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【標準】二次関数のグラフがx軸から切り取る線分の長さ

ここでは、二次関数のグラフが $x$ 軸から切り取る線分の長さを求めたり、逆に、長さからグラフを求める問題を見ていきます。

📘 目次

x軸から切り取る線分の長さ

「$x$ 軸から切り取る線分の長さ」とは、【応用】二次関数の決定(x軸から切り取る長さ)でも出てきましたが、軽く振り返っておきましょう。

二次方程式のグラフ(放物線)が上のように $x$ 軸と交わっているとき、赤い太線の部分が「$x$ 軸から切り取る線分の長さ」です。

交点の $x$ 座標は、二次方程式の解の公式を使って求められるので、 $x$ 軸から切り取る線分の長さは「二次方程式の解の差」ということもできますね。

これを踏まえて問題を考えてみます。

例題

例題
(1) 二次関数 $y=x^2+5x+3$ のグラフが $x$ 軸から切り取る線分の長さを求めなさい。
(2) 二次関数 $y=x^2+5x+a$ のグラフが $x$ 軸から切り取る線分の長さが $3$ であるとき、定数 $a$ の値を求めなさい。

(1)は、二次方程式の解の差を求めればいいですね。 $x^2+5x+3=0$ とすると\[ x=\frac{-5\pm\sqrt{5^3-4\cdot 3}}{2}=\frac{-5\pm\sqrt{13}}{2} \]となることから、線分の長さは\[ \frac{-5+\sqrt{13}}{2} - \frac{-5-\sqrt{13}}{2} = \sqrt{13} \]と求められます。

(2)は、(1)とは逆で、切り取る線分の長さがわかっていて、グラフがわからない、という状況ですね。この場合も考え方は同じです。

ただ、問題を解く前段階として、 $x$ 軸から切り取る線分が存在する条件を考えておく必要があります。あとで解の公式を使うときにも効いてきますが、判別式を考えておく必要があります。

$x^2+5x+a=0$ の判別式を $D$ とすると、$x$ 軸から切り取る線分が存在することは $D\gt 0$ と同値です。\[ D=25-4a \]なので、 $25-4a\gt 0$ 、つまり、 $a\lt \dfrac{25}{4}$ を満たす必要があります。

この場合は、グラフは必ず $x$ 軸と2点で交わり、その $x$ 座標は、 $x^2+5x+a=0$ を解いて\[ x=\frac{-5\pm\sqrt{25-4a}}{2} \]となります。これから、切り取る線分の長さは\[ \frac{-5+\sqrt{25-4a}}{2}-\frac{-5-\sqrt{25-4a}}{2}=\sqrt{25-4a} \]と求められます。

これが $3$ となるときを求めればいいので
\begin{eqnarray} \sqrt{25-4a} &=& 3 \\[5pt] 25-4a &=& 9 \\[5pt] 4a &=& 25-9=16 \\[5pt] a &=& 4 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これは、冒頭で見た条件 $a\lt\dfrac{25}{4}$ を満たしているので、 $a=4$ が答えとなります。

おわりに

ここでは、二次関数のグラフが $x$ 軸から切り取る線分の長さに関する問題を見てきました。グラフと $x$ 軸との交点の $x$ 座標は、二次方程式を解けば求めることができるので、このことを利用して解いていきましょう。

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