【基本】複素数の復習
ここでは、複素数平面について学んでいく前に、複素数について復習していきます。
複素数
【基本】複素数でも見た通り、「2乗して $-1$ になる数」という新しい数を導入し、それを $i$ で表します。 $i$ を虚数単位といいます。どうしてこのような数を考えるのかは、【導入】複素数を考える意味についてに書いています。リンク先では、「こういう意味があるんだけど、すぐには実感できない」という書き方をしましたが、複素数平面を学んでいくと、複素数を考えることの重要性がだんだんわかってくると思います。
さて、2つの実数 $a,b$ を使って $a+bi$ で表される数を、複素数といいます。 $a$ のことを実部、 $b$ のことを虚部といいます。また、複素数のうち、虚部が0でないもの( $b\ne 0$ のとき)を虚数といい、さらに実部が0のもの( $a=0$ のとき)を純虚数といいます。
$a,b,c,d$ が実数のとき、 $a+bi=c+di$ というのは、 $a=c$, $b=d$ であることと同値です。特に、 $a+bi=0$ と $a=b=0$ は同値となります。
複素数の四則演算
【基本】複素数の四則演算で見た内容ですが、複素数の四則演算も復習しておきましょう。
複素数の足し算・引き算は、実部同士・虚部同士を計算します。
\begin{eqnarray}
(2+i)+(-1+3i) &=& 1+4i \\[5pt]
(2+i)-(-1+3i) &=& 3-2i \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。 $i$ を文字だと思って計算すればOKです。
掛け算も、基本的には $i$ を文字だと思って計算すればいいのですが、 $i^2=-1$ と変形する点だけ注意が必要です。
\begin{eqnarray}
i(2+i)=2i+i^2=-1+2i
\end{eqnarray}となります。
割り算の前に、共役複素数の話をしましょう。$a+bi$ に対して $a-bi$ のことを共役複素数といい、 $\overline{a+bi}$ で表します。この2つの積は、次のように計算できます。
\begin{eqnarray}
(a+bi)(a-bi)=a^2-b^2i^2=a^2+b^2
\end{eqnarray}複素数とその共役複素数の積は、実部・虚部の2乗の和となります。
割り算は、この性質を用いて計算します。\[ \dfrac{i}{2+i} \]であれば、分母にある $i$ を消すために、分母の共役複素数 $(2-i)$ を、分母・分子に掛けます。こうすると、以下のようになって、うまい具合に分母から $i$ が消えます。
\begin{eqnarray}
\dfrac{i}{2+i}
&=&
\dfrac{i(2-i)}{(2+i)(2-i)} \\[5pt]
&=&
\dfrac{2i-i^2}{4-i^2} \\[5pt]
&=&
\dfrac{1+2i}{5} \\[5pt]
\end{eqnarray}分母にルートがあるときの有理化と似たような計算ですね。
分母に複素数があるときは、分母・分子に、分母の共役複素数を掛けて計算します。
また、2つの複素数の積が0であれば、どちらかの複素数が0である、ということも成り立ちます。
おわりに
ここでは、複素数について復習をしました。計算方法だけでなく、用語についても、何を表しているか思い出しておきましょう。複素数平面を学んでいくときには、これらの計算や用語が何度も出てきます。