センター試験 数学I・数学A 2016年度 第1問 [1] 解説
問題編
問題
a を実数とする。 x の関数\[ f(x) = (1+2a)(1-x) + (2-a)x \]を考える。\[ f(x) = (-\myBox{ア}a+\myBox{イ})x +2a +1 \]である。
(1) $0 \leqq x \leqq 1$ における $f(x)$ の最小値は、
$\displaystyle a \leqq \frac{\mybox{イ}}{\mybox{ア}}$ のとき、 $\myBox{ウ}a+\myBox{エ}$ であり、
$\displaystyle a \gt \frac{\mybox{イ}}{\mybox{ア}}$ のとき、 $\myBox{オ}a+\myBox{カ}$ である。(2) $0 \leqq x \leqq 1$ において、常に $\displaystyle f(x) \geqq \frac{2(a+2)}{3}$ となる a の値の範囲は、 $\displaystyle \frac{\myBox{キ}}{\myBox{ク}} \leqq a \leqq \frac{\myBox{ケ}}{\myBox{コ}}$ である。
考え方
珍しく一次不等式の問題です。(1)は傾きの正負に応じて最小値をとる箇所が違うことに注意します。
(2)は(1)で求めたことを利用して、「 $f(x)$ が右辺以上」を「 $f(x)$ の最小値が右辺以上」と言い換えて解いていきます。
解答編
問題
a を実数とする。 x の関数\[ f(x) = (1+2a)(1-x) + (2-a)x \]を考える。\[ f(x) = (-\myBox{ア}a+\myBox{イ})x +2a +1 \]である。
解説
展開して、 x についてまとめます。
\begin{eqnarray}
f(x)
&=& (1+2a)(1-x)+(2-a)x \\
&=& (1+2a)-(1+2a)x\\
& & \ +(2-a)x \\
&=& (-3a+1)x+2a+1
\end{eqnarray}となります。
解答
アイ:31
解答編 つづき
問題
(1) $0 \leqq x \leqq 1$ における $f(x)$ の最小値は、
$\displaystyle a \leqq \frac{\mybox{イ}}{\mybox{ア}}$ のとき、 $\myBox{ウ}a+\myBox{エ}$ であり、
$\displaystyle a \gt \frac{\mybox{イ}}{\mybox{ア}}$ のとき、 $\myBox{オ}a+\myBox{カ}$ である。
解説
先ほど求めた通り、 $f(x)= (-3a+1)x+2a+1$ なので、 $f(x)$ は1次関数です。よって、 $0\leqq x \leqq 1$ の範囲で、x がどの値のときに最小値をとるかは、傾きが正か負かで変わってきます。まずは、傾きが正のときを考えていきましょう。傾きが正となるのは、 $-3a+1\gt 0$ のときなので、 $\displaystyle a\lt \frac{1}{3}$ のときです。このとき、グラフは右肩上がりなので、 $x=0$ のときが最小です。そのときの値は、さきほどの解答より、
\begin{eqnarray}
f(0)
&=&
(-3a+1)\cdot 0+2a+1 \\
&=&
2a+1
\end{eqnarray}となります。
$\displaystyle a= \frac{1}{3}$ のときは、傾きが $0$ なので、常に同じ値になります。この場合は、この値が最小値となります。少し変な日本語になりますが。
一方、 $\displaystyle a\gt\frac{1}{3}$ のときは、グラフは右肩下がり。よって、 $x=1$ のときが最小です。このときの値は、元の式から
\begin{eqnarray}
f(1)
&=&
(1+2a)\cdot 0+(2-a)\cdot 1 \\
&=&
-a+2
\end{eqnarray}となります。
式の一部分が消えて計算が簡単になるため、 $f(x) = (1+2a)(1-x) + (2-a)x$ の式を使っています。一番初めの答えである $f(x)= (-3a+1)x+2a+1$ に代入すると、少し計算が必要になってしまいます。たいした差ではないですが。
解答
ウエ:21オカ:-2
解答編 つづき
問題
(2) $0 \leqq x \leqq 1$ において、常に $\displaystyle f(x) \geqq \frac{2(a+2)}{3}$ となる a の値の範囲は、 $\displaystyle \frac{\myBox{キ}}{\myBox{ク}} \leqq a \leqq \frac{\myBox{ケ}}{\myBox{コ}}$ である。
解説
求める条件は、 $0\leqq x \leqq 1$ における $f(x)$ の最小値が $\displaystyle \frac{2(a+2)}{3}$ よりも大きい、ということと同じ条件ですね。(1)の解答を利用して考えていきます。$\displaystyle a\leqq\frac{1}{3}$ の場合、(1)の結果から、最小値は $2a+1$ です。これが $\displaystyle \frac{2(a+2)}{3}$ 以上となる条件は、
\begin{eqnarray}
2a+1 &\geqq & \frac{2(a+2)}{3} \\[5pt]
6a+3&\geqq & 2a+4 \\[5pt]
4a&\geqq & 1 \\[5pt]
a&\geqq & \frac{1}{4}
\end{eqnarray}
考えている区間は、 $\displaystyle a\leqq\frac{1}{3}$ なので、このとき a の範囲は $\displaystyle \frac{1}{4}\leqq a\leqq\frac{1}{3}$ となります。
一方、 $\displaystyle a\gt\frac{1}{3}$ のときは、(1)の結果より、最小値が $-a+2$ だったので、
\begin{eqnarray}
-a+2 &\geqq & \frac{2(a+2)}{3} \\[5pt]
-3a+6 &\geqq & 2a+4 \\[5pt]
-5a &\geqq & -2 \\[5pt]
a &\leqq & \frac{2}{5}
\end{eqnarray}
となります。考えている区間は、 $\displaystyle a\gt\frac{1}{3}$ なので、このとき a の範囲は $\displaystyle \frac{1}{3}\lt a\leqq\frac{2}{5}$ となります。
2つの区間を合わせると、 $\displaystyle \frac{1}{4}\leqq a\leqq\frac{2}{5}$ が求める範囲となります。
解答
キク:14
ケコ:25