【基本】三角関数・指数関数の不定積分

ここでは、三角関数や指数関数の不定積分について見ていきます。なお、このページでは $C$ は積分定数を表します。

【広告】

三角関数の不定積分

三角関数の微分を復習しながら、三角関数の不定積分を考えてみましょう。

【基本】三角関数の微分で見たように、
\begin{eqnarray}
(\sin x)’ &=& \cos x \\[5pt] (\cos x)’ &=& -\sin x \\[5pt] (\tan x)’ &=& \frac{1}{\cos^2 x} \\[5pt] \end{eqnarray}なので、右辺の不定積分は、左辺の微分する前の関数に積分定数を加えたものになります。

三角関数の不定積分
\begin{eqnarray}
& & \int \sin x dx = -\cos x +C \\[5pt] & & \int \cos x dx = \sin x +C \\[5pt] & & \int \frac{1}{\cos^2 x} dx = \tan x +C \\[5pt] \end{eqnarray}

1つ目の式は $\cos x$ の微分、2つ目の式は $\sin x$ の微分の式から導かれます。符号が紛らわしいので注意しましょう。 $\cos x$ を微分したとき、 $\sin x$ を積分したときに、マイナスが必要となります。

この3つの式を見て、「 $\tan x$ の積分は?」と思う人もいるでしょう。実は、 $\tan x$ は少し特殊で、もっと後にならないと出てきません。微分して $\tan x$ になる関数を求めようとしても、なかなか見つけられません。見つけられなければ、それ以上計算できない(もしくは計算するのが難しい)点が、微分の計算とは大きく異なる部分です。

不定積分は、「微分するとその関数になるもの」であり、そのような関数がいつも具体的に求められるとは限りません。また、求められる場合でも、シンプルかどうかはわからないし、「このときはこうすればいい」という決まった方針もありません。なので、積分は、基本的な公式や手法をもとに、試行錯誤しながら計算していくことになります。

上で見た3つ目の式に関連して、 $\dfrac{1}{\tan x}$ の微分を利用した式が使われることもあります。この微分の結果は
\begin{eqnarray}
\left(\frac{\cos x}{\sin x}\right)’
&=&
\frac{-\sin x\sin x-\cos x\cos x}{\sin^2 x} \\[5pt] &=&
-\frac{1}{\sin^2 x} \\[5pt] \end{eqnarray}なので、
\begin{eqnarray}
\int \frac{1}{\sin^2 x} dx &=& -\frac{1}{\tan x} +C
\end{eqnarray}が成り立ちます。上の3つと比べると登場頻度は少なめですが、教科書ではこれも公式として紹介されていることがあります。

【広告】

指数関数の不定積分

【基本】指数関数の微分で見たように、 $e^x$ は、微分しても $e^x$ なので、 $e^x$ の不定積分は\[ e^x+C \]となります。

底が $e$ でないときは、定数が出てくるのでした。 $a^x$ を微分すると $a^x\log a$ となるので、不定積分は $\log a$ で割って、\[ \dfrac{a^x}{\log a}+C \]となります。

指数関数の不定積分
\begin{eqnarray}
& & \int e^x dx=e^x +C \\[5pt] & & \int a^x dx=\frac{a^x}{\log a} +C \\[5pt] \end{eqnarray}

ちなみに、 $\log x$ の不定積分はまだ出てきません。微分して $\log x$ となる関数を見つけようとしても、なかなか見つけられないでしょう。答えだけを先に書いてしまうと、 $\log x$ の不定積分は\[ x\log x -x+C \]です。微分すると、たしかに $\log x$ となることがわかりますが、どうやってこれを見つけたのでしょうか。その答えは、今後、部分積分というのを学ぶときに知ることになります。

おわりに

ここでは、三角関数と指数関数の不定積分について見てきました。また、関連する $\tan x$ や $\log x$ といったシンプルな関数でも、簡単に被積分関数が求められないケースがあることも見ました。まだ、微分してすぐに確かめられるものばかりなので、符号などに注意して計算するようにしましょう。