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京都大学 理系 2006年度後期 第6問 解説

問題編

【問題】
 $\tan 1^{\circ}$は有理数か。

【考え方】
出ました。なんという問題でしょう。短いながらも面白い問題です。「そりゃあ、無理数だろ」っていう印象しかありませんが、どうやって示せばいいでしょうか。

当たり前ですが、$\tan 1^{\circ}$そのものを計算しようとしてはいけません。背理法を使って、「もし有理数だったら、矛盾が生じる」という方針でやっていくべきです。加法定理を使えば、新しく有理数を作り出せるので、このことを利用して解答を書いていきます。

わからない人にはさっぱりわからないですが、わかる人からすると5行ぐらいで解答が書けてしまう問題です。


解答編

【問題】
 $\tan 1^{\circ}$は有理数か。

【解答】
$\tan 1^{\circ}$が有理数だとする。加法定理から$\tan (\alpha+\beta)=\frac{\tan\alpha+tan\beta}{1-\tan\alpha\tan\beta}$なので、$\alpha=\beta=1^{\circ}$とすると、$\tan 2^{\circ}$も有理数となる。また、$\alpha=2^{\circ}$、$\beta=1^{\circ}$とすると、$\tan 3^{\circ}$も有理数となることがわかる。以下繰り返すと、$\tan 60^{\circ}$も有理数となるが、これは$\sqrt{3}$で無理数なので矛盾する。

よって、$\tan 1^{\circ}$は有理数ではない。

【解答終】

【解説】
答えを見るとあっさりしてますが、一番難しいのは「新しく別の有理数を作り出す」ことが思いつけるかどうかです。それが思いつきさえすれば、特に難しいことはありません。

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