京都大学 理系 2020年度 第5問 解説
問題編
問題
縦4個、横4個のマス目のそれぞれに 1, 2, 3, 4 の数字を入れていく。このマス目の横の並びを行といい、縦の並びを列という。どの行にも、どの列にも同じ数字が1回しか現れない入れ方は何通りあるか求めよ。下図はこのような入れ方の1例である。
1 2 3 4 3 4 1 2 4 1 2 3 2 3 4 1
考え方
やるべきことはすぐにわかりますが、なかなかどう取り組んでいけばいいかわからないですね。場合分けをして攻めていくことになりますが、とにかくある程度までグループ化してまとめて数えて、あとは書き出すようにしてもいいでしょう。
解答編
問題
縦4個、横4個のマス目のそれぞれに 1, 2, 3, 4 の数字を入れていく。このマス目の横の並びを行といい、縦の並びを列という。どの行にも、どの列にも同じ数字が1回しか現れない入れ方は何通りあるか求めよ。下図はこのような入れ方の1例である。
1 2 3 4 3 4 1 2 4 1 2 3 2 3 4 1
解答
左上を基準とし、上から $i$ 行目、左から $j$ 列目を $(i,j)$ で表すとする。
「どの行にもどの列にも同じ数字が1回しか現れない」という条件を (A) と置く。この条件を満たす入れ方に対し、4つの列を並び替えれば、1以上4以下の $i$ に対して、 $(i,i)$ の数字に 1 が入るようにできる。
1 | |||
1 | |||
1 | |||
1 |
よって、この場合に条件(A) を満たす入れ方の総数を数え、それに $4!=24$ を掛ければ、(A)を満たす入れ方の総数が求められる。
以下、条件(A)を満たし、どの $(i,i)$ にも 1 が入っている場合を考える。1行目が、 1, a, b, c という順番に並んでいたとする。1列目も上から順番に 1, a, b, c と入っていた場合、条件(A)を満たす入れ方は次のようになる。なお、1列目の入れ方を決めると、他のマスの入れ方は1通りにきまる。
1 | a | b | c |
a | 1 | c | b |
b | c | 1 | a |
c | b | a | 1 |
また、1列目と4列目のa, bを入れ替えたもの、1列目と2列目のb, cを入れ替えたもの、1列目と3列目のc, aを入れ替えたものも条件(A)を満たす。これらも1列目の入れ方を決めると、他のマスに入る数字は1通りにきまる。
なお、1列目の入れ方は、他に2通りある。まず、次の場合を考える。
1 | a | b | c |
b | 1 | ||
c | 1 | ||
a | 1 |
この場合、 $(2,3)$ には c が入り、 $(2,4)$ には a が入るしかないが、3行目に a が入る場所がなくなってしまう。
また、次の場合を考える。
1 | a | b | c |
c | 1 | ||
a | 1 | ||
b | 1 |
このばあ、 $(2,3)$ には a が入るしかないが、そうすると4行目に a が入るところがない。
このことから、1行目の入れ方を決めた場合、条件(A) を満たす入れ方は4通りあることがわかる。
よって、条件(A)を満たす入れ方は、1行目の入れ方が $3!=6$ 通り、そのそれぞれに2行目以降の入れ方が $4$ 通り、そして、列を並び替えの方法が $4!=24$ 通りなので、求める場合の数は\[ 6\times 4\times 24=576 \]通りとなる。
(終)