【応用】複素数平面と三角形の形状

ここでは、複素数平面上で、条件式が表す三角形の形状を求める問題を見ていきます。条件式の変形の仕方などが少し難しい問題です。

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複素数平面と三角形の形状

例題
複素数平面上の異なる3点 $\mathrm{A}(\alpha)$, $\mathrm{B}(\beta)$, $\mathrm{C}(\gamma)$ が次の式を満たすとき、三角形 $\mathrm{ABC}$ はどのような三角形か、答えなさい。\[ (\alpha-\beta)^2+(\beta-\gamma)^2+(\gamma-\alpha)^2=0 \]

【標準】複素数平面と三角形の形状と似たような式ですが、少し複雑になっていますね。ただ、考えるべきことは同じです。点 $\mathrm{A}$ を中心にして、点 $\mathrm{B}$ をどのように拡大・縮小・回転すれば点 $\mathrm{C}$ にうつるか、を考えます。そのためには、\[ \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} \]を考えればいいですね。問題によって、どの点を中心として考えるかは異なりますが、今の場合は対称性があるので、点 $\mathrm{A}$ を中心とする方向で考えていきましょう。

さて、まずは、 $(\beta-\alpha)^2$ で条件式を割ってみましょう。\[ 1+\left(\frac{\beta-\gamma}{\beta-\alpha}\right)^2+\left(\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\right)^2=0 \]左辺の1項目は、 $1$ であり、これは特に問題はありません。3項目の出てきている分数は、今調べたいものを2乗したものなので、これも問題はなさそうです。問題は、2項目です。2項目は、このままだと、 $\mathrm{B}$ を中心とした移動を表すことになります。この式を変形して、 $\mathrm{A}$ を中心とした移動を表すようにする必要があります。

分母は問題ないので、分子を無理やり変形しましょう。分子の $\gamma$ の部分から、 $\gamma-\alpha$ が出てくるように、2項目を次のように変形していきます。

\begin{eqnarray}
& & \left(\frac{\beta-\gamma}{\beta-\alpha}\right)^2 \\[5pt] &=& \left\{\frac{(\beta-\alpha)-(\gamma-\alpha)}{\beta-\alpha}\right\}^2 \\[5pt] &=& \left(1-\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\right)^2 \\[5pt] &=& 1-2\cdot\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}+\left(\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\right)^2 \\[5pt] \end{eqnarray}このように変形できます。これで、 $\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}$ だけを含んだ式が出来上がりました。$z=\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}$ とおいて条件式を書き直し、変形していくと、次のようになります。
\begin{eqnarray}
1+(1-2z+z^2)+z^2 &=& 0 \\[5pt] z^2-z+1 &=& 0 \\[5pt] z &=& \frac{1\pm\sqrt{3}i}{2} \\[5pt] \end{eqnarray}$z$ を元に戻し、右辺を極形式で表すと、次のようになります。\[ \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha} = \cos\left(\pm\frac{\pi}{3}\right)+i\sin\left(\pm\frac{\pi}{3}\right) \]ただし、複号同順とします。

右辺の絶対値は $1$ で、偏角が $\pm\dfrac{\pi}{3}$ であることから、点 $\mathrm{A}$ を中心に、点 $\mathrm{B}$ を、時計回り、または、反時計回りに $\dfrac{\pi}{3}$ だけ回転すると点 $\mathrm{C}$ になることから、三角形 $\mathrm{ABC}$ は正三角形であることがわかります。

おわりに

ここでは、複素数平面上で、条件式が表す三角形の形状を求める問題を見ました。【リンク】と同じ方針で解く問題ですが、 $\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}$ が出てくるように条件式を変形する点、値を求めるために二次方程式を解かないといけない点が少し難しいですね。何を求めればいいか、はっきりとした方針がないと、なかなか最後まで計算するのは難しいでしょう。