10+2i)-(-4)}{(-2-4i)-(-4)} \\[5pt] &=&
\frac{(14+2i)(2+4i)}{(2-4i)(2+4i)} \\[5pt] &=&
\frac{(28-8)+(56+4)i}{20} \\[5pt] &=&
1+3i \\[5pt] &=&
\sqrt{10} \left(\frac{1}{\sqrt{10}}+\frac{3}{\sqrt{10}}i\right) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。最後は、極形式の形にしています。これより、 $\angle \mathrm{ ABD }=\theta$ とすると、 $\theta$ は、 $\cos\theta=\dfrac{1}{\sqrt{10}}$, $\sin\theta=\dfrac{3}{\sqrt{10}}$ を満たす角度だ、ということがわかります。

同様にして、次は、 $\angle \mathrm{ ACD }$ も求めてみましょう。今回は、次の複素数を考えればいいですね。\[ \frac{(10+2i)-(2+8i)}{(-2-4i)-(2+8i)} \]今回は、 C を中止とした回転なので、 $-(2+8i)$ が登場しています。予想では、これも $\theta$ になるはずですね。実際に確かめてみましょう。
\begin{eqnarray}
& &
\frac{(10+2i)-(2+8i)}{(-2-4i)-(2+8i)} \\[5pt] &=&
\frac{(8-6i)(-4+12i)}{(-4-12i)(-4+12i)} \\[5pt] &=&
\frac{(-32+72)+(96+24)i}{160} \\[5pt] &=&
\frac{1+3i}{4} \\[5pt] &=&
\frac{\sqrt{10}}{4} \left(\frac{1}{\sqrt{10}}+\frac{3}{\sqrt{10}}i\right) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。最後の極形式の形から、偏角が同じ、つまり、 $\angle \mathrm{ ACD }$ は $\angle \mathrm{ ABD }$ と等しいことがわかりますね。

よって、円周角の定理の逆から、四角形 ABCD が円に内接することがわかりました。

もちろん、他の角で確かめても構いません。例えば、 $\mathrm{ \angle ACB=\angle ADB }$ を示すという方法もあります。この方針でも、偏角が同じことをいえばOKです。

計算結果を見てもわかる通り、偏角があらわれる、 $\dfrac{1}{\sqrt{10}}+\dfrac{3}{\sqrt{10}}i$ の部分が共通していました。偏角が同じになることを示すのだから、次の値について考える、という方針もあります。\[ \frac{(10+2i)-(-4)}{(-2-4i)-(-4)} \div \frac{(10+2i)-(2+8i)}{(-2-4i)-(2+8i)} \]もし、 $\angle \mathrm{ ABD }=\angle \mathrm{ ACD }$ が成り立つなら、上の式は、偏角の部分が約分され、最終的に正の実数になるはずです。絶対値同士の商になるからですね。思いつけば、このようにまとめて計算し、正の実数になることを確認する方法もあります。

おわりに

ここでは、複素数平面上で、四角形が円に内接することを示す問題を見てきました。偏角に関する情報が得られるので、これと円周角の定理の逆から示すことができました。後半で見たように、慣れてくれば、まとめて計算してしまってもいいでしょう。