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センター試験 数学I・数学A 2015年度 第5問 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

問題編

問題

 以下では、$a=756$ とし、m は自然数とする。

(1) a を素因数分解すると\[ a=2^{^{\myBox{ア}}} \cdot 3^{^{\myBox{イ}}} \cdot \myBox{ウ} \]である。
 a の正の約数の個数は $\myBox{エオ}$ 個である。

(2) $\sqrt{am}$ が自然数となる最小の自然数 m は $\myBox{カキ}$ である。$\sqrt{am}$ が自然数となるとき、m はある自然数 k により、$m=\mybox{カキ}k^2$ と表される数であり、そのときの $\sqrt{am}$ の値は $\myBox{クケコ}k$ である。

(3) 次に、自然数 k により $\mybox{クケコ}k$ と表される数で、11 で割った余りが 1 となる最小の k を求める。1次不定方程式\[ \mybox{クケコ}k-11\ell=1 \]を解くと、$k\gt 0$ となる整数解 $(k,\ell)$ のうち k が最小のものは、$k=\myBox{サ}$、$\ell=\myBox{シスセ}$ である。

(4) $\sqrt{am}$ が 11 で割ると 1 余る自然数となるとき、そのような自然数 m のなかで最小のものは $\myBox{ソタチツ}$ である。

考え方

(1)は、単に素因数分解するだけですね。(2)は各素因数が偶数乗になるようにmを決めれば答えになります。

(3)は典型的な不定方程式です。(4)は(3)の結果を使って考えます。


解答編

問題

 以下では、$a=756$ とし、m は自然数とする。

(1) a を素因数分解すると\[ a=2^{^{\myBox{ア}}} \cdot 3^{^{\myBox{イ}}} \cdot \myBox{ウ} \]である。
 a の正の約数の個数は $\myBox{エオ}$ 個である。

解説

756を素因数分解すると \[756 = 2^2 \cdot 3^3 \cdot 7 \] となります。

約数の個数は、各素因数の右上の数字に1を足して掛け合わせると計算できます。よって、今の場合は、(2+1)×(3+1)×(1+1)=24個であることがわかります。

解答

アイウ:237
エオ:24

解答編 つづき

問題

(2) $\sqrt{am}$ が自然数となる最小の自然数 m は $\myBox{カキ}$ である。$\sqrt{am}$ が自然数となるとき、m はある自然数 k により、$m=\mybox{カキ}k^2$ と表される数であり、そのときの $\sqrt{am}$ の値は $\myBox{クケコ}k$ である。

解説

$\sqrt{am}$ が自然数となるには、$2^2 \cdot 3^3 \cdot 7$ の各素因数の部分が偶数乗になればOKです。そのためには、少なくとも $3$ と $7$ を掛けないといけません。これらを1回ずつ掛ければ、偶数乗になって $\sqrt{am}$ は自然数になります。

よって、 $\sqrt{am}$ が自然数となる最小の自然数 m は 21 です。

また、$m=21k^2$のとき、
\begin{eqnarray} \sqrt{am} &=& \sqrt{ 2^2 \cdot 3^4 \cdot 7^2 \cdot k^2 }\\ &=& 2 \cdot 3^2 \cdot 7 \cdot k \\ &=& 126k \end{eqnarray}となります。

解答

カキ:21
クケコ:126

解答編 つづき

問題

(3) 次に、自然数 k により $\mybox{クケコ}k$ と表される数で、11 で割った余りが 1 となる最小の k を求める。1次不定方程式\[ \mybox{クケコ}k-11\ell=1 \]を解くと、$k\gt 0$ となる整数解 $(k,\ell)$ のうち k が最小のものは、$k=\myBox{サ}$、$\ell=\myBox{シスセ}$ である。

解説

$126k-11\ell=1$ を考えます。特殊解を求めるために、次のように変形します。
\begin{eqnarray} 126k-11\ell &=&1 \\ ( 11 \cdot 11 + 5 )k - 11\ell &=& 1 \\ 11( 11 k - \ell ) + 5k &=& 1 \\ \end{eqnarray}

このとき、$k=-2$、$11k-\ell=1$ なら、上の式を満たします。これを解けば、$k=-2$、$\ell=-23$ となります。元の式とこの結果を次のように並べます。
\begin{eqnarray} 126k-11\ell &=&1 \\ 126(-2)-11(-23) &=&1 \end{eqnarray}

これを辺々引けば、 $126(k+2)=11(\ell+23)$ となります。11 と 126 は互いに素なので、整数 n を使って、この解は次のように書けます。
\begin{eqnarray} k+2 &=& 11n \\ \ell+23&=& 126n \end{eqnarray}

$k=11n-2$ なので、$k\gt 0$ の範囲で一番小さいものは、$n=1$ のときで、その値は $9$ です。また、$\ell=126n-23$ なので、$\ell=103$ となります。

解答

サ:9
シスセ:103

解答編 つづき

問題

(4) $\sqrt{am}$ が 11 で割ると 1 余る自然数となるとき、そのような自然数 m のなかで最小のものは $\myBox{ソタチツ}$ である。

解説

$\sqrt{am}$ は $126k$ であり、これを 11 で割って 1 余るときを(3)で求めました。また、m が最小になるときと、k が最小になるときは同じであるため、\[ m= 21\cdot 9^2=1701 \]が求める値となります。

解答

ソタチツ:1701

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