【必答問題】
問題編
問題
(図は元の問題文を参考に再現しています。)$\def\myBox#1{\bbox[3px, border:2px solid]{\ \bf{ #1 }\ }}\def\mybox#1{\bbox[4px, border:1px solid gray]{\ #1\ }}$
スキージャンプは、飛距離および空中姿勢の美しさを競う競技である。選手は斜面を滑り降り、斜面の端から空中に飛び出す。飛距離 D (単位はm)から得点 X が決まり、空中姿勢から得点 Y が決まる。ある大会における58回のジャンプについて考える。
(1) 得点 X, 得点 Y および飛び出すときの速度 V (単位は km/h)について、図1の3つの散布図を得た。
図1
(出典:国際スキー連盟のWebページより作成)次の $\mybox{シ}$, $\mybox{ス}$, $\mybox{セ}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ 6 のうちから一つずつ選べ。ただし、解答の順序は問わない。
図1から読み取れることとして正しいものは、 $\myBox{シ}$, $\myBox{ス}$, $\myBox{セ}$ である。
0: X と V の間の相関は、 X と Y の間の相関より強い。
1: X と Y の間には正の相関がある。
2: V が最大のジャンプは、 X も最大である。
3: V が最大のジャンプは、 Y も最大である。
4: Y が最小のジャンプは、 X は最小ではない。
5: X が80以上のジャンプは、すべて V が93以上である。
6: Y が55以上かつ V が94以上のジャンプはない。(2) 得点 X は飛距離 D から次の計算式によって算出される。\[ X=1.80 \times (D-125.0) +60.0 \]
次の $\mybox{ソ}$, $\mybox{タ}$, $\mybox{チ}$ にそれぞれ当てはまるものを、下の 0 ~ 6 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。
- X の分散は、 D の分散の $\myBox{ソ}$ 倍になる。
- X と Y の共分散は、 D と Y の共分散の $\myBox{タ}$ 倍である。ただし、共分散は、2つの変量のそれぞれにおいて平均値からの偏差を求め、偏差の積の平均値として定義される。
- X と Y の相関係数は、 D と Y の相関係数の $\myBox{チ}$ 倍である。
0: -125
1: -1.80
2: 1
3: 1.80
4: 3.24
5: 3.60
6: 60.0(3) 58回のジャンプは29名の選手が2回ずつ行ったものである。1回目の $X+Y$ (得点 X と得点 Y の和)の値に対するヒストグラムと2回目の $X+Y$ の値に対するヒストグラムは図2の A, B のうちのいずれかである。また、1回目の $X+Y$ の値に対する箱ひげ図と2回目の $X+Y$ の値に対する箱ひげ図は図3の a, b のうちのいずれかである。ただし、1回目の $X+Y$ の最小値は 108.0 であった。
図2
(出典:国際スキー連盟のWebページより作成)図3
(出典:国際スキー連盟のWebページより作成)次の $\mybox{ツ}$ に当てはまるものを、下の表の 0 ~ 3 のうちから一つ選べ。
1回目の $X+Y$ の値について、ヒストグラムおよび箱ひげ図の組合せとして正しいものは、 $\myBox{ツ}$ である。
0 1 2 3 ヒストグラム A A B B 箱ひげ図 a b a b 次の $\mybox{テ}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ 3 のうちから一つ選べ。
図3から読み取れることとして正しいものは、 $\myBox{テ}$ である。
0: 1回目の $X+Y$ の四分位範囲は、2回目の $X+Y$ の四分位範囲より大きい。
1: 1回目の $X+Y$ の中央値は、2回目の $X+Y$ の中央値より大きい。
2: 1回目の $X+Y$ の最大値は、2回目の $X+Y$ の最大値より小さい。
3: 1回目の $X+Y$ の最小値は、2回目の $X+Y$ の最小値より小さい。
出版社:Z会
発売日:2020-06-08
ページ数:264 ページ
値段:¥1,320
(2020年10月 時点の情報です)
考え方
グラフから読み取る問題は、ひねりはありません。相関の意味や、箱ひげ図の定義をしっかりおさえておけば、それほど難しくはないでしょう。
変数を変換したときに分散や相関係数がどう変わるかは、少し難しいです。定義に戻って確認すればひらめくかもしれませんが、センター試験ではよく聞かれる内容なので、事前に考え方をまとめておく方がいいでしょう。