【基本】一次方程式の利用(和を使う)
ここでは、一次方程式を利用して解く問題を見ていきます。わからないものが2つあるが、その和はわかっている、という問題を扱います。
和がわかっている問題その1
【基本】一次方程式の利用(差を利用)で見た問題と同じく、この問題でもわからないものが2つあります。長い方のひもの長さと短い方のひもの長さです。ただ、合計の数がわかっているので、片方がわかれば残りもわかります。そのため、実質的には、わからないものは1つだと考えられます。
リンク先と同じように、どちらかを文字で表して方程式を作ってみましょう。ここでは、長い方のひもの長さを $x$ cmとしましょう。このとき、短い方のひもの長さは $(200-x)$ cmとなることがわかります。分ける前の長さが 2m なので、単位を cm に揃えています。単位をそろえないといけない点に注意しましょう。
こうして、もう一つの手がかり「長い方のひもが短い方のひもより10cm長い」という内容を方程式で表しましょう。\[ x-(200-x)=10 \]これを解けば、長い方のひもの長さがわかり、その後で短い方もわかります。解答全体は、次のようになります。
\begin{eqnarray} x-(200-x) &=& 10 \\[5pt] x-200+x &=& 10 \\[5pt] 2x &=& 10+200 \\[5pt] x &=& 210\div2 \\[5pt] &=& 105 \\[5pt] \end{eqnarray}となる。よって、長い方のひもの長さは、105cm である。短い方のひもの長さは、 $200-105=95$ なので、95cm である。これは問題にあっている。
答:長いひも 105cm、短いひも 95 cm
長い方のひもの長さを $x$ cmとしたあと、短い方のひもを $(x-10)$ cmとして、次のような方程式を作ることも可能です。\[ x+(x-10)=200 \]また、短い方のひもの長さを $x$ cmとして考えることもできます。いずれにしても、同じ答えにたどりつけます。なお、後半に出てくる「これは問題にあっている」は、後に出てくる別ページで説明します。
和がわかっている問題その2
この問題でもわからないものが2つあります。みかんの個数とりんごの個数です。ただ、合計の数がわかっているので、片方がわかれば残りもわかります。どちらかの個数を文字で置いて、方程式を作って解いてみましょう。
どちらを文字で表してもいいのですが、ここでは、みかんの個数を $x$ 個としましょう。このとき、りんごの個数は、 $(12-x)$ 個となることがわかります。なので、次のようにして、「購入代金の合計が1200円」という内容を方程式で表すことができます。\[ 90x+120(12-x)=1200 \]これを解けば、みかんの個数がわかり、その後で、リンゴの個数もわかります。解答全体は、次のようになります。
\begin{eqnarray} 90x+120(12-x) &=& 1200 \\[5pt] 90x+1440-120x &=& 1200 \\[5pt] -30x &=& 1200-1440 \\[5pt] x &=& -240\div(-30) \\[5pt] &=& 8 \\[5pt] \end{eqnarray}となる。よって、みかんの個数は8個である。りんごの個数は、 $12-8=4$ なので、4個である。これは問題にあっている。
答:みかん8個、りんご4個
りんごを $x$ 個とおいて解くことも可能です。どちらを $x$ にしてもかまいません。
おわりに
ここでは、わからないものが2つあるが、和がわかっている状況で、一次方程式を利用する問題を見ました。わからないものが2つあっても、和がわかっているのだから、片方を $x$ とすれば、もう片方も $x$ を使った式で表すことができます。このことを利用して、方程式を作るようにしましょう。