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【基本】円と直線の共有点(二次方程式に注目)

ここでは、円と直線の共有点の座標を求める方法について見ていきます。出てくる式は違いますが、考え方は2直線の共有点のときと同じです。

📘 目次

円と直線の共有点

例題
円 $x^2+y^2=2$ と、次の直線との共有点の座標を求めなさい。共有点がない場合は「共有点なし」と答えなさい。
(1) $y=x$
(2) $y=x+2$
(3) $y=x+4$

共有点は、円、直線、どちらの上にもあるということなので、どちらの方程式も成り立つということです。そのため、2つの式を使って共有点を求めればいいですね。

(1)の場合、 $y=x$ を代入して
\begin{eqnarray} x^2+x^2 &=& 2 \\ (x+1)(x-1) &=& 0 \\ \end{eqnarray}となるため、 $x=1,-1$ となります。これを直線の方程式に入れると、共有点の座標は $(1,1),(-1,-1)$ となります。共有点は2点ですね。円の方程式に入れると、 y が1つには決まらないので、直線の方程式に入れましょう。

(2)も同様にすると
\begin{eqnarray} x^2+(x+2)^2 &=& 2 \\ 2x^2+4x+4 &=& 2 \\ x^2+2x+1 &=& 0 \\ (x+1)^2 &=& 0 \\ \end{eqnarray}となるため、 $x=-1$ となります。これを直線の方程式に入れると、共有点の座標は $(-1,1)$ となります。共有点は1点ですね。

(3)は、
\begin{eqnarray} x^2+(x+4)^2 &=& 2 \\ 2x^2+8x+16 &=& 2 \\ x^2+4x+7 &=& 0 \\ \end{eqnarray}となり、判別式が $4^2-4\cdot 7 \lt 0$ なので、これは実数解を持ちません。共有点があるなら、解があるはずなので、これは共有点がないということを意味します。この場合は「共有点なし」です。

ちなみに、それぞれを図でかくと次のようになります。

円と直線の共有点の個数

上の例題からもわかる通り、円 $(x-p)^2+(y-q)^2=r^2$ と直線 $ax+by+c=0$ の共有点を求めるなら、直線の方程式を $y=$ か $x=$ の形にして円の方程式に代入し、 x 座標か y 座標を計算します。得られた解を直線の方程式に代入すれば、もう片方の座標もそれぞれ1つに定まります。よって、円の方程式に代入して得られる二次方程式の解の個数と、円と直線の共有点の個数は一致します。

さらに、二次方程式の解の個数は、判別式によって変わってくるんでしたね(参考:【基本】二次方程式の解の個数と判別式)。

以上から、次のことが言えます。

円と直線の共有点の個数
直線の方程式を円の方程式に代入して得られる「一変数の二次方程式」について、「判別式 D 」と「直線と円の共有点の個数」には次の関係がある。
  • $D\gt 0$ $\iff$ 共有点は2点
  • $D = 0$ $\iff$ 共有点は1点
  • $D\lt 0$ $\iff$ 共有点はなし

例えば、「円と直線が共有点を持つ場合を求めなさい」と言われたら、直線の方程式を変形して円の方程式に代入し、二次方程式の判別式が $0$ 以上となる場合を求めればいいんですね。「異なる2つの共有点」なら、判別式が正の場合を求めます。

おわりに

ここでは、円と直線の共有点の個数について見てきました。2つの式から1つ文字を消去し、二次方程式を考えればいいんでしたね。解の個数と共有点の個数が一致することをおさえておきましょう。

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