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【基本】二次方程式の解の個数と判別式

ここでは、二次方程式の解の個数について見ていきます。また、その個数を判別するための式、判別式についても見ていきます。【基本】二次方程式の解の公式に出てきた解の公式を使います。

📘 目次

解の個数

二次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は、解の公式から次のように書けるんでしたね。\[ x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac} }{2a} \]ただし、 $b^2-4ac\geqq 0$ という条件でしか使えません。これが負になるときは、この方程式を満たす x は存在しません。それは、【基本】二次方程式の解の公式の証明に出てきた、次の式からわかります。\[ (2ax+b)^2=b^2-4ac \]右辺がマイナスなら、これを満たす実数 x が存在しないことは明らかです。つまり、 $b^2-4ac\lt 0$ のときは、二次方程式の解の個数は0です。

$b^2-4ac=0$ のとき、公式の中のルートの部分が0になることがわかります。よって、このときは解は次のように1つになることが分かります。\[ x=\frac{-b}{2a} \]また、 $b^2-4ac \gt 0$ なら、ルートの部分が正の数となり、解の個数は2つになることが分かりますね。

以上から、二次方程式の解の個数は、解の公式に出てくるルートの中の部分 $b^2-4ac$ が、正・0・負のどれかによって、変わってくることが分かります。これを計算すると、解の個数を判別できるので、この式には判別式(discriminant)という名前がついていて、D という記号で表すことが多いです。

まとめると、次が成り立ちます。

二次方程式の判別式と解の個数
二次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の判別式を $D=b^2-4ac$ とすると、
  • $D\gt 0$ なら解は2つ
  • $D= 0$ なら解は1つ
  • $D\lt 0$ なら解はなし

2つ目のケースでは $\displaystyle x=\frac{-b+0}{2a}, \frac{-b-0}{2a}$ の2つの解があって、それがたまたま同じになっている、重なっている、と考えることもできます。そのため、このような解を重解(multiple root)と呼びます。これに対し、1つ目は「解が同じではない」ということを強調するため、「異なる2つの解を持つ」ということもあります。

また、現段階では数の範囲は実数までですが、将来登場人物が増えます。それを見据えて、「解」のことを「実数解」ということもあります。つまり、上の3つの場合は、それぞれ次のようにいうこともあります。

二次方程式の判別式と解の個数
  • $D\gt 0$ なら、異なる2つの実数解を持つ
  • $D= 0$ なら、1つの実数解(重解)を持つ
  • $D\lt 0$ なら、実数解はなし

なお、解の公式を見ればわかる通り、それぞれ逆も成り立ちます(「異なる2つの実数解を持つなら $D\gt 0$ 」など)。

例題

「実数解の個数を調べなさい」という問題は、あまり出題されません。出されるとすれば、次のような形です。

例題
(1) 二次方程式 $x^2+x+p=0$ が実数解を持つような、 $p$ の範囲を求めなさい
(2) 二次方程式 $x^2+qx+1=0$ が重解を持つとき、 $q$ の値とそのときの重解を求めなさい

(1) 「実数解を持つ」とだけ言われた場合は、1個でも2個でもいいので、 $D\geqq 0$ という条件を調べればOKです。

この方程式の判別式を D とすると、
\begin{eqnarray} D=1^2-4\cdot 1\cdot p=1-4p \end{eqnarray}であり、これが0以上となる範囲を求めればいいので、 \begin{eqnarray} 1-4p & \geqq & 0 \\ 4p & \leqq & 1 \\ p & \leqq & \frac{1}{4} \\ \end{eqnarray}これが求める範囲となります。

(2)は、重解を持つときなので、 $D=0$ という条件を考えます。
この方程式の判別式を D とすると、
\begin{eqnarray} D=q^2-4\cdot 1\cdot 1=q^2-4 \end{eqnarray}であり、これが0となればいいので、 \begin{eqnarray} q^2-4&=&0 \\ (q+2)(q-2)&=&0 \\ q &=& 2,-2 \end{eqnarray}となります。

また、このときの重解は、解の公式から $\displaystyle x=\frac{-b}{2a}$ となるので、 $q=2$ のときは $x=-1$ 、$q=-2$ のときは $x=1$ と求めることができます。

おわりに

ここでは、解の個数と判別式について見てきました。解の公式のルートの中の部分が判別式になっていて、その値によって解の個数がわかる、ということを理解しておきましょう。

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