【基本】定積分の置換積分の基本的な計算

ここでは、定積分で置換積分を使う計算例を見ていきます。

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定積分の置換積分の計算その1

例題1
次の定積分を計算しなさい。\[ \int_0^1 (2x+1)^2 dx \]

この問題は、置換積分を使わなくても、直接展開して計算することができます。まずは、そのまま計算してみましょう。
\begin{eqnarray}
& &
\int_0^1 (2x+1)^2 dx \\[5pt] &=&
\int_0^1 (4x^2+4x+1) dx \\[5pt] &=&
\left[ \frac{4}{3}x^3+2x^2+x \right]_0^1 \\[5pt] &=&
\frac{4}{3}+2+1 \\[5pt] &=&
\frac{13}{3} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

もちろんこれでもいいのですが、置換積分を用いると、被積分関数はもっとスッキリとします。今の場合、 $t=2x+1$ と置いて考えてみましょう。【基本】定積分の置換積分で見たように、 $dx$ の変換と積分区間の変換を行います。

まず、 $x=\dfrac{t-1}{2}$ なので、 $dx$ は $\dfrac{1}{2}dt$ に置き換えればいいですね。また、積分区間は、 $x=0,1$ を $t=2x+1$ に代入して
\begin{array}{c|ccc}
x & 0 & \cdots & 1 \\
\hline
t & 1 & \cdots & 3 \\
\end{array}と対応することがわかります。置換積分を行う場合は、この対応表も書いておくとわかりやすくなります。

以上を踏まえて、置換積分を行うと
\begin{eqnarray}
& &
\int_0^1 (2x+1)^2 dx \\[5pt] &=&
\int_1^3 t^2 \cdot \frac{1}{2}dt \\[5pt] &=&
\frac{1}{2} \left[ \frac{1}{3}t^3 \right]_1^3 \\[5pt] &=&
\frac{1}{2} \cdot \frac{3^3-1^3}{3} \\[5pt] &=&
\frac{13}{3} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。先ほどと同じ答えになりましたね。

ここで、一つ、定積分と不定積分との違いに注目しましょう。

不定積分の場合は、置換積分を行った後、変数を元に戻していました。例えば、\[ \int (2x+1)^2 dx \]に対して、 $2x+1=t$ とおいて、先ほどと同じように置換積分をすると\[ \frac{t^3}{6}+C \]となります( $C$ は積分定数)が、これで終わりではなく、 $x$ の式に戻して\[ \frac{(2x+1)^3}{6}+C \]と変形して答えにしました。問題文に $t$ などという文字はないので、これを残したまま答えるのではなく、もとの積分変数 $x$ の式にしたわけです。

一方で、定積分の場合は、 $2x+1=t$ とおいて $t$ についての不定積分を求めた後は、 $t$ の積分区間を用いて定積分が求められました。最後に $x$ の式に戻す必要はないんですね。

不定積分の場合は、別の文字で置いたとしても、最終的に元の文字の式に戻します。定積分の場合は、その必要はありません。なので、定積分の方が、別の文字で置くときの自由度が高いんですね。そのため、不定積分は求められない(または、求めるのがすごく難しい)けど、定積分は求められる、といったようなことも今後起きてきます。

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定積分の置換積分の計算その2

例題2
次の定積分を計算しなさい。\[ \int_1^2 x\sqrt{2-x}dx \]

先ほどの例題とは異なり、この例題のようになると、そのまま計算することができません。これは、置換積分を使うしかないですね。

$t=\sqrt{2-x}$ と置いてみましょう。このとき、 $2-x=t^2$ だから、 $x=2-t^2$ ですね。なので、 $dx$ を $-2t dt$ に置き換えればいいですね。

被積分関数は、\[ x\sqrt{2-x}=(2-t^2)t \]となります。積分区間は、
\begin{array}{c|ccc}
x & 1 & \cdots & 2 \\
\hline
t & 1 & \cdots & 0 \\
\end{array}となります。

これらを踏まえて置換積分を行うと
\begin{eqnarray}
& &
\int_1^2 x\sqrt{2-x}dx \\[5pt] &=&
\int_1^0 (2-t^2)t\cdot (-2t)dt \\[5pt] &=&
\int_1^0 (2t^4-4t^2)dt \\[5pt] &=&
\left[ \frac{2}{5}t^5-\frac{4}{3}t^3 \right]_1^0 \\[5pt] &=&
-\frac{2}{5}+\frac{4}{3} \\[5pt] &=&
\frac{14}{15} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これが答えです。

途中に出てくる計算で、\[ \int_1^0 (2t^4-4t^2)dt \]というのが出てきますが、積分区間の下の方が大きいというのは、少し違和感があります(間違いではないですが)。これは、積分区間の両端を入れ替えて計算した方がいいでしょう。積分区間を入れ替えると、積分の値は $-1$ 倍される(参考:【基本】定積分の復習)ので、\[ \int_0^1 (-2t^4+4t^2)dt \]と変形できます。こちらの方が、計算しやすいと思います。

おわりに

ここでは、定積分で置換積分を使った基本的な計算方法について見てきました。不定積分のときとは異なり、もとの変数に戻さずに計算できる点に注意しましょう。

また、積分の計算では、いろいろな計算方法をマスターしていく必要があるので大変ですが、分数の計算も地味に大変です。せっかく、置換積分ができているのに、分数の計算が間違ってしまうのはもったいないです。分数の計算間違いにも注意しましょう。