【基本】一次式と不定積分

ここでは、一次式 $ax+b$ が絡んだ関数の不定積分について考えていきます。なお、 $C$ は積分定数です。

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一次式と不定積分(具体例)

例題
次の不定積分を求めなさい。\[ \int (2x-3)^4 dx \]

もちろん、展開してから、各項の積分を計算してもいいのですが、さすがにめんどくさいです。

今、積分について聞かれていますが、まず、微分について考えてみましょう。この被積分関数 $(2x-3)^4$ を微分すればどうなるでしょうか。これは、【基本】合成関数の微分【基本】合成関数の微分の計算などで見たように、合成関数の微分だと思って計算すればいいんですね。\[ y=t^4,\ t=2x-3 \]とおいて、まずは、 $y$ を $t$ で微分し、次に $t$ を $x$ で微分したものを掛けます。結果は
\begin{eqnarray}
\left\{(2x-3)^4\right\}’
&=&
4(2x-3)^3\times (2x-3)’ \\[5pt] &=&
8(2x-3)^3
\end{eqnarray}となります。

この結果と、【基本】xのp乗の不定積分の結果を比較すれば、まず、微分した結果が $(2x-3)^4$ と関数は、 $(2x-3)^5$ が絡んでいることが予想できます。ただ、これをそのまま微分すると、指数の $5$ と「 $(2x-3)$ を微分した結果」である $2$ が出てきてしまうので、これらで割らないといけないですね。そのため、積分した結果は\[ \int (2x-3)^4 dx=\frac{(2x-3)^5}{10}+C \]となります。右辺を微分すれば正しいことが確かめられます。

展開して計算するよりだいぶ楽ですね。

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一次式と不定積分

上の問題では、 $2x-3$ の部分が $t$ などに置き換えられれば、すでに知っている不定積分の式が使える、という状況でした。このようなケースは、今後よく出てきます。例えば、\[ \int \sin 2x dx,\ \int e^{3x-1}dx\]などです。これらは、 $2x$ や $3x-1$ の部分が別の文字だったら、不定積分の結果が求められますね。

$f(x)$ について、 $F'(x)=f(x)$ が分かっていたとしましょう。 $F(x)$ は不定積分です。このとき、 $f(ax+b)$ の不定積分を求めてみましょう( $a\ne 0$ とします)。単純に $F(ax+b)$ を考えてみると
\begin{eqnarray}
F'(ax+b)
&=&
f(ax+b) \cdot (ax+b)’ \\[5pt] &=&
af(ax+b) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。このことから、 $f(ax+b)$ の不定積分、つまり、微分して $f(ax+b)$ となるものは、\[ \dfrac{1}{a}F(ax+b)+C \]となることがわかります。

具体的に計算してみましょう。 $\sin 2x$ の不定積分を考えてみましょう。もし $2x$ の部分が $t$ だったら、 $-\cos t +C$ となるでしょう。しかし、実際には $2x$ であり、 $(2x)’=2$ 倍だけズレてしまうことになります。よって、このズレを補正して\[ \int \sin 2x dx=-\dfrac{\cos 2x}{2}+C \]となります。合成関数の微分で掛けていたものを、積分では割ることになるわけですね。

$e^{3x-1}$ の場合も考えます。もし $e^{3x-1}$ ではなく $e^t$ だったら、不定積分は $e^t+C$ です。しかし実際には $3x-1$ であり、 $(3x-1)’=3$ 倍だけズレてしまうので、これで割って、\[ \int e^{3x-1} dx=\dfrac{e^{3x-1}}{3}+C \]となることがわかります。

一次式と不定積分
$a\ne 0$, $F'(x)=f(x)$ のとき、次が成り立つ。\[ \int f(ax+b)dx=\frac{1}{a}F(ax+b)+C \]

これは、将来学ぶ、置換積分の1つで、最もシンプルなものです。右辺を微分すれば確かめられる上、冒頭で見た例題のように、展開せずに計算できるようにもなるので、これを単独で理解しておくのもいいでしょう。

おわりに

ここでは、一次式とある関数とを合成した関数の不定積分について考えていきました。微分したときに出てくる余分なもので割れば、不定積分が求められますね。