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京都大学 理系 2013年度 第4問 解説

問題編

問題

 $-\dfrac{\pi}{2}\leqq x\leqq \dfrac{\pi}{2}$ における $\cos x+\dfrac{\sqrt{3} }{4}x^2$ の最大値を求めよ。ただし $\pi\gt 3.1$ および $\sqrt{3}\gt 1.7$ が成り立つことは証明なしに用いてよい。

考え方

このような関数が与えられて、最大値を求めよ、と言われたら、することは1つしかありません。途中で、具体的な値が求められない箇所が出てきますが、最大値を求めるためには何が必要かをよく考えましょう。


解答編

問題

 $-\dfrac{\pi}{2}\leqq x\leqq \dfrac{\pi}{2}$ における $\cos x+\dfrac{\sqrt{3} }{4}x^2$ の最大値を求めよ。ただし $\pi\gt 3.1$ および $\sqrt{3}\gt 1.7$ が成り立つことは証明なしに用いてよい。

解答

$f(x)=\cos x+\dfrac{\sqrt{3} }{4}x^2$ とする。 $f(x)$ は偶関数なので、 $0\leqq x\leqq \dfrac{\pi}{2}$ の範囲で考える。

\begin{eqnarray} f'(x) &=& -\sin x+\frac{\sqrt{3} }{2}x \\[5pt] f^{\prime\prime}(x) &=& -\cos x+\frac{\sqrt{3} }{2} \\[5pt] \end{eqnarray}なので、 $f^{\prime\prime}(x)=0$ は $x=\dfrac{\pi}{6}$ と同値である。これより、 $f'(x)$ の増減表は次のようになる。 \begin{array}{c|ccccc} x & 0 & \cdots & \dfrac{\pi}{6} & \cdots & \dfrac{\pi}{2} \\ \hline f^{\prime\prime}(x) & & - & 0 & + & \\ \hline f'(x) & 0 & \searrow & & \nearrow & \end{array}ここで、 \begin{eqnarray} f' \left(\frac{\pi}{2}\right) &=& -\sin\frac{\pi}{2}+\frac{\sqrt{3} }{2}\cdot\frac{\pi}{2} \\[5pt] &=& -1+\frac{\pi\sqrt{3} }{4} \\[5pt] &\gt& -1+\frac{3.1\cdot 1.7}{4} \\[5pt] &\gt& 0 \end{eqnarray}なので、 $0\lt x\leqq\dfrac{\pi}{2}$ の範囲で $f'(x)=0$ となる $x$ はただ1つだけ存在し、その値を $\alpha$ とすると、 $\dfrac{\pi}{6}\lt \alpha\lt\dfrac{\pi}{2}$ を満たす。

よって、 $f(x)$ の増減表は次のようになる。
\begin{array}{c|ccccc} x & 0 & \cdots & \alpha & \cdots & \dfrac{\pi}{2} \\ \hline f'(x) & & - & 0 & + & \\ \hline f(x) & 1 & \searrow & & \nearrow & \end{array}ここで、 \begin{eqnarray} f \left(\frac{\pi}{2}\right) &=& \cos \frac{\pi}{2}+\frac{\sqrt{3} }{4} \cdot \left(\frac{\pi}{2}\right)^2 \\[5pt] &=& \frac{\pi^2\sqrt{3} }{16} \\[5pt] &\gt & \frac{3.1^2 \cdot 1.7}{16} \\[5pt] &=& \frac{16.337}{16} \\[5pt] &\gt & 1 =f(0) \end{eqnarray}である。

以上から、 $\cos x+\dfrac{\sqrt{3} }{4}x^2$ は、 $x=\pm\dfrac{\pi}{2}$ のときに最大値 $\dfrac{\pi^2\sqrt{3} }{16}$ をとる。

(終)

解説

$f(x)$ の最大値を求めるには、 $f'(x)$ を求めて増減表を書くのが定番です。ただ、 $f'(x)=0$ の解がどうなっているかがわからないので、 $f'(x)$ の増減表も書く必要が出てきます。

$f'(x)=0$ の解のうち、 $x=0$ でないものを、上では $\alpha$ と置いていますが、この値は具体的には求められません。が、別に求める必要はありません。 $f(x)$ の増減表を書くには不要です。結局、最大値となる候補は、 $x=0$ か区間の端しかなく、この値を調べればOK、となります。

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