【基本】円と直線の共有点(中心からの距離に注目)

ここでは、円と直線の共有点の個数について見ていきます。中心からの距離に注目して求めます。

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※ お知らせ:九州大学2020年度前期数学理系第4問・文系第4問 を解く動画を公開しました。

円と直線の共有点の個数

【基本】円と直線の共有点(二次方程式に注目)では、共有点の座標を求めるために、直線の方程式を円の方程式に代入し、得られた二次方程式を解きました。また、この判別式を使えば、共有点の個数を求めることもできました。

ただ、共有点の個数を求めるだけなら、別の方法もあります。円の中心からの距離に着目して考えてみましょう。

上の図は、円 O と直線 l の共有点が2点あるときを表しています。半径が r で、円の中心から直線までの距離を d としています。

共有点が2点ある場合、中心から直線に下した垂線の足は、円の内部にあるため、 $d\lt r$ となります。逆に $d\lt r$ なら、直線の一部が円の内部にあるということなので、円と直線の共有点は2点となります。

$d=r$ のときは、共有点が1点となります。逆に、共有点が1点の場合は、直線が円の接線になっていて、 $d=r$ となることがわかります。

$d\gt r$ のときは、「円の中心と直線上の点との一番近い距離」でさえ半径より大きいのだから、直線上の点は円の外側にあります。よって、共有点はありません。また、共有点がないときは、 $d\gt r$ でないといけません。

以上のことから、次のようにまとめることができます。

円と直線の共有点の個数
半径 r の円の中心と直線 l との距離を d とすると、「r, d の大小関係」と「円と直線の共有点の個数」には次のような関係がある。

  • $d\lt r$ $\iff$ 共有点は2点
  • $d = r$ $\iff$ 共有点は1点
  • $d\gt r$ $\iff$ 共有点はなし

ちなみに、円の中心から直線までの距離は、【標準】点と直線との距離で見た内容が使えます。これを使えば、計算はかなり楽になります。

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日常学習と入試対策への必須問題を漏れなく収録。章トビラに、その章で扱う例題とコラムの一覧を掲載。本文は、定理や公式など、問題を解く上で基本となるものをまとめた「基本事項」、教科書で扱われているレベルの問題が中心の「基本例題」、入試対策に向けた、応用力の定着に適した問題がそろった「重要例題」などで構成。各単元末には、例題に関連する問題を取り上げた「EXERCISES」を収録。他の単元の内容が絡んだ問題や、応用度がかなり高い問題を題材とする例題は、「関連発展問題」として適宜章末などに収録。巻末には、基本~標準レベルの入試問題を中心に取り上げた「総合演習」、大学入学共通テストの対策ができる「実践編」を収録。
著者:チャート研究所
出版社:数研出版
発売日:2019-11-01
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値段:¥2,365
(2020年09月 時点の情報です)

例題

例題
円 $x^2+y^2=2$ と、次の直線との共有点の個数を求めなさい。

(1) $y=x$
(2) $y=x+2$
(3) $y=x+4$

【基本】円と直線の共有点(二次方程式に注目)と同じ設定ですが、共有点の個数だけなので、上で見た内容を使いましょう。

円の中心は原点で、半径は $\sqrt{2}$ です。原点と各直線との距離をそれぞれ求め、半径と比べましょう。

(1) は $x-y=0$ と変形できるため、原点との距離は $0$ です。 $0\lt \sqrt{2}$ なので、共有点は2点です。

(2) は $x-y+2=0$ と変形できるため、原点との距離は \[ \frac{2}{\sqrt{1^2+(-1)^2}}=\sqrt{2} \] です。半径と等しいので、共有点は1点です。

(3) は、 $x-y+4=0$ と変形できるため、原点との距離は \[ \frac{4}{\sqrt{1^2+(-1)^2}}=2\sqrt{2} \] です。 $2\sqrt{2}\gt \sqrt{2}$ なので、共有点はなしです。

二次方程式を考えるよりも、だいぶ計算が楽になりましたね。原点が中心だったから計算が楽になった面もありますが、原点以外の場合でも、点と直線との距離の公式の分子の計算が少し増えるだけで、そんなに計算量は増えないでしょう。

おわりに

ここでは、円の中心から直線までの距離に着目して、円と直線の共有点の個数を考えました。共有点の座標まではわかりませんが、共有点の個数だけならこの方法で求める方が楽でしょう。