センター試験 数学I・数学A 2015年度 第2問 [1] 解説
問題編
問題
条件 $p_1$、$p_2$、$q_1$、$q_2$ の否定をそれぞれ $\overline{ p_1 }$、$\overline{ p_2 }$、$\overline{ q_1 }$、$\overline{ q_2 }$ と書く。
(1) 次の $\mybox{ア}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ 3 のうちから一つ選べ。
命題「($p_1$ かつ $p_2$) $\Longrightarrow$ ($q_1$ かつ $q_2$)」の対偶は $\myBox{ア}$ である。
0: ($\overline{ p_1 }$ または $\overline{ p_2 }$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ q_1 }$ または $\overline{ q_2 }$)
1: ($\overline{ q_1 }$ または $\overline{ q_2 }$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ p_1 }$ または $\overline{ p_2 }$)
2: ($\overline{ q_1 }$ かつ $\overline{ q_2 }$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ p_1 }$ かつ $\overline{ p_2 }$)
3: ($\overline{ p_1 }$ かつ $\overline{ p_2 }$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ q_1 }$ かつ $\overline{ q_2 }$)(2) 自然数 n に対する条件 $p_1$、$p_2$、$q_1$、$q_2$ を次のように定める。
$p_1$:$n$ は素数である
$p_2$:$n+2$ は素数である
$q_1$:$n+1$ は $5$ の倍数である
$q_2$:$n+1$ は $6$ の倍数である$30$ 以下の自然数 n のなかで $\myBox{イ}$ と $\myBox{ウエ}$ は
命題「($p_1$ かつ $p_2$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ q_1 }$ かつ $q_2$)」
の反例となる。
考え方
(1)は、対偶の定義や「かつ」の否定に関する問題です。もとの命題から対偶をどう作るか、「かつ」を否定したときに命題はどうなるかを考えて選びましょう。
(2)は、30以下の自然数だけが対象であり、個数が限定されているので、具体的に書き出してみたほうが速いでしょう一つ一つチェックしていきましょう。
解答編
問題
条件 $p_1$、$p_2$、$q_1$、$q_2$ の否定をそれぞれ $\overline{ p_1 }$、$\overline{ p_2 }$、$\overline{ q_1 }$、$\overline{ q_2 }$ と書く。
(1) 次の $\mybox{ア}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ 3 のうちから一つ選べ。
命題「($p_1$ かつ $p_2$) $\Longrightarrow$ ($q_1$ かつ $q_2$)」の対偶は $\myBox{ア}$ である。
0: ($\overline{ p_1 }$ または $\overline{ p_2 }$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ q_1 }$ または $\overline{ q_2 }$)
1: ($\overline{ q_1 }$ または $\overline{ q_2 }$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ p_1 }$ または $\overline{ p_2 }$)
2: ($\overline{ q_1 }$ かつ $\overline{ q_2 }$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ p_1 }$ かつ $\overline{ p_2 }$)
3: ($\overline{ p_1 }$ かつ $\overline{ p_2 }$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ q_1 }$ かつ $\overline{ q_2 }$)
解説
「AならばB」の対偶は、「BでないならばAでない」です。なので、「($q_1$ かつ $q_2$)でない $\Longrightarrow$ ($p_1$ かつ $p_2$)でない」
が求めるものです。
また、「AかつB」の否定は、「Aでない、または、Bでない」なので、「($q_1$ かつ $q_2$)でない」というのは、「$q_1$でない、または、$q_2$でない」と同じです。
同様に、「($p_1$ かつ $p_2$)でない」は、「$p_1$でない、または、$p_2$でない」と同じです。
よって、
($\overline{ q_1 }$ または $\overline{ q_2 }$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ p_1 }$ または $\overline{ p_2 }$)
が答えになります。
解答
ア:1解答編 つづき
問題
(2) 自然数 n に対する条件 $p_1$、$p_2$、$q_1$、$q_2$ を次のように定める。
$p_1$:$n$ は素数である
$p_2$:$n+2$ は素数である
$q_1$:$n+1$ は $5$ の倍数である
$q_2$:$n+1$ は $6$ の倍数である$30$ 以下の自然数 n のなかで $\myBox{イ}$ と $\myBox{ウエ}$ は
命題「($p_1$ かつ $p_2$) $\Longrightarrow$ ($\overline{ q_1 }$ かつ $q_2$)」
の反例となる。
解説
「$p_1$かつ$p_2$」の条件を満たすのに、「$\overline{q_1}$かつ$q_2$」を満たさないものを見つければOKです。30以下の自然数だけを考えるので、直接書き出してみます。まずは、「$p_1$かつ$p_2$」を満たすものを考えましょう。
「$p_1$:nは素数である」を満たすものは、次の通りです。
2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29
この中で、「$p_2$:$n+2$は素数である」も満たすものは、
3, 5, 11, 17, 29
の5つしかありません。
次に、「$\overline{q_1}$かつ$q_2$」を満たさないものを考えます。つまり、これは、「$q_1$または$\overline{q_2}$」を満たすものを探すのと同じことです。
上の5つの数字のうち、「$q_1$:$n+1$は5の倍数である」を満たすものは「29」しかありません。
一方、「$\overline{q_2}$:$n+1$は6の倍数でない」を満たすものは「3」しかありません。
以上のことから、求める反例は、3と29となります。
解答
イ:3ウエ:29