共通テスト 数学I・数学A 2021年度追試 第2問 [1] 解説
【必答問題】
問題編
問題
花子さんと太郎さんのクラスでは、文化祭でたこ焼き店を出店することになった。二人は1皿あたりの価格をいくらにするかを検討している。次の表は、過去の文化祭でのたこ焼き店の売り上げデータから、1皿あたりの価格と売り上げ数の関係をまとめたものである。
1皿あたりの価格(円) 200 250 300 売り上げ数(皿) 200 150 100 (1) まず、二人は、上の表から、1皿あたりの価格が50円上がると売り上げ数が50皿減ると考えて、売り上げ数が1皿あたりの価格の1次関数で表されると仮定した。このとき、1皿あたりの価格を $x$ 円とおくと、売り上げ数は\[ \myBox{アイウ}-x\quad\cdots① \]と表される。
(2) 次に、二人は、利益の求め方について考えた。
- 利益は、売り上げ金額から必要な経費を引けば求められるよ。
- 売り上げ金額は、1皿あたりの価格と売り上げ数の積で求まるね。
- 必要な経費は、たこ焼き用器具の貸借料と材料費の合計だね。材料費は、売り上げ数と1皿あたりの材料費の積になるね。
二人は、次の三つの条件のもとで、1皿あたりの価格 $x$ を用いて利益を表すことにした。
(条件1)1皿あたりの価格が $x$ 円のときの売り上げ数として①を用いる。
(条件2)材料は、①により得られる売り上げ数に必要な分量だけ仕入れる。
(条件3)1皿あたりの材料費は 160円である。たこ焼き用器具の貸借料は 6000円である。材料費とたこ焼き用器具の貸借料以外の経費はない。
利益を $y$ 円とおく。 $y$ を $x$ の式で表すと\[ y=-x^2+\myBox{エオカ}x-\myBox{キ}\times 10000 \quad\cdots② \]である。
(3) 太郎さんは利益を最大にしたいと考えた。②を用いて考えると、利益が最大になるのは1皿あたりの価格が $\myBox{クケコ}$ 円のときであり、そのときの利益は $\myBox{サシスセ}$ 円である。
(4) 花子さんは、利益を 7500円以上となるようにしつつ、できるだけ安い価格で提供したいと考えた。②を用いて考えると、利益が 7500円以上となる1皿あたりの価格のうち、最も安い価格は $\myBox{ソタチ}$ 円となる。
考え方
問題文を読んで、二次関数を作って解いていく問題です。共通テストの試行問題にも似た問題がありました。
問題文をよく読んで、本質的でないところでミスしないようにしましょう。計算量は多くないですが、最後の因数分解は数が大きいので少しやりづらいかもしれません。
解答編
問題
花子さんと太郎さんのクラスでは、文化祭でたこ焼き店を出店することになった。二人は1皿あたりの価格をいくらにするかを検討している。次の表は、過去の文化祭でのたこ焼き店の売り上げデータから、1皿あたりの価格と売り上げ数の関係をまとめたものである。
1皿あたりの価格(円) 200 250 300 売り上げ数(皿) 200 150 100 (1) まず、二人は、上の表から、1皿あたりの価格が50円上がると売り上げ数が50皿減ると考えて、売り上げ数が1皿あたりの価格の1次関数で表されると仮定した。このとき、1皿あたりの価格を $x$ 円とおくと、売り上げ数は\[ \myBox{アイウ}-x\quad\cdots① \]と表される。
解説
1皿あたりの価格が50円上がるたびに売り上げが50皿減ると考えるので、1円上がるたびに1皿減ります。そのため、1皿 $x$ 円のときの売り上げ数は $-x+b$ で表すことができます。
$x=200$ のときにこの値が $200$ になるので、 $b=400$ となることから、売り上げ数は $400-x$ と表すことができます。
解答
アイウ:400
解答編 つづき
(2) 次に、二人は、利益の求め方について考えた。
- 利益は、売り上げ金額から必要な経費を引けば求められるよ。
- 売り上げ金額は、1皿あたりの価格と売り上げ数の積で求まるね。
- 必要な経費は、たこ焼き用器具の貸借料と材料費の合計だね。材料費は、売り上げ数と1皿あたりの材料費の積になるね。
二人は、次の三つの条件のもとで、1皿あたりの価格 $x$ を用いて利益を表すことにした。
(条件1)1皿あたりの価格が $x$ 円のときの売り上げ数として①を用いる。
(条件2)材料は、①により得られる売り上げ数に必要な分量だけ仕入れる。
(条件3)1皿あたりの材料費は 160円である。たこ焼き用器具の貸借料は 6000円である。材料費とたこ焼き用器具の貸借料以外の経費はない。
利益を $y$ 円とおく。 $y$ を $x$ の式で表すと\[ y=-x^2+\myBox{エオカ}x-\myBox{キ}\times 10000 \quad\cdots② \]である。
解説
条件通りに式を作っていきます。
まず、1皿あたりの価格が $x$ 円なので、売り上げ数は条件1の通り、 $400-x$ となります。
また、1皿あたりの材料費は160円で、売り上げ数に必要な分だけ仕入れるので、1皿売るごとに利益が $(x-160)$ 円増えることがわかります。
さらに貸借料 6000円を引けばいいので、 $y$ は
\begin{eqnarray}
y
&=&
(x-160)\times (400-x) -6000 \\[5pt]
&=&
-x^2+560x-64000 -6000 \\[5pt]
&=&
-x^2+560x-7\times 10000 \\[5pt]
\end{eqnarray}と表すことができます。
解答
エオカ:560
キ:7
解答編 つづき
(3) 太郎さんは利益を最大にしたいと考えた。②を用いて考えると、利益が最大になるのは1皿あたりの価格が $\myBox{クケコ}$ 円のときであり、そのときの利益は $\myBox{サシスセ}$ 円である。
解説
次のように平方完成をします。
\begin{eqnarray}
y
&=&
-x^2+560x-70000 \\[5pt]
&=&
-(x-280)^2+280^2-70000 \\[5pt]
&=&
-(x-280)^2+8400 \\[5pt]
\end{eqnarray}このグラフは上に凸の放物線なので、 $x=280$ のときに利益が最大となり、そのときの利益は $8400$ 円だとわかります。
解答
クケコ:280
サシスセ:8400
解答編 つづき
(4) 花子さんは、利益を 7500円以上となるようにしつつ、できるだけ安い価格で提供したいと考えた。②を用いて考えると、利益が 7500円以上となる1皿あたりの価格のうち、最も安い価格は $\myBox{ソタチ}$ 円となる。
解説
不等式で表すと
\begin{eqnarray}
-x^2+560x-70000 &\geqq & 7500 \\[5pt]
-x^2+560x-77500 &\geqq & 0 \\[5pt]
(x-250)(x-310) &\leqq & 0 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。これを満たす最小の正の整数 $x$ は $250$ なので、これが答えとなります。
解答
ソタチ:250