センター試験 数学II・数学B 2019年度 第1問 [1] 解説
【必答問題】
問題編
問題
関数 $f(\theta)=3\sin^2\theta+4\sin\theta\cos\theta-\cos^2\theta$ を考える。
(1) $f(0)=\myBox{アイ}$, $f\left(\dfrac{\pi}{3}\right)=\myBox{ウ}+\sqrt{\myBox{エ} }$ である。
(2) 2倍角の公式を用いて計算すると、 $\cos^2\theta=\dfrac{\cos2\theta+\myBox{オ} }{\myBox{カ} }$ となる。さらに、 $\sin 2\theta$, $\cos2\theta$ を用いて $f(\theta)$ を表すと\[ f(\theta)=\myBox{キ}\sin2\theta-\myBox{ク}\cos2\theta+\myBox{ケ}\quad \cdots ① \]となる。
(3) $\theta$ が $0\leqq \theta \leqq \pi$ の範囲を動くとき、関数 $f(\theta)$ のとり得る最大の整数の値 $m$ とそのときの $\theta$ の値を求めよう。
三角関数の合成を用いると、①は\[ f(\theta)=\myBox{コ}\sqrt{\myBox{サ} }\sin \left(2\theta-
\dfrac{\pi}{\myBox{シ} }\right)+\mybox{ケ} \]と変形できる。したがって $m=\myBox{ス}$ である。また、 $0\leqq \theta\leqq \pi$ において、 $f(\theta)=\mybox{ス}$ となる $\theta$ の値は、小さい順に、 $\dfrac{\pi}{\myBox{セ} }$, $\dfrac{\pi}{\myBox{ソ} }$ である。
考え方
(2)のような、公式を使って元の関数を変形する問題は、よく出題されています。使う公式も指定されていて、それほどひねりのある変形は出てきません。
(3)のように、合成を使って関数の最大・最小を考える問題も、よく出題されていますね。展開して元に戻ることを確かめるようにしましょう。「整数値を考える」という点が少し変わっていますが、特に難しくなるわけではありません。関数のとり得る値を考えましょう。
解答編
問題
関数 $f(\theta)=3\sin^2\theta+4\sin\theta\cos\theta-\cos^2\theta$ を考える。
(1) $f(0)=\myBox{アイ}$, $f\left(\dfrac{\pi}{3}\right)=\myBox{ウ}+\sqrt{\myBox{エ} }$ である。
解説
値を計算するだけですね。
\begin{eqnarray}
f(0)
&=&
3\cdot 0^2+4\cdot 0\cdot 1-1^2 \\[5pt]
&=&
-1
\end{eqnarray}となります。また、
\begin{eqnarray}
f\left(\dfrac{\pi}{3}\right)
&=&
3\cdot \left(\frac{\sqrt{3} }{2}\right)^2+4\cdot \frac{\sqrt{3} }{2}\cdot \frac{1}{2}-\left(\frac{1}{2}\right)^2 \\[5pt]
&=&
\frac{9}{4}+\sqrt{3}-\frac{1}{4} \\[5pt]
&=&
2+\sqrt{3}
\end{eqnarray}となります。
解答
アイ:-1
ウエ:23
解答編 つづき
問題
(2) 2倍角の公式を用いて計算すると、 $\cos^2\theta=\dfrac{\cos2\theta+\myBox{オ} }{\myBox{カ} }$ となる。さらに、 $\sin 2\theta$, $\cos2\theta$ を用いて $f(\theta)$ を表すと\[ f(\theta)=\myBox{キ}\sin2\theta-\myBox{ク}\cos2\theta+\myBox{ケ}\quad \cdots ① \]となる。
解説
2倍角の公式から $\cos 2 \theta=2\cos^2\theta-1$ なので、これを変形すると\[ \cos^2\theta = \frac{\cos 2\theta +1}{2} \]となります。
また、2倍角の公式の $\sin 2\theta=2\sin\theta\cos\theta$ と、 $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$ も用いると
\begin{eqnarray}
f(\theta)
&=&
3\sin^2\theta+4\sin\theta\cos\theta-\cos^2\theta \\[5pt]
&=&
3(1-\cos^2 \theta)+2\sin 2\theta-\cos^2\theta \\[5pt]
&=&
3-4\cos^2 \theta +2\sin 2\theta \\[5pt]
&=&
3-4\cdot \frac{\cos 2\theta +1}{2} +2\sin 2\theta \\[5pt]
&=&
3-2(\cos 2\theta +1) +2\sin 2\theta \\[5pt]
&=&
2\sin 2\theta -2\cos 2\theta +1
\end{eqnarray}と変形できます。
解答
キクケ:221
解答編 つづき
問題
(3) $\theta$ が $0\leqq \theta \leqq \pi$ の範囲を動くとき、関数 $f(\theta)$ のとり得る最大の整数の値 $m$ とそのときの $\theta$ の値を求めよう。
三角関数の合成を用いると、①は\[ f(\theta)=\myBox{コ}\sqrt{\myBox{サ} }\sin \left(2\theta-
\dfrac{\pi}{\myBox{シ} }\right)+\mybox{ケ} \]と変形できる。したがって $m=\myBox{ス}$ である。
解説
\begin{eqnarray} f(\theta) &=& 2\sin 2\theta -2\cos 2\theta +1 \\[5pt] &=& 2\left(\sin 2\theta -\cos 2\theta\right) +1 \end{eqnarray}と変形できるので、カッコの中に対して、三角関数の合成を考えましょう。各係数の2乗の和は $\sqrt{2}$ なので、合成できたとすると $\sqrt{2}\sin(2\theta+\alpha)$ となります。 $\alpha$ は、 $\cos\alpha=\frac{1}{\sqrt{2} }$, $\sin\alpha=-\frac{1}{\sqrt{2} }$ を満たすものなので、 $\alpha=-\dfrac{\pi}{4}+2n\pi$ と書けます( $n$ は整数)。解答欄から考えると、 $\alpha=-\dfrac{\pi}{4}$ です。よって、
\begin{eqnarray}
f(\theta)
&=&
2\left(\sin 2\theta -\cos 2\theta\right) +1 \\[5pt]
&=&
2 \cdot \sqrt{2}\sin \left(2\theta-\dfrac{\pi}{4}\right) +1 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
$0\leqq \theta \leqq \pi$ のとき、\[ -\dfrac{\pi}{4}\leqq 2\theta-\dfrac{\pi}{4}\leqq \frac{7\pi}{4} \]なので、 $f(\theta)$ は、 $-2\sqrt{2}+1$ 以上 $2\sqrt{2}+1$ 以下の値をとります。 $2\sqrt{2}+1=\sqrt{8}+1$ であり、これは3以上4未満の数なので、 $f(\theta)$ のとり得る最大の整数は $3$ であることがわかります。
解答
コサシ:224
ス:3
解答編 つづき
問題
また、 $0\leqq \theta\leqq \pi$ において、 $f(\theta)=\mybox{ス}$ となる $\theta$ の値は、小さい順に、 $\dfrac{\pi}{\myBox{セ} }$, $\dfrac{\pi}{\myBox{ソ} }$ である。
解説
\begin{eqnarray} 2\sqrt{2}\sin \left(2\theta-\dfrac{\pi}{4}\right) +1 &=& 3 \\[5pt] \sin \left(2\theta-\dfrac{\pi}{4}\right) &=& \frac{1}{\sqrt{2} } \\[5pt] \end{eqnarray}となります。\[ -\dfrac{\pi}{4}\leqq 2\theta-\dfrac{\pi}{4}\leqq \frac{7\pi}{4} \]なので、この範囲で上の式を満たすとき、 $2\theta-\dfrac{\pi}{4}$ の値は\[ \frac{\pi}{4},\frac{3\pi}{4} \]です。これを解いて、\[ \theta=\frac{\pi}{4},\frac{\pi}{2} \]となることがわかります。解答
セソ:42